【識者コラム】マジョルカで放つ輝き、感覚を共有できる選手がいれば相当面白い

 リーガ・エスパニョーラ第31節レアル・マドリード対マジョルカ(2-0)での、日本代表MF久保建英の評価がすこぶるいい。スペイン各紙も絶賛のようだ。

 この試合では、いつもの右サイドではなく2トップの一角としてプレーしていたが、久保の特長からして、レアル戦のようにペナルティーエリアの幅でプレーしたほうがいいのかもしれない。

 ファーストタッチが正確なのと、ボールタッチの間隔が短い。タッチとタッチの間が短いだけでなく、逆に間隔を空けることも当然できるので、ボールの持ち方にリズムの変化がある。狭いスペースでも捕まりそうで捕まらない。

 マジョルカの場合、周囲がほとんど連動していないので、何も起きないままというケースも多いのだが、久保と感覚を共有できる選手がいれば相当面白い中央突破ができるのではないかと思う。

 すでにレアルには、久保の獲得を希望する30近くのクラブから関心が寄せられているという。レアルの右サイドはやや層が薄い。マルコ・アセンシオがようやく復帰し、新星フェデリコ・バルベルデもいるので人は足りているが、久保を加入させて競争させる手はある。また、ルカ・モドリッチとトニ・クロースの後釜もそろそろ考えておきたいところでもある。

 ただ、久保の成長を考えるなら、コンスタントにプレーできる環境のほうがいい。レアルでベンチに座る時間が長いのなら、もう1シーズン、他クラブで活躍してからレアルに戻ったほうがいいのかもしれない。

 日本代表も本格的に久保を組み込むタイミングが来た。

 中島翔哉と久保、2人のクラッキを両立させられるかどうか。シンプルに当てはめれば、4-2-3-1の2列目の右に久保、トップ下に南野拓実、左が中島になるが、そこまで攻撃型の布陣が果たして現実的なのかどうか。

 2006年ドイツ・ワールドカップ(W杯)の優勝候補筆頭だったブラジルは、トップにロナウドを置き、2列目にロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ(またはロビーニョ)という豪華攻撃陣を組んだが、準々決勝でフランスに敗れている。日本の場合は守勢に回る試合も十分予想され、攻撃のタレントをなるべく多く起用するという方針はおそらく通用しない。

2人の併用を考えると4-2-3-1はけっこうハードルが高い

 現状の日本代表には、中島のフリーダムな動きを補完する守備さえ整っていないのだ。久保と中島を併用するなら4-2-3-1はけっこうハードルが高いと思う。森保一監督にとっては手慣れている3-4-2-1ならば、久保と中島を2シャドーで並べられるが、海外組にあまり馴染みのないフォーメーションを機能させられるかという問題が出てくるうえ、2シャドーの守備が簡単ではない。4-3-3が落としどころになる気はするのだが、森保監督がこれを使った記憶がない。

 ただ、これも嬉しい悩みに違いない。日本代表が、久保と中島という大きな才能を得たがゆえの悩みである。

Football ZONE web編集部