アジアカップ準々決勝、攻撃陣総入れ替えも? 大迫勇也復帰で見せたいゴールへの形

アジアカップ準々決勝、攻撃陣総入れ替えも? 大迫勇也復帰で見せたいゴールへの形

イエローカードを受けている主力の起用は避けたい

日本代表は24日、AFCアジアカップ2019・準々決勝でベトナム代表と対戦する。ベトナムは堅守速攻型のチームとあって、サウジアラビア戦とはまた違った戦いになることが予想される。準決勝進出へ鍵となるのは戦列復帰を果たした大迫勇也。絶対的1トップが力を示せれば、勝利も近づく。(取材・文:元川悦子【UAE】)

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 ボール支配率23.7%・シュート3本という衝撃的なデータにもかかわらず、冨安健洋(シントトロイデン)の打点の高いセットプレー1本で勝ち切った2019年アジアカップ(UAE)ラウンド16・サウジアラビア戦(シャルジャ)から1日明けた22日。日本代表は前日の先発11人と右ひざ負傷でチームを離れた青山敏弘(広島)を除く11人でトレーニングを実施。午後には24日の準々決勝の会場であるドバイへ移動した。

 中2日という強行日程で迎えるベトナム戦も厳しい試合になることは間違いない。ベトナムとは過去3回の対戦があり、いずれも日本が勝利しているが、直近の試合は2011年10月の親善試合(神戸=1-0)。その後の8年間でベトナムサッカーは劇的な進歩を遂げており、2018年スズキカップ(東南アジア選手権)でも優勝。2020年東京五輪を目指すU-22世代も力をつけていて、昨年8月のアジア大会(インドネシア)では1-0で日本を破っている。

 韓国人のパク・ハンソ監督は5-4-1の守備的布陣をベースに粘り強い堅守と鋭いカウンターでここまで勝ち上がってきた。森保一監督率いる日本代表にとっては、大苦戦を強いられたサウジアラビアとは全く異なるスタイルの相手。ここはしっかりと頭を切り替えて挑む必要があるだろう。

 次戦は武藤嘉紀(ニューカッスル)が出場停止。準決勝まで勝ち進めば、ここまでのイエローカード累積も消えるため、酒井宏樹(マルセイユ)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)ら主力メンバーの起用も避けたいところ。指揮官の考え方次第だが、今回も17日のウズベキスタン戦(アルアイン)同様、スタメンを大きく入れ替えることになりそうだ。

 とりわけ、攻撃陣は全面的に陣容が変わる可能性が高い。2列目は右から伊東純也(柏)、北川航也(清水)、乾貴士(ベティス)の並びが有力で、最前線には右でん部負傷が癒えた大迫勇也(ブレーメン)が4試合ぶりに戻ってくる見通しだ。

大迫勇也がチームにもたらすもの

 絶対的1トップと位置付けられる男は9日の初戦・トルクメニスタン戦(アブダビ)で昨年末から痛めていた同箇所のトラブルを再発させ、ずっと別メニューが続いていたが、サウジアラビア戦前には全体練習に合流。22日はフルメニューをこなし、ミニゲームでは強烈シュートを何本も打っていた。本人はケガの回復具合について何も語っていないが、公式戦復帰は問題ない様子。エースFWが満を持してピッチに立つことは、森保ジャパンにとって大きな朗報と言っていい。

 伊東・北川・乾という2列目の組み合わせはウズベキスタン戦1試合を消化しているが、この時は追加招集の武藤が1トップに入ったことから、伊東や北川との連係面でギクシャクした部分が垣間見えた。けれども、大迫であれば昨年10〜11月の代表シリーズで伊東・北川の2人と組んでいるし、乾とは2018年ロシアワールドカップを通してお互いの特長を熟知し合っている間柄だ。

 特に乾に関しては、ウズベキスタン戦では初めて一緒に試合に出るメンバーが周囲を取り囲んでいたこともあって、彼自身のよさを思うように出せずに苦しんでいたが、最前線に大迫が陣取っていれば、思い切ってゴール前へドリブルで切れ込んだり、シュートを放ったりもできる。サイドで幅を取りながら相手を引き付け、中央に陣取る大迫にラストパスを送るような仕事も増やせるだろう。それは大迫自身の決定機にもつながる。そういった相乗効果が大いに期待できるのだ。

 今大会の日本の4試合終了時点での総得点は7。内訳は大迫が2、堂安と武藤、原口元気(ハノーファー)、塩谷司(アルアイン)と冨安がそれぞれ1点ずつで、アタッカー陣が爆発しているとは言いきれないのが実情だ。サウジアラビア戦以外は決定機を作っているのに決めきれず得点数を伸ばせなかった印象が強い。

 もちろんアジアカップのような短期決戦で勝ち上がるには、サウジアラビア戦で見せた冨安の先制弾のようなリスタートからの一撃も必要不可欠だが、やはりFW陣が目に見える数字を残してこそチームは盛り上がる。

流れるようなコンビネーションからのゴールがほしい

 大会前はその火付け役を南野、堂安といったフレッシュな若手アタッカー陣が担うと見られていたが、ここまでの彼らは重圧やアジアカップ特有の難しさに苦悩している。彼らの精神的負担を軽減する意味でも、ロシアワールドカップなど数々の大舞台を経験し、修羅場をくぐってきた大迫に託されるものはやはり大きい。彼のゴールが生まれれば、森保ジャパンにどれだけの安心感と勇気をもたらせるか分からないのだ。

 勝ち切りはしたものの、ボール支配率23.7%というショッキングな戦いをした直後の試合だけに、選手たちは自分たちが主導権を握って攻め倒すようなアグレッシブな戦いを強く渇望しているはず。ベトナム戦で本来の日本的スタイルを貫いて勝利を手にできれば、チームとしての戦い方の幅はより一層、広がるだろう。

「ユベントスにはなれなくても、いろいろカメレオンのように戦い方を変えたらいいんじゃないですか。相手チームや関係によってポゼッションするのか、それとも引いて守って戦うべきなのか、そういう判断をしていければ、チームとしてもっと成長していくんじゃないかと思います」

 長友佑都(ガラタサライ)はサウジアラビア戦後に前向きに語ったが、ベトナム戦は変幻自在に戦えるチームになるための重要な一歩。大迫はその日本をけん引する最重要ピースと言ってもいい存在だ。絶対的1トップがしっかりとボールを収め、攻撃陣にリズムを与え、相手守備陣をかく乱することで、必ずゴール前に穴ができる。そこで仕留めるのが伊東なのか、乾なのかは分からないが、とにかく今回は流れるようなコンビネーションからのゴールが是が非でもほしい。

 もちろん大迫自身がトルクメニスタン戦以来の得点を決めてくれれば御の字ではある。本人もここまでピッチに立てずにウズウズしているに違いない。その悔しさと不完全燃焼感を払拭すべく、泥臭くゴールを追い求める姿勢を押し出してもらいたいところ。今回のベトナム戦は「半端ない点取り屋」が新生ジャパンの真のエースに君臨するための重要な試金石になる。

(取材・文:元川悦子【UAE】)


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