直木賞作家の北村薫さん(70)は十四日、富岡町の富岡小中富岡校で特別授業を行った。本そのものや、読書の魅力について語った。

 北村さんは埼玉県杉戸町出身で、杉戸町から名誉町民の称号を受けている。同町と富岡町は今年、友好都市締結十周年を迎える。節目の年に富岡町からの特別授業の依頼を北村さんが快諾した。

 小学六年生三人、中学生十人が授業に臨んだ。北村さんは元高校の国語教師。久しぶりに教壇に立ち「教室っていいな」と目を細めた。自著の表紙を飾った絵の原画や、字が印刷されていない試作段階の本、カバーの原案などを児童生徒に紹介した。「本はパソコンなど画面で読む文章と違い、単なる情報ではない。作り手の思いが詰まっている」との考えを伝えた。

 児童生徒が一人ずつ、北村さんの小説「月の砂漠をさばさばと」を特別授業前に読んだ感想や共感した点を語った。北村さんは「小説や詩の中に自分とつながるものを見いだすのは、本を読む楽しさの一つ」と語った。