日本代表がW杯2次予選で勝ち続けなければならないもう一つの理由。キーワードは「東京五輪」

日本代表がW杯2次予選で勝ち続けなければならないもう一つの理由。キーワードは「東京五輪」

苦戦しながらもタジキスタンに勝利

 日本代表は15日、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選の第3節でタジキスタン代表と対戦し、3-0で勝利を収めている。これで森保ジャパンは予選を無傷の3連勝とし、首位の座をガッチリ固めることとなった。もちろん、日本代表にとって2次予選の首位通過はマストと言える。残り試合でも1ポイントの取りこぼしすら許されないだろう。ただ、日本代表が2次予選で勝ち続けなければならない理由は、もう一つある。(文:河治良幸)

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 森保一監督が率いる日本代表はアウェイでタジキスタンと対戦し、前半スコアレスと苦しみながらも後半の早い時間帯に南野拓実が2得点、終盤には途中出場の浅野拓磨がタジキスタンを突き放す3点目を決めて、3-0の勝利を飾った。

 “完全アウェイ”の環境で難しい戦いを強いられた日本。南野のゴールが生まれるまではタジキスタンに先制点を奪われてもおかしくないシーンが何度もあり、先制シーンもカウンターからのピンチをゴール前で防いだ直後に、相手の間延びを突いた“カウンターのカウンター”がうまくハマった形だった。

 そうした意味でも引き続き11月に待つアウェイのキルギス戦に課題を残したと言えるが、何れにしても3連勝で首位を堅持できたことは大きい。ただし、日本代表にとって2次予選の突破を決めることは絶対のノルマであり、確実に突破するためには首位通過が求められるが、もう1つ勝ち続けるべき理由がある。

 2次予選は11月のキルギス戦で年内の日程がひとまず終了する。そこから12月にはオール国内組で参戦することが見込まれる東アジアの大会E-1選手権があり、それが終了するとA代表は1、2月の活動がなく、3月にはホームのミャンマー戦、アウェイのモンゴル戦があり、そこから4、5月と飛ばして6月にタジキスタン、キルギスとのホーム2連戦で8試合が完結する。

 2次予選の突破が確定するのは最速でも3月の2試合だ。そこで突破を決めれば6月の2試合は日本代表にとって“消化試合”となり、フレッシュな選手のテストを行うと同時に、怪我のリスクがあるベテランなどを休ませることも可能だ。それに加えて来年はもう1つの重要事項が関わってくる。そう東京五輪だ。

アジア2次予選突破がズレ込むと…

 現在はA代表と東京五輪を見据えたU-22の活動が重なることが多く、その場合はA代表を森保監督がそのまま率い、U-22は横内コーチが監督代行として率いている。来年の1月にタイで行われるU-23アジア選手権では森保監督が直接指揮すると見られるが、3月の2試合で予選突破を決めきれない場合に五輪チームの活動にいろんな意味で影響してしまうのだ。

 もし予選突破が6月にずれ込む場合、森保監督はホームの2試合に向けた準備にかなり労力を割かなければならないのは言うまでもないが、現在はA代表のメンバーとして2次予選を戦っている冨安健洋、堂安律、久保建英、板倉滉の4人を五輪代表に組み込むタイミングが難しくなる。A代表の資格がある五輪世代が増えればなおさらだ。

 12月28日に長崎で予定されるU-22代表の強化試合に向けた合宿では、欧州組が冬休みで帰国していることもあり、彼らの参加も検討されているようだ。しかし、本格的な練習参加や試合となるとハードルがある。いくら東京五輪がビッグイベントと言っても、サッカーにおいてA代表の公式戦より優先されるべきではない。ただし、“消化試合”となれば話は違ってくる。

 8月の東京五輪に向けたキャンプや強化試合がどうスケジューリングされるかは年末の「年間スケジュール発表」を待たなければならないが、6月が重要な準備の時期になることは間違いない。なぜならば7月の初旬には本大会に臨む18人を確定させなければならないからだ。

 その前の段階でオーバーエイジを組み込むのか、その後のキャンプになるのか定かではないが、できれば堂安らA代表の選手も現在のU-22、来年のU-23世代に合流させてチームの連係チェックや見極めをしていきたいだろう。

キルギス戦が持つ大きな意味

 最終予選の話になるが、ザックジャパンが2013年3月の試合でヨルダンに勝てば、2試合を残してブラジルワールドカップ本大会への出場が確定するというシチュエーションで敗れてしまい、突破が持ち越されたことがあった。これによりコンフェデレーションズカップを前にしたオーストラリア戦、イラク戦に向けてフルメンバーを呼ばざるをえず、1年間のプランがかなり狂わされたのだ。

 振り返れば前年の年末に行われた年間スケジュール発表の時に当時のザッケローニ監督は「ヨルダン戦で勝つことが大事。本大会に向けてはその後プランを立てたい」と語っていた。それだけヨルダン戦で突破を決めることがその後のプランに大きく関わると考えていたのだろう。

 現在、日本は勝ち点9、キルギスとタジキスタンが勝ち点6で並ぶ状況となっている。4位のモンゴルは初戦でミャンマーに勝利して3ポイントあるものの、すでに4試合を行っており、予選突破はほぼ日本、キルギス、タジキスタンに絞られたと言える。日本が11月14日にアウェイでキルギスに勝利できれば、キルギスとは勝ち点が6差となる。

 タジキスタンがここから全勝で付いて来れば6月まで逆転される可能性が残されてしまうが、キルギス、ミャンマーとのアウェイを残しており、その可能性はそれほど高いとは言い難い。日本代表がキルギスに勝利し、年内全勝で勝ち点を12に伸ばしても、その時点で2次予選の突破が確定するわけではない。

 しかしながら東京五輪を含めた来年の強化に大きな意味を持ってくる。代表の試合で勝利を目指すのは当たり前だが、そうしたビジョンを併せてキルギス戦での勝利を期待したい。

(文:河治良幸)


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