アンリがファン・ニステルローイとのライバル関係について回答

 ストライカーにとって最高の栄誉とも言えるのが、リーグ得点王の個人タイトルだろう。2000年代前半にプレミアリーグ得点王の座を巡り、熾烈な争いを繰り広げたのがアーセナルの元フランス代表FWティエリー・アンリと、マンチェスター・ユナイテッドの元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイだ。

 ともにプレミアリーグに在籍した2001-02シーズンからの5年間で、アンリがリーグ得点王を4度獲得したのに対し、ファン・ニステルローイもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で3回得点王に輝くなど、両者は他を圧倒するペースでゴールを量産し続けた。そのハイレベルな争いは、あれから10年以上の月日が経過した今もなお語り草になっている。

 この2人が、互いに相手を意識していたことは想像に難くない。実際、ファン・ニステルローイのかつての同僚である元イングランド代表DFリオ・ファーディナンドは、英紙「マンチェスター・イブニングニュース」の取材に応じた際、ファン・ニステルローイはたとえユナイテッドが快勝したとしても、同日にアンリが自分より多くゴールを決めていたら不機嫌になっていたというエピソードを明かしている。少なくともファン・ニステルローイにとっては、アンリの存在が大きなモチベーションになっていたようだ。

 しかし、もう一方の当事者であるアンリは、ファン・ニステルローイに対してライバル意識を持っていなかったという。アンリはイングランド女子代表FWニキータ・パリスとのインスタグラムでのライブ配信で、ファン・ニステルローイとの関係性についての話題になると、「一つの物語にはなるかもしれないよね。毎シーズン、僕か彼がそのタイトルを取っていたから」とコメントしたが、「でも、当時僕はペナルティーキックは味方に譲っていたんだ。(元ブラジル代表MF)エドゥのアーセナルでのラストゲームの時、僕はファン・ニステルローイとゴールデンブーツを争っていたけど、その時もペナルティーキックはエドゥに譲っている」とも付け加え、自身の得点を最優先に考えていたわけではなかったことを強調した。

「僕が記録したアシストの数も見てほしい」

「僕が記録したアシストの数も見てほしい。ゴールの正面にいた時でもパスを選択したことも時々あったんだ。それが、この話題に対する僕の答えだよ」と最後に語って話を切り上げたアンリ。チームの勝利こそが最も大事なことであり、個人タイトルは二の次という考えで当時はプレーしていたようだ。

 恵まれた体躯を生かした豪快なシュートが印象的だったファン・ニステルローイに対して、スピードを生かしたドリブル突破と冷静にコースを狙ったシュートで得点を重ねたアンリ。プレースタイルだけでなく、ライバルの捉え方も全く正反対だったようで、それが分かると両者の関係性はより一層興味深いものに見えてくる。

Football ZONE web編集部