新型コロナウイルスの影響が深刻化する中、高級和牛が食べられる「お肉券」などの商品券の発行が真剣に議論されている。

これは、自民党内の話し合いで浮上している経済対策の具体策。

訪日外国人客の激減で需要が低迷する和牛などの消費を喚起するのが狙いで、実現すればスーパーなどの小売店で使えるという。

配布の対象は小中学生や高齢者だというが、街の反応は...。

30代女性「いいお肉買ってステーキとか」

30代女性「できれば牛肉とか買って、いつもよりちょっと豪華な晩ご飯にしたい気持ちはありますけど」

検討されているお肉券の対象となるのは国産牛肉のみで、豚肉や鶏肉は含まれていない。

東京・江東区の精肉店「肉の田じま」に取材班が伺うと、こんな疑問の声も聞こえた。

肉の田じま・田島雅之取締役専務「うちは豚も鶏も扱っているので、豚肉だめなのかとか。豚肉の合い挽き肉はだめなんですかとか」

この「お肉券」は、どれだけの量の和牛を想定しているのだろうか。自民党内では、「和牛300〜400グラムを3カ月ぐらいの期限付きで配布を検討」しているという。

約400グラムを実際に測ってもらうと、お肉券1枚あれば家族の1食分にはなりそうだった。

さらに、お肉券に加えて検討されているのが「お魚券」。

自民党内では、新鮮な刺身などが食べられるお魚券の配布も浮上しているのだ。

お肉券かお魚券、皆さんならどちらを選ぶか、街の人に聞いてみると...。

40代女性「お魚券です。新鮮なお魚を食べられてないなって。いま食べたい感じだから」

小学生「お刺身はいやだ...あんまり」

60代女性「お肉券。便利にいろいろ重宝しやすいのと、大量にあったら小分けで冷凍しやすい」

一方で、お肉券やお魚券をめぐる議論には、ネット上では「お肉券にお魚券! 子どものおつかいかよ」、「国民を笑わせようとしているなら成功している」と、ツッコミが相次いだ。

しかし、自民党内からは...。

自民党議員「お魚券いいでしょ。でもさ、おすし券の話が出てるんだよね。すしを食べに行ってもらったほうがみんな喜ぶと思わない?」

党内の論議では、お寿司券の話まで飛び出していた。

とはいえ、新型コロナウイルスの影響を受けているのは肉や魚だけではない。

東京・江東区の青果店「丸文青果」では、売り上げが3割ほど減少したという。

丸文青果・斉藤文雄さん「何で肉と魚だけなんだろうって思っちゃう。そこに野菜の(券)も入れてもらえばいいけどね」

そこで、町の人がいま本当に欲しい商品券は何なのかを聞いた。

60代女性「マスクが欲しい。5月、6月までに落ち着いてもらわないとマスクがなくなっちゃう」

30代女性「お米券とかの方がうれしいです。家にいる時間がこれから増えるかもしれないので、いろいろストックしておかなきゃいけないなと」

40代女性「お肉券とかじゃなくて、みんな現金でもらいたいじゃないですか」

経済対策としては、お肉券やお魚券以外にも、観光クーポンや外食に使える食事券、高速道路を一定期間無料にするなどの案が浮上しているが、実現を疑問視する声も上がっているという。

加藤綾子キャスター「これら(経済対策)は終息後で、ちょっと先なんですよね?」

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏「観光クーポンといっても、終息するまでの間に観光業界の人たちが弱って倒れてしまったら、先にこういうものがあっても意味がないのではないか」

加藤綾子キャスター「終息前のいま求められる経済対策が見たい、欲しいという気はしますけれども。風間さんはどう思われますか?」

フジテレビ・風間晋解説委員「これは小さな業界への利益誘導なんですよ。畜産業者にお金が回ってほしい、水産業者にお金が回ってほしい、○○業界にお金が回ってほしいって。そういう小さな政治や行政が、あれがいいとかこれがよくないとか言い合ってるんですよ」

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏「普通に『商品券』でいいじゃないですか」

フジテレビ・風間晋解説委員「そうなんですよ。商品券で「好きなもの買ってください」でいいんですよ」

加藤綾子キャスター「『何で(肉などに)絞られているんですか』という声は、そういう背景があるんですね。待ったなしの状況が続いている中で、どういう政策が本当に個人個人に届くのかを示していただきたいです」