障害者就労プロジェクトで作られた「ハーバリウム」、“母の日”の贈り物として提供

 元日本代表FW巻誠一郎が8日、熊本県内病院の医療従事者、および熊本市役所の職員に「ハーバリウム」2400個をプレゼントした。

 ハーバリウムとは、小さなドライフラワーをオイルとともに瓶に封入したもの。2018シーズンをもって現役から引退した巻が日頃から支援している、熊本県内の障害者就労プロジェクトで作られたものを、5月10日の「母の日」の贈り物として提供した。

「これだけコロナ禍が続くなか、精神的にも肉体的にもギリギリの状況で働き続けてくださっている女性の皆さんに、何か感謝の思いを伝えることができないかと思っていました」と巻。今回は医療の現場でコロナ禍に直面している医療従事者と、不安や不満を抱えた市民からの相談に日々対応している市役所職員に、丁寧に手作りされたハーバリウムを配ることにした。

「ハーバリウムは障害を持った皆さんが一つ一つ心を込めて作ってくださりました。なかには薔薇など数十種類のドライフラワーが入っています。ハーバリウムを見て、ひと時でも心にゆとりを持つきっかけにしていただけたらと思います」とメッセージも送った。

 巻は2016年の熊本地震の際も、抜群の知名度を生かして個人的に全国から支援物資を集め、県内各地の避難所に配って回った。また、避難生活が長引く子供たちをサッカー教室で励ます活動も精力的に行った。

 幅広い人脈で「いま、どこで、何が必要とされているのか」という情報を集め、迅速で無駄のない被災者支援を続けた。復興支援をしたいと考える現役の日本代表選手や人気アーティスト、女優なども、巻を頼って次々と熊本を訪れた。

やり方を慎重に検討 「物的な支援をすれば終わり、とは思わない」

 新型コロナウイルスの感染が拡大した今回も、早くからボランティアの道を探っていた。ただ、多くの人々が必要とする物資の流通を、個人的な人脈の中に偏らせてしまう形にならないように、慎重にやり方を検討した。

 巻は「こういうことは、物的な支援をすれば終わり、とは思わない。支援を通して、皆さんがどういうことを大変だと感じているのか、教えていただくことこそが大事なように思います」とも言う。

 今回のプレゼント提供を通して、医療従事者や市の職員自身にも家族がいて、コロナ対策の最前線に立つことには大きな不安が伴うことも聞いた。「震災もそうでしたが、支援をする側の人も被災者であり、ウイルスの脅威にさらされている人というのが、すごく難しいところだと思います」としみじみと語る。

「最前線で頑張られてる皆さんのために僕らができることは、できるだけコロナウイルスに感染しないよう、各々が対策を取ることだと思います」

 新たな感染者が減り、この週末はスーパーマーケットを訪れる人々が増えた印象もあるなか、巻は改めて感染拡大を防ぐ行動を続けることを誓っていた。

Football ZONE web編集部