東日本大震災の津波で被災した相馬市の原釜・尾浜地区の震災前の街並みを再現したジオラマが完成し、二十六日に同市原釜の市伝承鎮魂祈念館で被災住民らにお披露目された。

 ジオラマは震災の伝承などを目的に、津波被災者でつくる「東部再起の会」と東部地区の区長らから要望を受けた市が、復興庁の「心の復興事業」の採択を受けて制作した。完成まで住民参加のワークショップを十回程度開き、記憶や思い出を聞き取って建物の屋根の色を再現したり、地区内のシンボル的な場所や施設を選んだりした。

 お披露目式には約三十人が出席。宇佐見清市企画政策部長があいさつし、安達利郎東部再起の会長が「若い世代に教訓を伝承し、少しでも減災につなげてほしい」と述べた。

 ジオラマが除幕されると、住民は思い出の場所や自宅を指さし、笑顔で言葉を交わし合った。南部洋司さん(67)=同市原釜字北高野=は「ジオラマを眺めて、古里はやっぱりいい所だったと感じた。震災の記憶を絶やすことなく、悲劇を繰り返さないようにしたい」と感慨深げだった。

 ジオラマは今後、同館に常設展示する。