衆院予算委員会は十四日、二〇二〇(令和二)年度予算案に関する地方公聴会を郡山市の郡山ビューホテルアネックスで開いた。県内の意見陳述人四人からは台風19号と記録的大雨による災害からの復旧や教訓を踏まえた防災対策、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の加速化、風評の払拭(ふっしょく)などを国に求める意見が上がった。

 県商工会議所連合会の渡辺博美会長、Bridge for Fukushimaの伴場賢一代表理事、郡山市の品川萬里市長、福島大の鈴木浩名誉教授が意見陳述人として出席した。

 渡辺会長は原発事故による風評は農林水産業や観光業などで根強いとして「福島第一原発のトリチウムを含んだ処理水の問題はさらなる風評につながりかねない」と指摘し、国に対策を求めた。

 伴場代表理事は台風19号による災害時にボランティアセンターを支援した経験を踏まえ、「ボランティアの重要性が高まっている。震災前から地域間で連携する仕組みをつくるべき」と主張した。

 品川市長は台風19号の際に聴覚障害者に手話映像で情報を伝えた事例を紹介し「デジタルシステムを使わずに災害対策はできない。国民がいち早く情報を得られるよう法律を整備すべき」と訴えた。

 鈴木名誉教授は原発事故の損害賠償で東電が裁判外紛争解決手続きの和解案を拒否している事例を念頭に「集落の文化が失われている。復興のために支援や賠償をすべきではないか」と指摘した。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、意見陳述人からは「福島県でも水際対策を真剣に考える必要がある。国がウイルスについての科学的な根拠や事業者の備えなどをまとめ、信頼できる情報を出してほしい」などの意見が出た。

 出席委員のうち、福島県関係は衆院会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」の玄葉光一郎衆院議員(無所属、福島県3区)が質疑者となった。自民党の根本匠衆院議員(福島県2区)も出席した。

 地方公聴会は同日、熊本県でも開かれた。衆院予算委が県内で地方公聴会を開くのは二〇一六(平成二十八)年二月以来となる。