「考えてやれ!」と言われ続けた新入生時代

 2019年11月23日に行われた関東大学サッカーリーグ戦2部最終戦の東京学芸大学戦を、日本体育大学は4-1の勝利で飾り、リーグ3位で締めくくった。この日まばゆい輝きを放ったのは日体大の「背番号10」エースFW山下諒也だ。山下はハットトリックの活躍でチームの勝利に貢献するだけでなく、シーズンの得点数も「12」に伸ばし、得点ランキング3位タイとするとともに、2部のベストイレブンにも輝いた。

 それでも、昇格を逃したことに対して「情けない気持ちでいっぱい」と語る山下。大学4年間やこれまでのサッカー人生を踏まえ、インタビューを実施した。

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――日体大に入った経緯は?
「鈴木政一(当時の監督/現・ジュビロ磐田強化本部長)さんに呼んでいただき、信頼できる監督と感じて決めました」

――入部当初の心境は?
「初めて試合を見た時に不安な気持ちを抱きました。ここでやっていけるのか、こんな選手になれるのか、こんな舞台でやれるのか、ちょっと不安がありました」

――入部後に言われていたことは?
「毎日のように『考えてやれ!』と言われていました。もともと、考えてサッカーをプレーするタイプではなかったんです。本能でやるタイプ…今も残る部分はありますが、一つのきっかけになりました」

――入部当初の不安はその後払拭できたのでしょうか?
「大学サッカーのスピードや球際など、徐々に慣れることができました。試合に出してもらうようになった経験が大きいと思います」

サッカーの考えに影響した2人の選手

――小学6年時にブラジル・サントスの下部組織のセレクションを受けたとのことですが、理由は?
「サッカーを始めたきっかけが、幼稚園の頃のフットサルチームにありました。小学3年でサッカーを始めたのですが、そのフットサルチームがもともと、サントスとの提携関係にあり、周囲の勧めで受けましたね。少し強制的ではありましたが(笑)」

――その時、ブラジル代表FWネイマール(パリ・サンジェルマン)とも話したんですか?
「はい、一緒に御飯も食べました。ピッチの中と外での印象が異なり、とても気さくな方でした」

――影響を受けた部分は?
「そうですね、それ以降ネイマールのプレーを追うようになりました。プレーを盗んだり、練習で試みたりですね。それが楽しみでサッカーの練習に行っていたほどです!

 ネイマールという存在のおかげで、『彼のような選手になりたい』と思うようになりました。そう思うほど、きっかけとして影響を受けた選手ですね」

――出身クラブであるジュビロ磐田の下部組織で学んだことは?
「ジュビロは下部組織からずっと所属していて、中学時代に引き続いて高校時代もお世話になりました。サッカーはもちろんですが、それ以上に『人との関わり方』を学びました。挨拶や礼儀は徹底して教え込まれましたし、人の部分を多く学びました」

――日体大に進学後、凄いと思った選手は?
「MF高井和馬選手(日体大出身※4年時に関東1部リーグで得点王/現・レノファ山口)です。彼にボールが渡ると、何かが起きる気がするんです。憧れですね」

4年前の自分に伝えたい「1分1秒の経験」

――日体大は2018、2019年と一部昇格を逃してしまいました。
「僕が2年生の時に降格を経験したんです。僕自身、当時のピッチに立っていました。最後の最後、同点弾を決められてしまいました」

※2017年シーズン最終節の法政大戦、前半16分、山下のアシストで先制すると、4分後には山下自らが得点して2点リード。しかし、後半27分にFW上田綺世(現・鹿島アントラーズ)に得点を許すと、同アディショナルタイムにはMF森俊貴(2020シーズンより栃木SC)に同点弾を決められた。

「降格してしまった瞬間を自分はピッチ上で経験したんです。当時の4年生の悔しさまで、自分は誰よりも知っているつもりでした。

 意気込みは誰よりも強く、意識して練習を頑張りました。ただ、それがあと一歩届かなかったということは、なにかしら足りなかったことは事実です。情けない気持ちでいっぱいです」

――成長できた部分は?
「1年間、日体大の象徴でもある背番号10を背負いました。嬉しさもあったけれど、最初の頃は不安感が大きかった。だから払拭するために多くの練習をこなしました。プレッシャーを力に変えること、努力を継続することの大切さを学びました」

――4年前の自分に伝えるものがあるなら?
「1分1秒の経験を、ただの1分1秒にしてはいけないと思います。意味のあるものにしたらきっと、今頃もっと上手くなって、1部昇格に導けたのかなと思う」

――今後の進路は?
「プロになって、多くの人に感動や希望を与えられる選手になれればと。これで終わらずにもっと上を目指して、プロの道に行きたいと思います」

Football ZONE web編集部