いわき市は4日、市内各所で大型台風の接近による水害発生を想定した総合防災訓練を行った。職員は新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上での避難所運営などに備えた。
 甚大な被害をもたらした昨年10月の東日本台風後、最大規模の防災訓練となった。1000人以上の市職員や消防団員らが参加したが、感染症予防のため一般住民の参加は見送った。
 避難所を開設して運営する訓練では、新型コロナウイルス感染の疑いがある避難者を隔離する方法を確かめた。避難所とした体育館入り口の外で避難者の検温を実施した。
 発熱者がいた場合、一般の入り口とは別の入り口から体育館内に誘導したり、簡易テントで仕切ったスペースで過ごしてもらったりするなどの対策を取った。
 ただ、課題も浮き彫りになった。「3密」を回避して感染防止につなげるため多くの避難所が必要となる。訓練に参加した小名浜地区保健福祉センターの村木宏一所長は「多くの避難所を開設するため、センターの職員だけでは運営が厳しい。避難者が1カ所に集中しないよう情報伝達が大切になる」と職員確保の必要性を実感していた。
 市内では東日本台風時に、市危機管理課に情報が集中して業務に支障が出た。その教訓を踏まえた情報伝達を確認した。情報を受ける班や重要度を振り分ける班、避難所や河川の状況を発信する班を設け、情報処理の効率化を図って訓練に臨んだ。 このほか、防災メール配信や新たに消防署や消防団詰め所のサイレン吹鳴を行う予定だったが、雨の影響で住民が誤認する危険性があるとして中止とした。
 熊本県などで豪雨災害が発生する中での訓練となり、清水敏男市長は「出水期に備え、万全の態勢を整備する必要がある」と警戒を強め「人員不足が生じるので、区長ら地元住民と連携して対応する必要がある」と話した。