スマホ学習によるデメリットがあるのは事実ですが、しかし今の時代、たしかにそれを凌駕するだけのメリットが存在しているということも認識しなければなりません。

この新型コロナウイルスで外出自粛になり、オンライン学習が主流となっている今、このようなスマホ学習が求められる傾向というのは加速していくものと考えられます。

今日はスマホ学習の功罪・メリットとデメリットについてお話ししたいと思います。

メリットは“勉強の個別化”ができること

まずは「その子にあった学習ができる」というのが一番大きいメリットだと感じます。

塾も習い事も、学校も大学も、1対多が原則であり、習熟度や勉強の進捗度合いがバラバラになってしまうことがあるという問題点は以前から指摘されていました。しかし、スマホならそんなことは発生しません。

動画なら「ここは覚えているからいいや」と思ったらスキップできますし、「2倍速で聞いてみよう」とどんどん先に進めることもできます。逆に「ここよくわからなかったな」となったら戻れますし、「0.75倍速じゃないと理解できない」という子も対応が可能です。

ちなみに、YouTubeが好きな子供ほどこういう「自分に合った動画視聴」をするのが得意であり、今の世代の子供の特権だと感じます。

このようにスマホの動画視聴なら好きな先生の授業を好きなように受けられるわけです。

また動画以外でも、自分がわからないところをピンポイントで調べたり、暗記アプリを使えば自分が解けていない問題ばかりを出題してくれるようにもなります。

monoxerというアプリではAIがその人が覚えられていない単語を選りすぐって出題してくれたり弱点の単語を教えてくれたりします。

このように、個人に沿った勉強が構築できるというのがメリットだと感じます。

デメリットは“聞き流してしまう”こと

逆にデメリットとして挙げられるのは、聞き流してしまうということです。例えば対面の授業とは違って、動画の勉強は質問したりされたりすることがありません。

皆さんも経験があるかもしれませんが、「ここの答えを〇〇さん!」と、先生から聞かれるかもしれないという緊張感があるので、答えをきちんと答えられるように準備しておこうという意識が生じて勉強が捗るということがあります。

しかし動画授業は気をつけていないと徹底的に受け身になってしまいます。2時間ぼーっと観ていても、先生から怒られたりしないですし、勉強した気になっただけで終わりになってしまうこともあるのです。

またわからない単語なども、スマホで10秒で検索できてしまうからこそ、頭にストックされにくいというのはあると思います。

現役東大生おススメのスマホ学習

これらを踏まえて考えた時に、僕がお勧めするスマホ学習の方法を2つご紹介したいと思います。

1)親御さんと一緒に見る

幼稚園・小学校・中学校のお子さまにおすすめなのは、親御さんと一緒にYouTubeなどで勉強動画を見るというものです。

YouTubeチャンネル「スマホ学園」より

例えば僕が運営しているyoutubeチャンネルの「スマホ学園」は、休校中に生配信で勉強を提供するという活動をしているわけですが、結構多くの小学生の方が親御さんと一緒に見てくれています。僕が出題する問題に、親御さんと一緒に考えて答えてくれているのです。

YouTubeチャンネル「スマホ学園」より

親御さんが本を読み聞かせることによる学習効果は教育学的に証明されていますが、それと同じような要領で、勉強になる動画を一緒に見て、一緒に考え、感想を言い合うことで、「聞き流し」はなくなると思います。

2)検索結果をスクリーンショットで保存する

わからない単語や知らない概念を調べて、「ああそうだったんだ」で終わってしまっては記憶に定着しません。一度調べただけで覚えきれる人はほとんどいないでしょう。

そこでおすすめなのが、スクリーンショットで忘れていた言葉や知らない事柄をアルバムにまとめておき、「知らなかったことリスト」として保存していくというやり方です。これを1日寝る前に見直すことで、勉強の復習を行い、記憶に残しておくというやり方はおススメです。

また、この要領で間違えた問題などを写真で撮っておき、「できなかった問題アルバム」を作成するのも非常に有効です。東大生の中にはできなかった問題をスマホのホーム画面に設定している人もいます。


いかがでしょうか?どんなツールも活用次第で毒にも薬にもなると思いますが、スマホは非常に良い薬にすることが可能なツールだと感じます。皆さんぜひ、スマホを毒にすることなく活用してもらえればと思います。
 

『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)

西岡壱誠
歴代東大合格者ゼロの無名校のビリだったが、ひょんなことから「偏差値35からの東大受験」を決意。しかし勉強へのモチベーションが続かず、二浪が決まり危機的状況に陥る。自己認識をあらため、どのようにすれば勉強に没頭できるか試行錯誤した結果、集中力を圧倒的に高めることに成功し、あらゆる科目の成績が飛躍的に向上。東大模試全国4位を獲得し、逆転合格を果たす。現在は、人気マンガ「ドラゴン桜2」(講談社)編集プロデューサー兼東大生チーム「東龍門」リーダーを務める他、コロナウイルスの間に現役東大生が生配信で授業を行うYouTubeチャンネル「スマホ学園」の運営も行うなど、多方面で活躍している。著書に19万部突破の『東大読書』や7万部突破の『東大作文』(ともに東洋経済新報社)など多数。近著は『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)。