令和初となる正月も終わり、東京オリンピック・パラリンピックの開催がいよいよ間近に迫ってきた。

昨年のラグビーワールドカップ以上に世界中から多くの外国人が訪れることが予想され、待ち受ける私たち日本人にとっては、「お・も・て・なし」をはじめとした日本の伝統文化や食を海外に発信する絶好の機会となる。

そしてこれらを紹介するには、まずは私たちがその魅力を知っていなければならない。今、これを知るのに打って付けのイベントがある。

全国の伝統の祭りと故郷の味が東京ドームに一同に会する大型イベント「ふるさと祭り東京2020」だ。その魅力は一体何だろうか? これを理解するためにタレントのハリー杉山さんとともに会場を訪れた。

ハリーさんは、イギリス人の父と日本人の母の間に日本で生まれた。11歳から父の母国であるイギリスへの留学経験があり、「日本」と「海外」のふたつの視点を兼ね備えている。そんなグローバルな視点を持つハリーさんに、「ふるさと祭り東京2020」から感じた日本の魅力を聞いた。

(聞き手:堤礼実アナウンサー)

日本が誇る“伝統の祭りと故郷の味”をハリー&堤アナが堪能

まずハリーさんと堤アナが訪れたのが「ふるさと祭り東京」の名物企画である「全国ご当地どんぶり選手権」。

日本全国から選りすぐりのご当地どんぶり16種類が集結し、一杯500円で楽しむことが出来る。

いろいろ見ていく中で選んだのは、ハリーさんが「京三昧!和牛すき焼き&ハラミ丼」、堤アナは「十勝牛とろ丼」だった。

そして食べ物が決まったら、もちろん飲み物も。全国各地のご当地サイダー&ご当地ドリンクバーが楽しめる「ふるさとドリンクスタンド」へ。

迷った末に、ハリーさんは「とちおとめ(栃木県産苺)シロップのウイスキー割」、「富山ブラックサイダー」に決め、スタンドへ。

スタンドでは食事を楽しみながら、全国の祭りを堪能することができる。

今回ふたりが観覧したのは「高知よさこい祭り」の演舞。艶やかな衣装に身を包んだ踊り子が手に鳴子を持ち、威勢よく、かつフォーメーションや動きが揃った見事な踊りを披露した。

そして観覧が終わった後、ハリーさんにふるさと祭りで感じた日本の魅力について語ってもらった。

老若男女が絆を深める“よさこい”

ーー今日は「高知よさこい祭り」の演舞を見ましたけれどもいかがでしたか。

実は一昨年に番組の企画でよさこいをやらせていただいたんです。当たり前ですが、1週間の練習でこんなふうに踊れません。社会人や学生の皆さん、もしかしたら小学校低学年ぐらいの子どもたちも自由時間を練習にあてているはずなんですよね。踊りってすぐ身につくものではないので、最初は絶対にしんどい。

パフォーマンスを見ると、この数ヶ月もしく半年の努力というのが見えてくるから感動しました。よさこいは、老若男女関係なく絆を深めることができる素晴らしいものなので、それを今改めて感じることができました。

私は日本生まれなのですが、11歳からイギリスに留学していました。なので海外から見た日本の魅力もわかります。日本全国からいろんなアイデンティティを背負った人たちが集まり、本場の祭りを体感できることはとても楽しいことです。時間が足りなかったです。

また、お仕事で日本全国を回っていろんな地域のご飯を食べてきましたが、「こんなご飯があるんだ!知らなかった!」と驚きました。 並んでいる人たちの顔を見るとみんな笑顔。すごくピースフルな空気が流れてたので、これは行かないと損をするぞと思いました。

祭りやグルメなど「ふるさと祭り」は、全体の空気感を含めて“心のご褒美”ですね。今度は1人ではなく、大切な人達と共に来たいですね。

ーー飲食ブースの行列に並びながら、「何を食べようかな?」などと考えるのは楽しいですよね?

