戊辰戦争で敗れた会津藩が、青森県の下北半島などで斗南(となみ)藩として立藩し、今年で150年を迎えた。藩士らの子孫や会津ゆかりの人たちでつくる斗南會津会は28日、斗南藩庁が置かれた同県むつ市の円通寺で法要「献霊祭」を営んだ。参列者は先人らの労苦を胸に刻み、後世に受け継ぐことを誓った。
 むつ市では今年、立藩150年を記念するさまざまな事業が計画されたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。
 法要には、斗南會津会役員や宮下宗一郎むつ市長ら約20人が参列。会長の山本源八さん(76)は法要後、「感染症の影響はあったが、献霊祭を終えることができ、ほっとした」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 山本さんの曽祖父の内藤介右衛門信節(すけうえもんのぶこと)は、会津藩の家老として戊辰戦争を指揮し、戦いの後、斗南藩領だった現在の青森県五戸町で漢学などを教えた。山本さんは「先人は悲惨な状況を生き抜き、下北、むつの発展の基礎をつくった。そのことを伝えていきたい」と思いを新たにした。
 法要では、立藩150年を記念して、会津若松市の新島八重顕彰会が斗南會津会に贈った「白虎隊殉難図」の複製が披露された。
 幼くして斗南藩主となった松平容大(かたはる)の供として斗南にやって来た坂部祐吾のひ孫、坂部啓二さん(70)は「白虎隊士が悲劇的な最期を遂げた後も、生きるための苦しい闘いがあった」と改めて先人たちに思いを巡らせた。