郡山市が本拠地の野球チーム・福島レッドホープスが開幕五試合目で初勝利を挙げた。黒星先行にも選手は「野球ができるだけで感謝したい気持ち」と前を向く。二カ月遅れで始まったシーズンに全力を注ぐ。

 独立リーグ・ルートインBCリーグで六年目。創設以来「福島のために」をモットーに県民に寄り添ってきた。市内は昨秋の台風19号で大きな被害を受けた。選手は浸水したクリーニング店や高齢者施設でボランティアに取り組んだ。公式戦がない時期、アルバイトの合間に駆け付けた選手もいる。

 チームは専用のグラウンドを持たず、主催試合は県内十六球場を転戦する。恵まれた環境とはいえない中、最高峰のプロ野球入りを目指す若手が入団した。今春、高校を卒業した投手や大学を中退した即戦力のルーキーたちだ。リーグで好成績を残せば夢の実現に近づく。

 状況を見極めつつ、七月からの球場への観客受け入れが検討されている。感染症対策で大声での応援は禁物だが、選手に直接声を掛ければ思いは届く。解禁となったら足を運んでみよう。今度は県民の出番だ。入場料収入でチームの苦境を救える。何より勝利をもたらす力になる。