豪雨被害の被災地を再び襲う大雨。
広い範囲で、12日ごろまで降り続く見込みで、さらなる被害に厳重な警戒が必要。

コンクリートを打ちつける雨。

大きな被害を受けた九州では、9日夜も雨が続き、2次災害が懸念されている。

豪雨の影響は地域経済にも影を落としている。

飛騨川が氾濫した岐阜・下呂市にある、日本三名泉のひとつ「下呂温泉」。

温泉宿「木曽屋」では、新型コロナウイルスの影響で休業し、6月に営業を再開したばかりだったが、周辺の道路が通行止めになり、今週末、満室だった予約もそのほとんどがキャンセルになってしまったという。

木曽屋・神田哲夫支配人「やっと客が動き出した矢先のこの豪雨には、本当に打ちのめされたという感覚が強い。コロナと水害でダブルパンチをくらったような状況」

今回の災害で死者59人、行方不明者10人と多くの犠牲者が出た熊本県。

その被害は、さまざまな場所に及んでいた。

人吉市にあるバス会社では、25台が被害に。

2019年10月に入れたばかりの新車2台も、エンジンが半分ほど水に漬かってしまったという。

産交バス 人吉営業所・村口昭寬所長「これは修繕に1,000万くらいかかると整備の人が言っていて、費用対効果としたら廃車しかないだろうと」

豪雨の魔の手は歴史ある酒蔵にも。

人吉市で酒蔵を営む下田文仁さん。

大和一酒造元・下田文仁代表「僕もまだ入ったことのない建物に入ります。(ここは何の?)これも貯蔵場所ですね」

明治31年(1898年)から続くこの蔵元は、牛乳焼酎や温泉焼酎など年間およそ3万本を出荷している。

しかし、今回の水害で建物はおよそ3メートルほど浸水。

焼酎の仕込みタンクなどは浮き上がって流され、ほぼ全滅に。

被害は数億円にのぼるという。

中でも深刻なのが、焼酎造りに欠かせない麹を作る「麹室」の被害。

大和一酒造元・下田代表「ここまで水が来たので、上のそこの境目ですね」

明治時代から受け継ぐ石造りの麹室。

昔から蔵に住みついて麹を育ててきた菌も、水に流されてしまった。

大和一酒造元・下田代表「これがないと(焼酎)造れないんですよね。伝統的な造りを大事にしてきたので、大事だったんですけどね...」

再開の見通しはたっていないものの、被害を聞きつけた多くの仲間が応援に駆けつけていた。

大和一酒造元・下田代表「でも多分、先人たちも同じような経験を多分しているんだと思います。それに負けずになんとか今までやってきていたので、われわれも負けずに頑張っていきたいですね」

被災地では熊本県の10人をはじめ、各地であわせて16人が今も行方不明となっている。

このあとも降り続ける雨に警戒が求められる。