自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

「5歳の息子がドライバー大好きで、なんでも分解してしまう…」「目覚まし時計やぬいぐるみなど、気が付いたらバラバラに!」

大事に遊んでいたおもちゃのはずなのに、ちょっと目を離した隙にドライバー片手に分解!ぬいぐるみもハサミで解体して部屋が綿だらけに…
パパママが元に戻すのも一苦労な「分解遊び」をしちゃう子どもゴコロってどうして?

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――「なんでも分解」しちゃう子どもゴコロの正体は?

小さい子によく見られる「どうして?」「なんで?」の質問攻め。あの部分とも重なりますが、身の回りの様々な事象に興味を持ち、アクティブに学ぼうとしている表れでもあります。好奇心を持った対象の「中身は何か?」が気になり、開けてみたくなるのでしょう。

あとは、この時期にどんどん器用になってくることで、手先を使った動きを試してみたいという思いも、分解遊びを加速していると思われます。

これまでに、「Inquiry Based Learning」という学びのスタイルについて聞いたことがある方もいると思います。Inquiryは質問するという意味で、日本語では「探求学習」と呼ばれているようです。

これまでの日本の学び方というのは、先生が教え、生徒が学ぶという受け身のスタイルが多く、知識詰込み型が中心でした。しかし、この度の学習指導要領改訂でも、この探求型の学習への転換が盛り込まれているように、身の回りの事象に疑問や興味を持ち、それについて調べたり考えたりしていくなかで知識を身につけていく学びの必要性が注目されています。

私は海外暮らしが長く、自分自身も留学という形で大人になって学生をした経験があるのですが、日本従来の詰込み型の学習では、「考える力」が不足してしまうのを身をもって痛感させられました。その点からも、疑問を持ち、それを探求するという学びのスタイルは、これからの日本の子供たちにとって非常に大事なスキルですので、今回のテーマである「分解遊び」は格好の場なのではないでしょうか。


――「分解遊び」はいつ頃の特徴?

分解する作業は、手でつかんだり、指先でつまんだり、ひねって回したりなど、様々な手指の動きを使うので、年齢を増すごとにできる分解はどんどん巧みになってきますが、そのはじまりは2歳あたりからでしょう。

ただ、みんなが通る道かというとそうでもなく、やる子はやるし、やらない子はやらないと個人差も大きいように思います。

何でも分解してしまう子どもゴコロの正体は、身の回りのものに「これの中身はどうなっているの?」と興味を持つ気持ちの表れ。
また、手先が器用になるにつれ、色々な動きにチャレンジしたい!という気持ちも「分解遊び」を加速させる一因。

こどもたちに大事なものを分解されてしまった…!という経験がある人は少々困った遊びと思うかもしれないが、「不思議に思う→確かめてみる」という分解遊びのプロセスは大切な学習にもつながることを覚えておきたい。

「元に戻らない」ことを教えるのも大事

――「分解遊び」に親はどう向き合えばいい?

中には分解されては困るというものもあります。たとえば、大人が普段使用している私物はおそらく全般的にトラブルのもとになるでしょう。あとは、今回の目覚まし時計やぬいぐるみなどもやはり困ってしまいますよね。言って分かるお子さんは言葉で伝える形でもいいですが、いったん興味が湧くとダメだと言われたことをすっかり忘れてしまうことも多々ありますので、できる限り、手の届かないところに保管するのがベストです。

また、ぬいぐるみのような子どもの私物に関しては「分解していいものとダメなものがある」ということはしっかりと伝えておくことも大事です。
また分解した物が元に戻らないからと、また新しいものを買ってあげてしまうと、その子にとっては、再生不可能なものでさえ、再生可能と映ってしまうことになるので気をつけてください。

問題が起こってからだと、子どもは泣き、ママは怒るということになりかねないので、あらかじめどれなら大丈夫かを区別しておけると余計なトラブルを減らすことにつながります。

また、分解すると、当然ながら、1つのモノが細かな部品に分かれます。それによる事故は十分気をつける必要があります。感電や鋭利な部分でのケガ、あとは小さいお子さんが誤飲してしまうリスクもありますので、安全面での配慮は必要です。

「子どもの好奇心を大切にしてあげたい、けれど困りごとはなくしたい」という親御さんがほとんどだと思います。対策としては、お子さんが分解したいモードになってきたと感じたら、お部屋に「分解コーナー」を作ってあげるのがおすすめです。その子の作業場を作るのです。「分解できるおもちゃ」というそれを目的とした玩具もありますし、あとは親子がお家の中を見回して、分解してOKなものを一緒に探してみるのもいいアイデアだと思います。



「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)