郡山市は、台風19号による浸水被害を受けた市民や事業者を対象に、建物の開発が制限されている市街化調整区域に住宅や工場などの建築物を移転できる新たな許可基準を設ける。また、立地適正化計画で位置付けた居住促進区域への家屋の転居費として1件当たり最大20万円を補助し、被災した市民の生活再建と事業者の安全な事業運営を支援する。
 品川萬里市長が24日、記者会見で発表した。いずれも2月上旬に申請を開始できるよう準備を進めている。市によると、被災者向けに居住促進区域への転居費用を補助するのは県内初。
 市街化調整区域は原則、農地や山林を保全し、市街化が無秩序に広がらないよう住宅新築など新規開発を制限している。市街化調整区域への移転対象は、「半壊」以上の罹災(りさい)証明を受けた建築物で、被災地での居住や事業継続が困難であることなどが条件となる。
 移転できるようになるのは、住宅が50戸以上が集まる場所、または大規模な既存集落内。工場などは開発可能な市街化区域に接しているか、高速道路のインターチェンジから半径300メートル以内と設定した。
 居住促進区域への転居については、半壊以上の被害があり、浸水地域を除く区域内に家屋を新築、購入する人が対象。事業実施前に転居した場合も対象に加える。予算は予備費を充てる。
 同市では河川の氾濫などで郡山中央工業団地や住宅が浸水するなど、被害が広範囲に及んだ。市は移転や転居などの希望者を支援することで、安全な居住環境の確保や被災事業者の事業継続につなげたい考え。