県は福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想への県内企業の参入を促すため、異業種交流組織を二月に新設する。構想に関わる拠点施設の視察会や先端技術に関する研修会などを通して企業間交流を活発化させ、地元企業の取引拡大や進出企業とのマッチングを後押しする。


 県が十五日の県議会各会派の政調会で示した。交流組織のイメージは【図】の通り。組織名は「福島イノベ倶楽部(仮称)」。廃炉やロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙などイノベ構想で集積を目指す新産業分野で県外から浜通りに進出した企業や、精密加工や部品製造に代表される県内製造業、異分野から農業に参入した企業などの参加を想定している。県と福島イノベーション・コースト構想推進機構が事務局を担う。

 異業種連携により新たな事業の創出を目指す趣旨で、賛同する企業を近く募り、二月に設立総会を開く。四十〜五十社程度で発足し、徐々に規模を拡大する。県内外の大学や研究機関、福島相双復興推進機構などの復興支援に携わる機関・団体にも賛助会員として参加を呼び掛ける。

 倶楽部では、中通りや会津地方の企業をイノベ構想の拠点施設や進出企業に招く視察会をはじめ、先進事例などを学ぶ研修会や交流会などの実施を検討している。業種の異なる企業に定期的に交流できる機会を提供し、新事業の創出や販路拡大による産業振興につなげる。

 イノベ構想を巡っては今春、福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)の開所や福島ロボットテストフィールド(南相馬市)の全面開所が控えるなど拠点施設の整備が進んでいる。

 県は国の財源を活用し、地元企業と連携して研究開発などに取り組む企業を補助する制度を設けており、二〇一六(平成二十八)年度から二〇一九年度までに延べ二百五十八件を採択した。イノベ構想推進機構も企業立地セミナーや現地見学ツアー、ビジネス交流会などを継続的に開催しているが、地元企業の参入をいかに促進していくかが課題になっている。

 これまでもロボットや医療関連など産業分野別に情報交換などはされていたが、地元企業のさらなる参入を促し、中通りや会津も含めた全県的な取り組みとするには、業種の垣根を越えて連携を強める仕組みが必要と判断した。

 県福島イノベーション・コースト構想推進室の担当者は「県内企業が構想に参入する動きを全県に波及させたい」としている。