当初死亡ひき逃げとみられていた事件は殺人事件へと発展した。捜査関係者によると、30日に地検郡山支部が殺人罪などで起訴した住所不定、無職、被告男(50)は、犠牲となった2人とは面識がなく、現場で偶然清掃ボランティア中だった2人を、無差別にトラックではねたとみられる。
 捜査関係者によると、被告は盗んだトラックを無免許で運転して一度は現場を通り過ぎた後、折り返して現場に戻り、作業中だった、ともに三春町の男性=当時(55)=に衝突し、その後、女性=同(52)=をひいたとみられる。現場にはブレーキ跡などは残っていなかった。
 これまでの調べに対して被告は「故意にはねた」、「事故を起こそうと車を盗んだ」などと供述。事件数日前に服役していた刑務所を出所したばかりで、知人の元に身を寄せようとしたが、今後の生活に不安を感じて事件を起こそうと考えた。「(事件を起こし)刑務所に戻りたかった」という趣旨の供述もしているという。
 県警によると、交通事故に殺人罪を適用するケースは少ない。県警や地検郡山支部は、現場の状況や残った証拠、供述などを積み重ねながら「殺意」を認定、また前方不注意などの過失の可能性を一つずつ消しながら、殺人罪に問えると判断したとみられる。