新型コロナで臨時休校…負担増のシングルマザー

3月2日から始まった新型コロナウイルス感染拡大予防とされる福岡市の公立小中学校などの臨時休校。特に“ひとり親”や“共稼ぎ”の世帯では、大きな負担となっている。

夜の街で働きながら2人の小学生を育てるシングルマザーの1日を追った。

少し、はにかみながら出迎えてくれたのは福岡市内で暮らす藤井さん(仮名)一家。母親の今日子さんは32歳。小学4年(10)の長男と小学2年(8)の長女を1人で育てている。

福岡市博多区の中洲のクラブで働く今日子さんは、普段は夜から明け方まで仕事をした後、子供を学校に送り出すため、日中、子供と一緒に過ごすことは少なかったという。ところが安倍首相の突然の要請で、3月2日から小学校が臨時休校になり、子供を家でみなければならなくなった。

学校から毎日1時間の家庭学習を求められているため、この日、きょうだいは午前11時過ぎから机に向かった。

今日子さん:

高さ0…

長男:

どういう意味か分からん

今日子さん:

ママに聞かんでよ、どういうことこれ??

今日子さん:

(3学期の)半分だけでそのまま休みに入ってしまったから、分からないみたい

3学期の途中から、突然休みに入ったために授業で習っていない部分もあるようだ。

今日子さん:

「そもそも働いているお母さん無理じゃない?」って思うんです。全教科把握して、残り1カ月間の勉強を見てあげてって、急にポンって投げ渡されても…

今日子さん:

きょうは子どもたちのリクエストで 焼きそばです

休校で給食がない子供たち。毎日、昼食を準備するのも夜、働いている今日子さんにとってはひと苦労と言える。

今日子さん:

夜仕事があるんで、その分(日中は)本当は寝ときたいんで、この時間に料理することが本当に珍しい。これが1カ月でしょ。生活に支障が出ますよね

長男:

うまいねー

家族一緒の昼ご飯を楽しむ一方で、4年生の長男は「さみしさ」も募らせていた。

長男:

ママの料理もおいしいし、おかわりも一杯できるから満足。家族といられる時間も増えてそれもいいなとは思っているけど、学校のお友達と急に離れるのは、さみしい

家での食事を巡ってはさらに困ったことも。夕方から家を空ける今日子さんは、子供たちが自分で作れるようにとインスタント食品などを多めに購入しているが…

今日子さん:

きのうも買い物に行ったけど、カップ麺が全然置いて無くて、こんななっとんやって思った。普段使ってる側からしたら今、無いってなって困ってる

新たに生じる様々な負担を考えると、子供を学童保育に預けるという選択肢もあったが、1人で家計を支える今日子さんは学童保育に頼れない理由があるという。

今日子さん:

学童保育へ行かせて、教室より狭いところに密集させて、コロナ対策ができているかというところも不思議。それで、もし罹ってしまって、うつってしまったとかなった時に、確実に家族みんなにうつるじゃないですか。私が仕事ができんかったら、こういうふうに暮らせない

午後7時半、仕事に出るお母さんを見送った2人。きょうは買い置きしてあったインスタント食品が晩ご飯だ。

長男:

食べよっか

2人:

いただきまーす

長女:

たまには一緒にご飯を食べたりしたいけど、(ママは)お仕事夜いっちゃうからちょっとさみしい

今日子さんが家に戻るのは明け方になることも。まだ幼い2人だが母親の仕事を理解し応援している。

長男:

お母さんもお仕事頑張ってくれてるし、僕もこういう生活慣れていかなきゃなって思う

夜の街にも人がいない…

午後9時、ホステスの派遣事務所に所属している今日子さん。会員制の中洲のクラブで専属として働いている。

しかし、新型コロナウイルスの影響は夜の街にも広がっていて、開店から1時間たっても店内に客の姿はない。

クラブのママ:

人が歩いてないし、うちの店も1日1組、来ればいいいような感じ

大分市の“ラウンジ”で、感染者が確認されたことも相まって、この2週間ほどで店の客は激減し、0の日が連続したこともあったという。店に出た今日子さんだが、待機時間だけが過ぎていく。

今日子さん:

他の事務所に行く子もいるけど、どこにいっても(今は仕事が)ない

日に日に状況が悪化する夜の中洲。特に今日子さんのような派遣のホステスは、厳しい環境に置かれている。この店も多いときには10人居たスタッフが、いまは半分以下の3人程に減らされている状況だ。

こうして、働き口を失った女性には、今日子さんと同じように子供を1人で育てる母親も多い。

今日子さん:

私は呼んで頂いてるんで、ある程度の収入は見込めるんですが、こういう風にコロナが続くと、今後の収入を考えたら不安で仕方がない

突然の休校措置による負担増と仕事先の不振による収入減。終わりの見えない新型コロナウイルスの影響に、シングルマザーの苦悩の日々が続いている。

(テレビ西日本)