ついにベールを脱いだ“令和の怪物”

石垣島キャンプ最終日の2月13日。

ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)がプロ入り後、初めてブルペンで投球練習を行った。

テレビカメラ9台、スチール17台、報道陣約50人が詰めかける中、高校史上最速の163キロを誇る右腕は午前9時56分にブルペンへ。待っていた柿沼友哉捕手(26)、田村龍弘捕手(25)が「受けるのはどっちでもいいよ」と声をかけると、先輩相手に「選べません」と苦笑い。「ラッキーでした」とじゃんけんでグーで勝った柿沼が中腰でミットを構えることになった。

提供:千葉ロッテマリーンズ

ウォーミングアップ10球の後、5分間の投球を行った佐々木。

セットポジションから左足を顔の位置まで高く上げる迫力あるフォームからスムーズな体重移動で自慢のストレートを繰り出す。

左足を高く上げる迫力あるフォーム・2月13日

「パーン」という心地よいミット音がブルペンに鳴り響く。

徐々にギアを上げ始めると球の速さに、見学していたファン約200人と視察した首脳陣からは「オー」とどよめきが起こった。

提供:千葉ロッテマリーンズ

全てストレートの25球を投げ終えると、小さく息を吐き、最後は柿沼と「ナイスピッチング」とグータッチを交わしマウンドを後にした。

最後は柿沼とグータッチ

柿沼友哉捕手から見た佐々木朗希

記念すべき初ブルペンでボールを受けた柿沼は「しなやかで速い、初めて受けるボールの感覚でした。体感ながら155キロくらい出てたんじゃないかと感じました」という。高めに抜けた球は「左肩を持っていかれて、ミットの紐が切れそうになりました。左腕に張りが残っています」と球威のすごさを明かした。

また、じゃんけんで負けた田村は柿沼に「立ち投げで153キロは出ていたよな?」と興奮気味に話していた。

柿沼友哉捕手(26)

井口資仁監督から見た佐々木朗希

最速163キロを誇る"令和の怪物"の初ブルペンを視察した井口資仁監督(45)は「立ち投げでしたが、かなり威力のある球で、想像をはるかに超えていました。今年ブルペンを見た中ですでにナンバー1でした。速さもスピン量も」と驚きを隠せなかった。「(日ハム時代の)ダルビッシュ有や大谷翔平とも対戦してますが、2人とまた違ったタイプに感じます。スピンが利いて捕手に突き刺さるような球だった。捕手が座ったときにどうなるか、楽しみです」と目を細めた。

井口資仁監督(45)と田村龍弘捕手(25)

吉井理人1軍投手コーチから見た佐々木朗希

吉井理人1軍投手コーチ(54)も「すごかったです。驚いたので、細かいところは見ていないです。あんな球見たことがないです」「近鉄時代に野茂英雄と阿波野秀幸さんを見た時以来の衝撃でした」と、投球に圧倒された。どんな風に投げるか見たかったため、ブルペン前に特に何のアドバイスもしなかったという。また、今後もある程度の間隔を空けながら、ブルペン入りさせる指導方針を明かした。

吉井理人1軍投手コーチ(54)

佐々木朗希から見た佐々木朗希

ところが、当の本人は全くピッチングに納得していない様子だ。

ここまで吉井投手コーチの育成方針でバッテリー間の18・44メートルの距離で平地でのキャッチボール練習を続けてきた佐々木は「ブルペンの傾斜を使って投げられたのは良かったと思います」と収穫を口にしながらも、「(投げる感覚は)良くなかったです。全体的にダメだったと思います」と話し、さらに自分自身で納得のいく球は「1つもなかったです」と自分に厳しい。

それでも1軍スタートとなったキャンプをこの日で打ち上げ、翌14日からは1軍の沖縄本島での練習試合に帯同する佐々木。「一度も離脱することなく、ブルペンも入れましたし順調でした。すごく緊張感のある練習でしたし、1軍の投手のブルペンもたくさん見られたので、とても勉強になりました」と充実したキャンプを振り返った。

キャンプ最終日に石垣島のファンの前で最高の恩返しができた佐々木。

ブルペンで捕手を座らせての本格的な投球練習は順調にいけば2月末頃になる見通しだが、令和の怪物は早くもその"怪物級の豪速球"を見せつけた。

(フジテレビ・加藤忍)