国内最古の道路標識!?

約100年前に制定された道路標識が、香川県高松市に残っている。国内最古のものとみられるが、調べてみると地域の歴史と深く関わっていることが分かった。

急カーブへの注意を呼びかける道路標識。上には赤い三角のマーク。その下には「屈曲多し100メートル先」と書かれている。看板自体はさび付いていて、針金で電柱に固定されている。

高松市塩江町にあるこの標識は、今から98年前の大正11年、当時の中央官庁の1つだった内務省が、全国各地に設置したものとみられ、現在で言うと「つづら折り」を示す標識と同じものだ。

そのような古い標識がなぜこの場所にあるのか?道路を管理する高松市の担当者に話を聞くと…

高松市道路管理課 森岡正嘉課長補佐:

このような標識があるというのは戦前のことなので資料もなく、正直驚いています

市によると、標識が立てられた道路は元々国道の一部だったものが、1982年に塩江町道、2005年の市町村合併で高松市道となったもので、標識が立てられた当時の記録は残っていないという。

この地域ならではの歴史が関係

塩江町の歴史に詳しい「安原文化の郷歴史保存会」の藤澤保さん。標識がこの場所に立てられたのには、この地域ならではのある歴史が関係していると言う。

藤澤保さん:

借耕牛というのがあって、阿波(徳島)から畑や田んぼを耕す牛を、讃岐の人は稲を育てるために借りていたんですね

「借耕牛」とは、家畜を飼えない香川の小規模農家が、農作業のため徳島の山間部から借りてくる牛のこと。

標識は牛の取引地として人の往来が激しかった塩江町の狭い街道の上に立てられたものだった。

これは、明治20年代の塩江町の地図。

標識が立てられている地点の先には、急カーブが連続しているのが確認できる。

標識はその後、昭和40年代に道路が舗装される際、近所に住む人が撤去される前に回収し、工事終了後に再び設置し、現在に至る。

藤澤保さん:

運良く残っている感じだと思います。住民の方も見守っているのだと思います。残っているのは歴史的に価値のある事

令和の時代に今も残る1世紀前の道路標識。藤澤さんはこの貴重な遺産を何らかの形で保護するため、今後、市などに協力を呼びかけていきたいとしている。

(岡山放送)

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