東京から県境をまたいで感染が拡大する中、東京都内での飲食自粛を呼びかけた埼玉県知事。
県民や飲食店からは困惑の声が広がっている。

30日、新たに54人の感染が確認された東京都。
年代別では20代が16人、30代は10人、感染者数は5日連続で50人を上回っている。
感染者数が高止まりを続ける中、29日、隣の埼玉県・大野知事は、突然、都内での飲食を自粛するように呼び掛けた。

そこで取材班は、東京・池袋にある居酒屋「居酒屋バッカス」を訪ねた。

客の7割が埼玉県民だというこの店。

大野知事の都内での飲食自粛について、埼玉県民の客に聞いてみると、「池袋を作っているのは埼玉県民ですよ。池袋は埼玉県です」、「埼玉県民だって埼玉で仕事をしていたら、わざわざ東京には飲みには行かないと思うけど、東京で仕事をするから、東京で飲んで帰るだけの話ですよ」、「それこそ、『翔んで埼玉』の世界ですよ。通行手形くらいやらないと」、などの声が聞かれた。

店は都の要請に従い、1カ月にわたり休業。
遠のいた客足は、まだ以前のようには戻っていない。

居酒屋バッカス・樋口昌純店主は「普段だと、この時間帯にこの客数はないので、コロナの前は...」と話した。

午後11時の閉店前にもかかわらず、客の姿は消え、店を閉めることとなった。

樋口店主は、「名指しでやられると、名指しされた側はダメージが大きいので、ましてや、埼玉県の方々がよく利用する池袋で商売をやっている身としては、正直ストレートな言い方をすると、腹立たしい」と憤った。

しかし今、東京から県境をまたいでの感染拡大が心配されていたのだ。

埼玉県では、直近2週間での感染者88人の半数以上の45人が、都内で感染したことがわかっている。

さいたま市で街の人に聞くと、「わたしなんか(年齢)80半ばですから、怖いです。ほとんど外に出ないようにしている」、「本当に怖いなと日々感じるので、繁華街に行っている人が(埼玉に)来るのは、クラスター感染も怖いので、控えていただきたい」と不安を口にした。

さらに神奈川では、都内に住む感染者の女性が実家を訪れ、母親と兄弟が感染。
千葉では都内で会食をした2人らが感染。
福岡でも、都内のホストクラブを訪れていた女性の感染が確認された。

一方、7月1日からは東京ディズニーランド・ディズニーシーは営業を再開。
全国から来園者が訪れるとみられる。

大阪からの観光客「あした、ディズニーシーの方に入園する予定です」
群馬からの観光客「あしたディズニーシーに行くので、電車をなるべくすいている時間に移動するのと、なるべく(人と)離れて移動ですね」

東京と全国各地を結ぶ高速バスターミナル「バスタ新宿」。
東京で感染者数が高止まりしていることに不安の声が聞かれた。

福島から来た就活生「そんなに東北に(感染者が)出ていないので、こっちに来るのは怖いと思いました。新宿駅は人が多かったので、ちょっと危ないのかなと思いました。お父さん、お母さんが気を付けてねと言ってくれました」

感染第2波が懸念される中、東京都は、感染拡大の兆候を把握する際の新たな指標を30日夜、発表する。

7項目にわたる新しい指標は、新規感染者数や入院患者数などはこれまでと同じ。
新たに感染経路が不明な人の数と、その増加比を加える。

また、医療を十分に提供できるかを重視するため、発熱などの相談件数や、東京ルールの適用件数などの指標が設けられる。

その1つが、潜在的な市中感染の状況を把握するため、東京消防庁救急相談センターに寄せられる、発熱などの相談件数。

また、救急患者のたらい回しを防ぐため、搬送先が決まらない場合、地域の病院が搬送先を調整する、都独自の東京ルールの適用件数が加わる。

一方、休業などを再要請するための具体的な数値基準は設けない方針。