大河ドラマ「八重の桜」の主人公、新島(山本)八重が、移り住んだ京都で書き記し、ゆかりの学校や人物に贈った二つの書が、90年余りを経てそろって公開される。新島八重顕彰会などが25日から八重の先祖の墓がある会津若松市の大龍寺で開く「遺墨展」で展示される。
 二つの書にはいずれも「万歳万歳万々歳」と優麗な書体でしたためられている。会津松平家から皇室に嫁いだ秩父宮妃勢津子さまのご成婚(1928年)に際して記されたとみられる。ご成婚は戊辰戦争で「朝敵」の汚名を着せられた会津の人々に希望を与えたとされ、書には八重の喜びが表現されているという。
 二つの書のうち、一つは会津高等女学校(現葵高)に贈られたが、もう一つは旧制会津中(現会津高)卒で、京都帝国大(現京大)の学生だった風間久彦氏に託されていた。
 さいたま市に住む久彦氏の長男から同顕彰会の岩沢信千代幹事長に情報が寄せられたことで、同時展示につながった。
 風間家には久彦氏が墨をすり、八重が筆を執って二つの書が記されたとのエピソードが伝わっている。二人の親交を物語る品々も遺墨展で披露される。後に愛媛県で数学教師になった久彦氏に宛てて八重が亡くなる1年前の1931年に書いた手紙では「伊よ(愛媛県)がいよ、いよ御好きになりましたか」とユーモアを交えて近況を尋ねている。
 遺墨展は6月30日まで。新型コロナウイルスの感染防止対策をした上で開催する予定。時間は午前9時〜午後5時。平日は事前予約が必要。入場料は500円(高校生以下無料)。