福島市入江町の古関裕而記念館に、伴奏に合わせて「長崎の鐘」や「イヨマンテの夜」などのハーモニーが響く。毎月二、三回、週末の昼に開かれる「うたごえサロン」に、小学生から八十代までの男女が集う。

 一九八八(昭和六十三)年十一月の開館後、市民有志が始めたのがきっかけだった。常連でも初めての人でも、誰もが自由に参加できる。これまでの三十人ほどから、最近は四十人を上回る。「世代を超えて愛され、時間がたっても色あせない」。毎回楽しみにする一人が魅力を明かす。

 校歌や県内ゆかりの曲を数多く手掛け、県民になじみが深い。県外の人も、夏の甲子園の開会式や東京六大学の早慶戦、プロ野球伝統の巨人阪神戦で流れる旋律に聞き覚えがある。野球の応援歌に詳しい慶応大名誉教授池井優[まさる]さんは球界への貢献の大きさを説く。

 十四日に発表された今年の野球殿堂入りに、その名前はなかった。古関さんと妻金子[きんこ]さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「エール」の放送が三月三十日に始まる。全国にファンが増えるのは間違いない。今年は候補者十人の中に入った。来年こそ実現するように県民挙げて応援していこう。