県は26日、2021〜25年度の5年間の復興事業に必要な予算規模が1兆1000億円程度になるとの試算を初めて示した。東京電力福島第1原発事故に伴う避難地域の再生や風評対策などが中心で、政府が今夏をめどに決定する新たな財源の枠組みの中で確実に確保できるよう、国との調整を進める。
 個別の予算規模は調整中だが、今なお本県特有の課題として残る原子力災害からの復興に関する事業費が大枠を占める見通しだ。
 避難地域の再生では医療・介護、商業施設の運営支援のほか、特定復興再生拠点区域(復興拠点)を含めた町づくりに関する予算などを求める方針。廃炉・汚染水対策や被災者支援、商工業や農林水産業の再生なども柱になるとみられる。
 県はこのほか、1兆1千億円とは別枠で帰還困難区域への対応や政府が浜通りに整備する国際教育研究拠点の構築、移住・定住の促進など現時点で試算できない予算も必要になると見込む。復興の進展に伴って生じる新たな課題にも対応できるよう、国に予算措置を求める考えだ。
 復興庁は福島、岩手、宮城3県で11〜20年度の事業規模を31兆円台前半と見込み、25年度までの15年間では総額32兆円台後半になると予測する。その上で21年度から5年間の予算規模を1兆円台半ばと試算しており、本県関連予算が大部分を占める見通しだ。県は15年に、16〜20年度の復興・創生期間の予算規模を2兆5千億円と試算していた。
 26日の6月定例県議会で自民党の西山尚利議員(福島市)の代表質問に答えた内堀雅雄知事は、24日の関係省庁などへの要望で必要額を要請したとし「復興・創生期間後も安心感を持って復興に専念できるよう、中長期的な視点からの財源確保が不可欠」と述べた。