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15日のテーマは、「黒字リストラ」。

「黒字」なのに「リストラ」。

言葉のイメージは真逆だが、今、この「黒字リストラ」が増えている。

「黒字リストラ」とは、いったい何か、経営コンサルタントの横山信弘さんに聞いた。

たとえ、業績がよくても、将来のリスクなどを見越して、人員削減に踏み切ることだという。

東京商工リサーチによると、2019年に早期・希望退職を実施した主な上場企業は35社にのぼった。

対象者は、1万1,351人に達したことがわかった。

1万人を超えたのは、6年ぶりだという。

上場企業は、35社の早期・希望退職を実施したうち、最終損益が黒字企業だったのは20社あった。

この「黒字リストラ」の対象となったのが、およそ全体の8割にあたる。

そのため、以前は業績が悪いからリストラをしていたというのが、今は業績がたとえよくても、リストラを実施する時代になってきているという。

特に目立った業界は、製薬業界。

例えば、アステラス製薬はおよそ700人、中外製薬ではおよそ170人が早期退職となった。

これは、近い将来、薬価引き下げや国外メーカーのライセンス販売終了などの不安があるため、先行で「黒字リストラ」を実施したという。

また、2019年にNECは、「黒字リストラ」をする一方で、新入社員でも年収1,000万円以上を支払うという給与制度を導入している。

「黒字リストラ」と若い社員にたくさんのお金を引き上げていくという企業の狙いはどこにあるのかというと、日本の大手企業というのは、賃金体系が年功序列になっていることが多い。

中高年に手厚くなっている部分を、若い世代に再配分していこうというのが狙いのよう。

横山さんによると、今、企業が行っているのは単なる人員整理ではなく、“人員の新陳代謝”が行われているのだという。

政府は、定年の延長や70歳まで働けるように企業に努力義務を義務づけようということで、法案を提出する予定。

そうすると、これに応えていかなければならない。

しかし、みんなを支えていくことはなかなか大変ということで、企業としては、早めに人材の選別をしていきたい。

そうすると、中高年に限らず、若ければ安泰というわけでもなくて、チャレンジできない人材は、若くてもアウトになる可能性がある、全世代に関わるという。

では、今後、どんな人材が求められるのか。

横山さんは「スキル(技術)ではなくてウィル(意識)」だと話していた。

例えば、上司の使い勝手のいい指示待ちの「依存型の人材」ではなくて、意欲がたくさんある意見を言い、主体的に動けるような、「自立型の人材」が求められていくという。