リーグMVP&得点王の仲川輝人が高校生への「オンラインエール授業」に登場

 横浜F・マリノスの日本代表FW仲川輝人は、今季もJリーグで活躍が期待される。昨季リーグMVPと得点王を獲得した仲川が25日、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。全国の高校サッカー部員と言葉をかわし、身長161センチの仲川だからこそできる助言や、スピードを生かしたドリブル術などを伝授した。

 昨季のJ王者・横浜FMのエース仲川。33試合15得点でリーグ得点王に輝き、チームを優勝に導いた点取り屋が高校生へエールを送った。自身も専修大学4年時に大怪我を負い、プレーできない時期を経験。現在、新型コロナウイルスの影響で高校総体が中止になるなど、厳しい練習環境に置かれている高校生に対して、前向きな言葉を贈った。

「なかなか言葉じゃ伝わらないかもしれないですけど、僕は怪我をしてしまってすごく落ち込んだ日は1日だけだった。怪我して次の日は家で1日中しょぼーんってなってましたけど、次の日からいかに早くトレーニング、サッカーの練習できる体にするかというところを優先した。ずっと落ち込んでいても何も状況は変わらないと思うし、すぐに切り替えること。試合で失敗したとか練習でもそうですけど、失敗することはいいことだと思う。失敗を成功にどう変えられるのか考えながら今もやり続けているので、早く怪我を完治させることを考えていた」

 苦しい時期を乗り越えてプロの座を掴み取ったが、新たな舞台でも壁は待ち受けていた。特に161センチという小さな体でどうやって戦うか。フィジカルに自信はなくても、「スピード、アジリティの強化を目指して目標高くやっていた」。自分の特徴をさらに伸ばし、昨季にはリーグMVP、得点王に輝いた。高校生からは、「今まで対戦して嫌だったDFは?」との質問が飛んだ。

「(名古屋グランパスの)吉田豊選手。スピードも速いし、対人能力もあるけど、何より相手の間合いに持って行かれた。試合をやっていく中で印象づけられてしまった。自分の間合いにもっていきたかったし、豊選手の方が経験も一枚上手だったと試合の中で感じた」

高校生の疑問に解答 モチベーションを保つには「海外の選手のプレーを見たり…」

 技術的な疑問にも丁寧に答えた。J屈指のスピードを生かしたドリブルが持ち味の仲川に対して、高校生からは「ボールをもらう時にいつ周りを見るか」と助言を求められた。

「(パスを)受ける前というのはみんな意識しながらやっていると思うけど、その前のプレーからどこにトップ下、味方、相手DFがいるか。ボールを受ける1個、2個前の場面から見ていくと今のポジションよりもっといいポジションで受けられる可能性もあるし、1回で位置取りをすればゴールに直結するプレーができるかもしれない。そういうところは意識してやればいいかなと思う」

 なかでも、多くの高校生が抱えている問題にも仲川らしいアドバイスを送った。新型コロナウイルスの影響で公式戦は中止となり、高校総体という活躍の場も失われた。現在も厳しい状況下で気をつかいながら、練習に励んでいる。モチベーションも低下するなかで、仲川自身も精神的なコントロールをしながら自粛期間を乗り切ったという。

「自分もこの状況でモチベーションを保つのは苦労した。落とさないように海外の選手のプレーを見たり、自分の試合のハイライト、振り返りとしてここが良かったとか、ここがダメだったとか、もっとできるんじゃないかとかを振り返りながら、反省したり、もっとチャレンジしないといけないと思ったので、そこでモチベーションを維持していた。次いつ練習できるか分からない状況だったけど、練習できたときに振り返ったことをチャレンジしていくということでモチベーションを保っていたと思う」

 今回、思わぬ状況に陥っている高校生へ自身の言葉でエールを送った仲川。これも、昨年MVPを獲ったことで思いが変わったようだ。「気を引き締めなければいけないと思ったし、気は引き締まったと思います。もっと仲川輝人を世の中に出していければいい」。高校生、子供たちの憧れでい続けるため――。思いの強さが込められた「エール授業」だった。

Football ZONE web編集部