転職を希望する20代公務員が急増

東京では桜の開花宣言もあり、新年度のスタートまであと少し。進学や就職、転職など、新しい生活の準備を始めている人は多いことだろう。

そして、昔に比べて転職をすることが当たり前の時代になってきた中で、今、転職を希望する公務員が増えているというのだ。

人材サービス大手「エン・ジャパン」によると、同社が運営する転職サービスへの国家公務員と地方公務員の登録者数は2019年10月〜12月期は1万2379人で、前年同期に比べて約22%の増加。

登録者数としては2000年のサービス開始以来、過去最高となった。

(画像:エン・ジャパン)

さらに年齢別登録者数では、特に20代が前年同期に比べて33%増加と、顕著となっている。

公務員には「安定」というイメージもあり、これまでの公務員は定年までしっかり勤めあげる人が多かったのではないだろうか。なぜ今、転職を希望する公務員が増えているのか?

エン・ジャパンの担当者に詳しく話を聞いた。

理由は「年功序列で終身雇用が前提の組織への疑問」

――公務員の中でも「国家か地方か」「どの省か」「どの部署か」など登録者の数字に傾向はある?

登録数が多いのは、地方公務員です。これは元々の数が多いためです。また、特定の地方や部署、省庁からの登録が多いということはありません。

――実際に公務員から転職した人からは、理由についてどのような声が聞かれる?

徐々に変わってきてはいるものの、“年功序列で終身雇用が前提の組織への疑問”が転職理由として多いようです。

――どのような企業に転職するケースが多い?

企業の傾向では外資系やベンチャー企業に転職するケースが多く見られます。業種で見ると、IT・WEB業界やコンサルティング業界が多いです。

――そうした企業に転職するケースが多いのはなぜ?

自分の裁量の大きさや意思決定の早さ、実力主義の環境を求めて転職する方が多いためです。

外資系やベンチャー企業に転職するケースが多いという(画像はイメージ)

今後は「官公庁」と「民間企業」の人材の流動性は高まる

――「転職を希望する公務員が多い」。「20代がとくに増えている」「転職先としてはIT・WEB業界やコンサルティング業界が多い」。こうしたことから、どのようなことを感じる?

今後は「官公庁(=国と地方公共団体の役所)」と「民間企業」において、さらに人材の流動性は高まると考えています。

官公庁からの転職希望者が増えている一方で、官公庁の中途採用も前年比で2倍、2017年と比較すると3倍と大幅に増加しています。

(画像:エン・ジャパン)

官公庁も新しい風を入れ、改革を起こすべく、また事業会社で培った経験や専門スキルを求めて「民官転職」(=民間企業からの中途採用)を強化しています。

この半年でみると、中央省庁では環境省や防衛省、経済産業省などが中途採用を実施。特に防衛省は2020年1月に史上初の事務系職種の中途採用を実施しました。

また、地方自治体でも副市長、ICTやマーケティングの責任者などのポジションを公募する動きが加速。魅力的な自治体への変革に向け、民間企業での経験を持つ人材の獲得を強化しています。

官公庁も新しい風を入れ、積極的に中途採用を実施している

20代の公務員の転職希望が急増というと、「若者の公務員離れ」の懸念があった。しかし、民間企業への転職を希望する公務員が急増する一方で、官公庁による中途採用者の人数も増えているとのことだった。

終身雇用や年功序列というこれまでの常識が変化していく中で、「官公庁」と「民間企業」が人材の流動によって、どう発展していくかを楽しみにしたい。

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