東日本大震災からの復興の象徴として知られる南相馬市鹿島区の「かしまの一本松」が復活した。市民らが二十二日、種などから育てた九本の二世苗を鹿島区南右田行政区の跡地に植えた。

 地元住民らでつくる「かしまの一本松を守る会」が企画した。二世苗は会員の荒新一郎さん(74)らが育てた。このほか、クロマツの苗木約六百五十本を植樹した。荒さんは「無事に元の場所に植えられて一安心。周りの草木に負けないように手入れを丁寧にしていく」と話した。

 南右田行政区は甚大な津波被害を受け、二〇一七(平成二十九)年三月に閉区した。震災発生時は約七十世帯約三百二十五人が暮らしていた。五十四人が津波で犠牲となった。会長の五賀和雄さん(79)は同行政区の最後の区長を務めた。「(二世苗を植えた場所が)震災の教訓を語り継いだり、復興の証を伝承する場になってほしい」と願う。

 「かしまの一本松」は二〇一七年十二月に多くの市民に惜しまれながら伐採された。高さ約二十五メートル、根回り約二メートルのクロマツで、樹齢は約百年だった。