棟方志功、斎藤清ら近現代の日本版画の名作を集めた企画展「もうひとつの日本美術史 近現代版画の名作2020」は11日、福島市の県立美術館で開幕する。10日に内覧会が開かれ、関係者が版画の奥深さに触れた。県立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会、福島民友新聞社、福島中央テレビの主催。
 斎藤清らのほか、恩地孝四郎、横尾忠則など明治から平成にかけて活躍した作家180人の作品399点を公開。会期中に展示替えがある。
 近現代の日本版画は、隆盛を誇った「浮世絵版画」が明治期に衰退。その後、大正期に木版だけでなく銅版やリトグラフ(石版)といった技法が取り入れられる中で成熟し、近現代美術の一つのジャンルとして世界に認められるまで発展した。このような美術史の流れを10章に分けて紹介する。
 注目されるのは、棟方志功の大作「二菩薩釈迦十大弟子(にぼさつしゃかじゅうだいでし)」。改刻(彫り直し)前後の2種類を前期と後期にそれぞれ展示する。斎藤清は1938(昭和13)年ごろの作品とされる自画像と、70年発表の「会津の冬シリーズ」の1作目が登場する。後期は日本近現代の版画の礎を築いた山本鼎(かなえ)の傑作「ブルトンヌ」が見られる。
 会期は8月30日までで月曜日休館。一般・大学生千円、高校生500円、小・中学生300円、未就学児無料。23日午後2時からは、和歌山県立近代美術館の山野英嗣館長の講演会が開かれる(聴講無料)。
 問い合わせは同美術館(電話024・531・5511)へ。