残業が減っても年収を下げない 「働き方改革」で生産性は向上出来るか【長野発】

残業が減っても年収を下げない 「働き方改革」で生産性は向上出来るか【長野発】

様々な働き改革の実施

長野県千曲市に本社を置くエムケー精工。洗車機などの製造・販売を手がけていて社員は約800人。

働き方改革には以前から積極的で、2018年に全国14県の知事が選ぶ「最優秀将来世代応援企業賞」に選ばれた。いわば、県内のフロントランナーだ。

エムケー精工 丸山将一社長:

企業が持続的に成長し続けるためには、人づくりがきわめて重要だと思っている。

一人ひとりの社員のライフステージに合った施策を、どんどん導入していこうと考えている。

エムケー精工では、社員自身が出社時間を決めるフレックスタイムを導入している。

徹底しているのは、出社したらすぐにホワイトボードに退社目標時間を記入することだ。

何時まで働くのか部署全体で共有し、長時間労働にならないよう気を配るのが目的だ。

入社5年目で設計・開発担当だった片山智也さん。前回の取材当時は29歳。

片山さん:

(生まれた子どもは)女の子です。

ーー名前は?

片山さん:

心音です。

2017年の取材時は、長女が生まれたばかりで残業削減に積極的だった。

片山さん:

赤ちゃんも産まれたので、自分の中でもっと効率よく仕事しようとか、早く仕事を終えて家族に会いに行こうとか、強く思うようになったかもしれません。

2015年に導入した立ちミーティング。 座っての会議だと、ついついゆっくり構えてしまうが、立ちながらだと無駄な会話がなくなり、時間も短縮できるという。

片山さんが机の上に立てたのは集中カードだ。

取り掛かっている仕事に集中するため「電話には出られない・話しかけないでほしい」という意思表示だ。

こうした効率化やノー残業デーの設定などによって、残業時間は徐々に減っていった。

ただ、当時はまだ生産性の向上や収益のアップにつながっておらず、経営者からすると悩ましい状況だった。

丸山社長:

焦りもある。会社の生産性が疎かになると本末転倒であり、会社の価値も下がってしまう。ただ単に労働時間を短くすればいいものではない。

組織全体が生産性を高めていくのかという非常に持続的に取り組む厳しさ、企業としてのあり方が問われていると認識しています。

働き改革の成果とは...

あれから1年半。どれほどの成果が上がったのか。

丸山社長:

この5年間で残業時間が25%削減できている。その一方で売り上げは約1割増になっていて、確実に生産性が向上している証し。

トータルの年収ベースで見ても5年間で約8%アップしているので、残業時間を減らす事は年収が下がるということではない。

いかに少ない時間で多くの成果を出していくか。

社員の意識が変わったことも成果の一つ。

長女が1歳8ヶ月に成長した片山さん。今も効率よく仕事を終わらせ、家庭での時間を作るようにしているという。

片山さん:

なるべく早く帰って、育児を手伝いたいなと思うときが多々ある。より自分が効率よく仕事をして、私生活の方も仕事の方も充実できるように働けたらいい。

残業時間の縮減と生産性の向上に一定の成果を挙げているエムケー精工。社長は働き方改革の本質を次のように語る。

丸山将一社長:

働き方改革は人づくりだと思う。人生において会社生活はかなりの比重を占めているのが現実。

その会社生活で、どういう風に一人ひとりが生きていくかとしっかり考える。社員個々の思いと会社としての存在価値をうまくかみ合わせていくことが重要だと思うのでゴールは無いと思う。常に変化していかなければならない。

(長野放送)

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