「ふるさと祭り東京」は10年以上前からあるそうですが、今まで来てなくてもったいなかったなと感じています。

日本人でありながらイギリス人の血もある自分からすると、外国の方々にも知ってほしいという思いがあります。来場者に外国の方が少なかった印象があるので、是非ともプロモーション担当をやらせてほしいです(笑)。

日本には美味しい食べ物が本当にたくさんあります。しかも日本食になじみがない外国人でも、口の中に入れるとだいたい「何でこんなにうまいんだ」というリアクションをするんですよね。

そんな魅力あふれる食べ物が揃った祭りなので、英語のウェブサイトやTwitterアカウントで紹介すると、一気に拡散して外国の方々が来ると思います。日本人からしたら「日本を深く知ることができる祭り」でありながら、外国人視点では、日本文化の入り口になり得るようなイベントだと思いました。

ーー2020年といえば東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。この「ふるさと祭り東京」を通して、改めて日本の良さを感じた部分はありますか?

なぜ日本食のお店が、ロンドンやパリ、ニューヨーク、ミラノなど世界中に増えているかというと、シンプルにめちゃくちゃ美味しいから。そしてこれを支えているのが、自分は出汁文化だと思っています。出汁に対するこだわり、ちょっとした工夫で味は全く変わるのがすごいですよね。

この細部に対するこだわりが、日本文化のどんな点にもあると思います。そして外国の方々は、なんでも軽く表面を触れるだけでは満足しないんです。もっと深く追求したくなるんです。だから、日本文化に迫った「ふるさと祭り東京」のようなイベントが他にもあるといいですよね。

一方で、日本の良さを日本人が伝えるのは難しい部分があります。1回は海外に出て、外国の文化や生活を経験することで、初めて日本の良さを実感できるのです。

ーーでは、ハリーさんが実際に最近感じた日本の魅力は?

たくさんあります。僕は今34歳なんですけども5、6歳の時におばあちゃんと歩いていると、「外国の子がいる!」と珍しがられることがありました。それがどんどん国際化が進むにつれて、今は普通になってきましたよね。さらに外国人が困っていたら、英語が話せなくても助けてあげようとする人が増えてきています。

これが最近の日本人の魅力。今年のオリンピックに関しても、人生の先輩たちである60代70代の人たちがボランティアに参加するというのもありますし。外国人の方達をおもてなししたい、そして自分の国へのプライドを持って日本の文化を深く味わってほしいという思いが一般的に浸透しているのだと思います。

ーーちなみに、ハリーさんのお父様は前回の東京オリンピック(1964年)の取材で初めて来日されたんですよね。

はい。父はジャーナリストなのですが、ここで日本という国に恋に落ち、母と出会い、ほぼ半世紀を日本で過ごしています。イギリス人なんですが、日本人以上に“日本人”です。

父が日本に来たきっかけが東京オリンピックなので、彼の思いを僕が受け継がなきゃいけないという運命的なものを感じています。なので、オリンピックに向けての心の準備はだいたいもう決まっています。仕事もそうですが、幸運にもチケットが当たったりもしたので。

仕事として、渋谷でパブリックビューイングのお手伝いをさせて頂きます。外国人の方々も参加できるので、できるだけグローバルな演出にしたいと考えています。

あと、取材をめちゃくちゃしたいです。本当は父と一緒に取材したいのですが、彼の体調が優れないのでそれは残念ながらかなわないですが、きっと見守ってくれると思います。

ーー最後に、ハリーさんにとっての“故郷”とは?

ふるさとは、自分の体と同じように一生自分とともに存在する物だと思います。自分の体や心は生きている限りずっと一緒じゃないですか。故郷ってそういうもので、自分の圧倒的なアイデンティティです。死ぬまで自分と一緒にいてくれる相棒みたいな存在。

ちなみに僕は二つふるさとがあって、イギリスと東京。中でも東京はどのように変わっていくかはすごく気になります。東京でオリンピックが開催されることはめちゃくちゃ嬉しいんです。

海外にいたときも「日本ってこんなにすごい場所なんだぞ」「東京のここがすごいんだよ」と、積極的に友達に話して、自慢していました。やっぱり、故郷は宝ですね。

「ふるさと祭り東京2020 日本のまつり・故郷の味」

2020年1月19日(日)まで東京ドームにて開催

https://www.tokyo-dome.co.jp/furusato/