福島市の東邦銀行本店で二十四日に記者会見した同行の北村清士頭取(72)と次期頭取に内定した佐藤稔専務(59)は「地域金融機関としての役割を果たす」と口をそろえた。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故、台風などからの復興や地方創生などを金融面から支援する。

 十三年にわたり、県内トップ行のかじ取りを担った北村氏は在任中の感想を問われると「厳しいことばかりだった」と心境を吐露した。就任直後のリーマンショック、震災・原発事故、超低金利の長期化、急速なデジタル化、新型コロナウイルスの感染拡大による国内外の経済活動停滞などを挙げた。

 後任の佐藤氏について「営業店での経験が豊富で本部でも企画や市場金融、システムを経験するなどオールラウンダー。求心力もあり、リーダーにふさわしい」と評価した。

 同行の役員人事は五月の取締役会で内定するのが通例。今回、時期が早かった理由について北村氏は「新たなリーダーのもとで新年度をスタートさせ、社業を前に進めたい」と説明した。

 佐藤氏は会見で、マイナス金利政策や市場の縮小などを挙げ「地銀は大きな転換期を迎えている。地域に貢献できる、必要とされる銀行を目指す」と抱負を述べた。

 同行は全国の地銀と広域連携の枠組み「TSUBASAアライアンス」を展開している。佐藤氏はこの枠組みによる連携を今後も推進する考えを示した。県内他地銀との合併や経営統合に関しては「単独で経営していけると考えている。現段階でそういった(合併や経営統合など)考えはない」と強調した。

 北村氏は震災時、被災した企業への融資に力を入れて、県内経済の建て直しに尽力した。同行の働き方改革も推進した。今後については「多忙な頭取を陰で支えたい。これまでの経験を生かしグループ会社との連携を密にしたい」と語った。