県は福島空港を使う全日空(ANA)とアイベックス(IBEX)エアラインズに対し施設使用料約一億五千百八十六万円を財政支援する方針を固めた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で福島空港の利用者は激減している。支援を通して国内定期便の路線を守り、県外との交流促進、観光振興の拠点維持を目指す。三十日の六月定例県議会一般質問で、国分守観光交流局長が自民党の渡辺康平議員(須賀川市・岩瀬郡)の質問に答えた。


 施設使用料は受付カウンターや手荷物受取所、待合室、事務所などにかかる経費で、運航状況に応じて変動することがない固定費となる。県によると、ANAとIBEXエアラインズの年間の施設使用料合計は約一億七千三百四万円。これまで県は、使用料の一部を毎年補助しており、今年度当初の補助額は約千二百六十七万円としていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、空港施設を管理する福島空港ビルも八百五十万円程度を減免する方向で検討しており、県は残る約一億五千百八十六万円を追加で支援する。

 福島空港の発着便は現在、ANAとIBEXエアラインズが共同運航する福島空港−伊丹(大阪)空港の一往復二便のみとなっている。福島空港の五月の搭乗者数は一九九三(平成五)年の開港以降、最少の千三百八十九人となった。今後も搭乗者の大幅な増加は見込めず、航空会社にとって施設使用料は運営上の重荷となる。このため、県は路線維持に向けて大幅な支援が必要だと判断した。

 ANAの矢野史朗東北支社長は「経営が苦しい中での固定費の支援はありがたい。今後は利用回復に向けて取り組んでいきたい」と話した。IBEXエアラインズの比江嶋圭之事業推進部担当部長は「県の支援を受け、運休している伊丹便一往復二便の再開を早急に検討したい」と語った。

 七月二十二日にはANAが運航する伊丹便一往復二便、福島空港−新千歳(北海道)空港の全便となる一往復二便が再開する。県空港交流課は「観光振興や企業誘致を進めるためにも国内定期便の路線維持は重要。航空会社を支援して厳しい状況を乗り越えたい」としている。


■旅行会社に広報費補助 福島県、国内便活用商品企画で

 県は国内定期便を活用した旅行商品を作った旅行会社にも広報費を補助する。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛解除を受け、福島空港を核とした県内観光の振興に本格的に乗り出す。

 福島定期便利用旅行商品造成支援事業として、国内定期便を活用した旅行商品を企画する旅行会社に対して広報費二十五万円を補助する。対象は七月以降の旅行商品で、十六商品分を見込んでいる。

 新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた事業者を支援する政府の「Go To キャンペーン」などと絡めながら旅行商品の造成促進を後押しする。

 県は財政支援と広報費補助の事業費を盛り込んだ二〇二〇(令和二)年度一般会計補正予算案を六月定例県議会に提出している。