「Jリーグジャッジリプレイ」の前回配信で言及されなかった“支え手”の例外について解説

 今季のJリーグでは、“支え手”によるハンドの判定の場面がよく見られる。スポーツチャンネル「DAZN」の『Jリーグジャッジリプレイ』も17回目では、前回放送で言及されなかったハンドの“支え手の例外”について、識者の解説が行われている。

 該当シーンはJ1第15節、川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸の前半7分だ。川崎が左サイドから入れたクロスを一度、神戸の守備陣が弾く。そのこぼれ球を川崎MF守田英正が拾ってシュートを打つが、ブロックしようとした神戸DF渡部博文の地面に着かれた左手に当たった。木村博之主審は川崎にPKを与え、渡部にはイエローカードが提示されている。

 ここで重要なのは“支え手”かどうかの判断だ。競技規則によれば、「体を支えるための手や腕が体と地面の間にある」場合はハンドの反則にはならない。しかし、条件として「ただし、体から横または縦方向に伸ばされていない」と記載もある。今回の渡部のプレーについては、この部分について議論が展開された。

 JFA審判1級インストラクターを務める小幡真一郎氏は、「(支え手が)もう一段、横に伸びている」と必要以上に渡部の腕が伸びていることを指摘。「“支え手”の枠を超えている」として、このプレーがハンドの反則になると主審の判定を支持した。

 さらに小幡氏は、この場面で渡部に警告(イエローカード)が提示された理由についても解説。後ろにGKがいる状況で、ゴールに向かうボールをハンドで阻止したことから、「大きなチャンスとなる攻撃の阻止(SPA)」で警告が妥当だとした。

別のシーンでは「“支え手”であるハンドの例外」の解釈の難しさが浮き彫りに

 この回の放送では、他のシーンでも“支え手”のハンドの判定について取り上げている。そちらでは、「ただし、体から横または縦方向に伸ばされていない」の範囲の解釈がいかに難しいかが浮かび上がっている。

 紹介されたシーンは、J1第16節の川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島の一戦の後半42分だ。川崎DF山根視来が右サイドから入れようとしたクロスに、スライディングでブロックしに行った広島DF佐々木翔の左手が当たったように見えた。東城穣主審は佐々木のハンドを取り、川崎にPKを与えている。この時、佐々木の左手は地面に着いた状態だった。

 主審はハンドの反則を取っているが、伸ばされた範囲が微妙で非常に難しい。なお、小幡氏はここでも主審の判定を尊重はしつつも、「自分だったら…」という立場で「違う判定をするかもしれない」と話している。

 今シーズンは、Jリーグで「ハンドの反則」が話題になることが例年以上に多い印象がある。“支え手”のハンドの判定もその一つだ。主観の占める割合が大きいため、レフェリー、選手も理解に難しさを感じているはずだ。それは視聴者にとっても難しいということ。はっきりとした答えのない状況でも、判定は下される。観戦していて納得のいかないことも多いだろう。

 そうした状況のなかで、『Jリーグジャッジリプレイ』のように様々な角度から意見交換する場は日本のサッカー界にとってプラスだろう。引き続き、番組内での議論には注目していきたい。

Football ZONE web編集部