「ベンツを持っている」

これがだましのテクニックだった。

上司から現金260万円をだまし取った疑いで逮捕・送検された、派遣社員の桐野健一容疑者(41)。

だまし取ったとされる相手は、派遣先の環境調査会社の上司の男性(30代)。

その総額は、あわせておよそ3,000万円にのぼるとみられている。

桐野容疑者は、上司に、「ベンツを持っていて、月収は400万円だ。預金が数千万円ある」と吹聴していた。

真っ赤なうそで、自らが裕福であると信じ込ませる。

そのうえで「空き巣に入られてキャッシュカードが盗まれた」、「息子が傷害事件を起こして、示談金が500万円必要」という殺し文句で金を借りていた。

実際には、桐野容疑者に息子はおらず、独身。

さらに、預金数千万円と言っていたが、自宅は1Kで、家賃は6万円ほどだという。

上司は、桐野容疑者が所有しているというメルセデス・ベンツは一度も見たことがなかったそうだが、言葉が巧みで信じてしまったという。

警視庁の調べに桐野容疑者は、「うそをついたことに間違いないが、金は返そうと思った」と話し、容疑を否認している。

桐野容疑者をめぐっては、ほかにも複数の被害相談が寄せられていて、警視庁が余罪を調べている。