香川不在でドルトムントは不安定に。指揮官も求める背番号23の重要性

香川不在でドルトムントは不安定に。指揮官も求める背番号23の重要性

代表入りを逃した香川。復帰は4月予定か

 2月10日に行われた対ハンブルガーSV戦で負傷し、未だ復帰には至っていない香川真司。マリ、ウクライナとの親善試合を行う日本代表メンバーにも名を連ねることはできなかった。果たして復帰時期はいつになるのだろうか。そして、「不安定」なボルシア・ドルトムントにおける香川真司の重要性とは。(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

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 4勝4分1敗。香川真司が負傷離脱してからのボルシア・ドルトムントの戦績だ。日本人MFは、2月10日に行われた対ハンブルガーSV戦で、左足首を痛めて負傷離脱。当初は復帰まで2〜3週間と目されていた。

 3月3日の第25節RBライプツィヒ戦を前にペーター・シュテーガー監督は、ラファエル・ゲレイロとともに香川が「近いうちにチームに合流すると前向きに考えている」と楽観的だった。

 しかし背番号23の怪我は、ことのほか複雑化。なかなか練習に合流する様子も見られない。そうこうする内に、チームはヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16第1戦で痛恨の敗戦。ホームでFCレッドブル・ザルツブルクに1-2で敗れた。

 すると11日の対アイントラハト・フランクフルト戦を前に、シュテーガー監督が、復帰までさらに2〜3週間かかることを明言。そして試合後、香川本人が報道陣の前に姿を見せると、ようやく実際のところを明かしてくれた。

「(怪我については)まあ報道通りですね、(復帰まで)2、3週間くらいです。最初は見解的には早く復帰できると思ったけど、まあしょうがないですね」

 左足首には固定する装具が付けられている。

「(固定は)最初してて、復帰の段階でちょっとそこで炎症がみられて痛みがなかなか減らなかったんでMRI取りにいって、それでこういう順番ですね。良くなっているけど、まだ炎症が見られる感じですね」

 炎症が無くなれば、普通のリハビリになるのだという。

 当初は3月下旬の国際親善試合での日本代表復帰を「視野」に入れていた。だが、もちろん間に合わない。そして「復帰」は「4月」になるのだという。

「もちろんそれはね、そういう視野でやっていましたけど、こればっかりはしょうがないですし。あとはもう1回、ここで長引いてもしょうがないので、ここでしっかり治して、4月の中で復帰できたら良いんじゃないかなと思いますけど」

 一通り話を終えた香川は、少しぎこちなく歩きながら、ミックスゾーンを後にした。

成績だけをみれば悪くないドルトだが…

 それから4日後の15日、ELのラウンド16第2戦。チームはザルツブルクを相手にアウェイで0-0のドローに終わった。2戦合計でのスコアは1-2となり、ELの敗退が決定した。そして18日に行われた対ハノーファー96戦では、ミチ・バチュアイの技ありゴールで1-0で勝利する。薄氷を踏むような戦いが続くドルトムント。

 11日の試合で2-3と追い詰めた後で、フランクフルトの MF長谷部誠は「今日は非常に大きなチャンスだったと思う」と振り返った。

「ドルトムント自体も今シーズンは…僕らが言うのもなんですが、不安定というか、2、3年前の本当に勢いのあるドルトムントではないので」

 日本代表の主将が言及するように、もはやその姿は、ドイツでナンバー2の座に君臨し、チャンピオンズリーグ(CL)の常連だった頃の強さにはない。代表ウィークが明ければ、今季も残すところ後7試合。

現在3位に付けるドルトムントは、このまま4位以内をキープして、目標である来季CL出場権を獲得できるのだろうか。そしてそのラストパートに、香川真司は不可欠なのだろうか。

 香川が離脱してからの4勝4分1敗という数字は、さほど悪くないようにも見える。ホームでのELで1度FCレッドブル・ザルツブルクに敗れはしたが、ブンデスリーガでは無敗のままだ。

 しかしドローに終わったゲームでも、2月26日のFCアウクスブルク戦や、EL敗退が決定した15日のザルツブルク戦を振り返ると、ボールポゼッションが安定せず、なかなか試合のペースを握ることができなかった。

 バチュアイの後半アディショナルタイム弾によって辛うじて勝ち切った2月15日のELアタランタ・ベルガモ戦、フランクフルト戦も同様。フランクフルト戦ではマリオ・ゲッツェをベンチに下げ、あまりポセッションにこだわらずカウンター型に舵を切ったが、それでも自分たちがボールを保持する時間はどうしても存在する。

 そういった時間帯に攻勢に出るべきなのか、じっくりとパスを交換すべき時なのか。90分間の中でゲームの流れをなかなか読めず「不安定」なのが、今のドルトムントなのだ。

問われる香川の重要性

 その意味では、やはり香川はチームに必要と言えるだろう。29歳になりサッカー選手として脂の乗った時期にある背番号23は、もはやドルトムントでもベテランの域に差し掛かっている。

 場数を踏んだからこそ持ち得るゲームを見通す力は、今のドルトムントの中盤に欠けているものだ。復帰すれば香川は、守備陣と攻撃陣を繋ぐリンクマンとして、重要な役割を果たしてくれるはずだ。

 またシュテーガー監督はELザルツブルクとの第2戦で、マリオ・ゲッツェを前半45分間だけでベンチに下げたが、理由を以下のように語っている。

「我々が見たかったこと、つまり整然としたパス交換、危険なポジショニングや裏を突く動き、それらは全く見られなかった」

 オーストリア人指揮官が挙げた「それらは」、まさに香川が試合で意識するところだ。

「整然としたパス交換」はもちろんのこと、アタッキングサードでの「危険なポジショニング」は、香川が常々こだわっていることである。

 また、マフムート・ダフートが状態を上げていることによって、香川の「裏を突く動き」もより一層、増えてくるかもしれない。U-21ドイツ代表は、中盤の深い位置で前を向き、ドリブルで前に進むことができる。ダフートのパフォーマンスがさらに安定すれば、香川も前線での仕事に比重を傾けることができるだろう。

 もちろん香川とて万能の存在ではない。シュテーガー体制が発足してから、試合毎に勝利を手繰り寄せようと奮戦してきたことは間違いない。

 だが、本人が「やはりチームというものにはエースが必要」とバチュアイの加入を歓迎したように、一人で何役も背負い切ることはできない。

 しかしこれまで記してきたように、チームに欠けているものを埋め合わせる重要なピースとして、今季もいよいよ大詰めを迎えるドルトムントの戦いに貢献してくれるはずだ。

 特に4月15日にはFCシャルケ04戦が予定されている。リハビリが順調に行けば“レヴィア・ダービー”には間に合うはず。

 これまでもそうだったように、永遠のライバルとの一戦で、香川は復活の狼煙を上げ、そしてロシアワールドカップに向けて号砲を響かせてくれるに違いない。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

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