昼と夜で違うメニューを提供する、いわゆる「二毛作グルメ」。

コロナ不況を吹き飛ばす起死回生の一手となるのだろうか。

個室の扉の向こうで焼かれていたのは、肉厚な牛タン。

お客さん「ずっと自粛中でしたから、ちょっとぜいたくしに」

黒毛和牛を扱う東京・銀座の焼き肉店「牛屋 銀兵衛」。

さっとあぶった肉を口に運んだ女性客は、「めちゃくちゃ(焼き肉)久しぶりです」と話した。

久しぶりの焼き肉を楽しむ、こうした声の一方で、店は厳しい現実に直面していた。

牛屋銀兵衛 広報・星野聖之さん「(今までの)通常の営業と比べると、(売り上げは)6割にも満たない状態ですね」

緊急事態宣言の全面解除から1カ月以上が過ぎたが、外食をする人はいまだ少なく、売り上げは回復していない。

都の感染防止協力金を2回申請し、トータル100万円が入ってきたものの、苦しい状況は変わらず。

そこで始めたのが...。

牛屋銀兵衛 広報・星野さん「(今はちょうど)焼き肉屋さんが夜の営業で、昼はハンバーガー業態という感じで、皆さん“二毛作営業”という形で呼ばれます。従業員の雇用を守るために営業したというのもあります」

もともとは、夜営業のみだったこの店。

少しでも売り上げを確保しようと、昼はハンバーガー、夜は焼き肉という別メニューで勝負する二毛作スタイルに切り替えた。

ランチタイムのハンバーガー。
パテには、黒毛和牛の粗びきと中びきの2種類を使い、ソースは焼き肉のタレをアレンジした。

牛屋銀兵衛 広報・星野さん「焼き肉以外の方法で、お店のおいしいお肉をお客様に届けたいなと思い、両方始めました」

焼き肉店ならではの、技とアイデアを生かしたハンバーガーで苦境を乗り切る考え。

しかし...。

牛屋銀兵衛 広報・星野さん「昼の営業に関しては、かなり利益率が低いです」

飲食店のランチは、もともと利益の確保が困難。

アンケートでは、黒字の店が44.3%、利益も損も出ていない店が39.2%、そして残る16.5%は赤字店という結果が出ている。

それでも、二毛作スタイルでのランチ営業が功を奏している店が。

5月30日、神奈川・川崎市麻生区にグランドオープンした、南フランス料理の店「Dining 旬」。

ランチタイムに出しているのは、カレー。

お客さん「スパイシーですけど、食べやすいです」

魚介のうまみたっぷりのシーフードカレーなど、専門店のような4種類のカレーを提供している。

夜のメインは南フランス料理の店が、なぜランチタイムにカレーを出すことになったのか。

実はこの店、5月11日にオープンする予定だったが、コロナの影響で店内営業ができず、カレーのテイクアウトからスタート。

すると、その味が評判となり、店内営業開始後も、昼限定でカレーを出し続けることに。

Dining 旬・宮本洋一シェフ「利益部分でいえば、助かっている部分もある。全体的にはお昼の方が、今、入客数は多い状態です」

ランチを食べたお客さんに夜の料理にも興味を持ってもらい、次の集客につなげる。

そんな二毛作ならではの効果に、大きな期待を寄せている。