元ブラジル代表FW

 2020シーズンのJリーグ開幕が迫っている。現在は各クラブが新シーズンに向け戦力補強に力を注いでいるが、まだまだ移籍市場の熱は冷めないだろう。ビッグネーム加入の可能性も、捨てきれない。今回フットボールチャンネル編集部では、Jリーグクラブも獲得可能な現在フリーの名手を5人紹介する。(市場価格は『Transfermarkt』を参照)。

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FW:ジエゴ・タルデッリ(元ブラジル代表)
生年月日:1985年5月10日(34歳)
市場価格:250万ユーロ(約3億円)
最終所属:グレミオ(ブラジル)
昨季リーグ戦成績:29試合出場/4得点1アシスト

 サンパウロの下部組織出身で、早くからその才能を高く評価されていたFW。身長は179cmとそれほど大柄ではなく、スピードも突出したものではないが、身体をうまく使ったボールキープ力に長け、最前線で味方の選手を生かすことができる選手だ。典型的なストライカータイプではないが、様々なタスクをこなすことができる有能なプレーヤーだと言えるだろう。

 ジエゴ・タルデッリはレンタルで加入したベティスやPSVなど、欧州の地では活躍できなかったが、2009年より加入したアトレチコ・ミネイロではリーグ戦33試合で19得点7アシストの成績を収めるなど、爆発。その活躍が認められ、同年8月にはブラジル代表初招集も果たしており、2015年に行われたコパ・アメリカなどに出場している。その後はアンジ・マハチカラや中国の山東魯能に在籍し、昨季よりグレミオに移籍していた。

 しかし、グレミオではリーグ戦29試合に出場するなど主力としてプレーしていたものの、得点数はわずか「4」に終わり、アシスト数も「1」と不振にあえいだ同選手。当初、グレミオとの契約は2021年12月までとなっていたようだが、クラブはこの成績に不満を抱いたのか、先月にタルデッリとの契約を解消している。そのため、現在はフリーの身。果たして新天地は決まるのか。

今冬にボローニャ移籍の噂も…

DF:ファビオ・コエントラン(元ポルトガル代表)
生年月日:1988年3月11日(31歳)
市場価格:250万ユーロ(約3億円)
最終所属:リオ・アヴェ(ポルトガル)
昨季リーグ戦成績:21試合出場/0得点5アシスト

 ポルトガル代表として2010年の南アフリカワールドカップ出場を果たすなど、世界にその名を轟かせていたDF。レアル・マドリー在籍時は決して絶対的地位を築いていたわけではないが、バックアッパーとしてチームを支え続けた選手であり、チャンピオンズリーグ(CL)をはじめ、数多くのタイトルをチームにもたらしてきた。スピード感あふれる攻撃参加は実に魅力的で、経験値も豊富な選手である。

 しかし、ここ最近は苦戦続きだ。2015/16シーズンに期限付きで加入したモナコでは大怪我を負い、完全移籍を勝ち取れず。その翌年に移籍したスポルティングCPでも復調をアピールしたが、完全移籍を決めることはできず、マドリーへ復帰。ただ、レンタル元では事実上の戦力外となっており、2018/19シーズンに古巣のリオ・アヴェに加入している。

 そのリオ・アヴェも1年で退団したファビオ・コエントランは、ギリシャのPAOKやポルトなどと契約間近に至ったものの、加入を正式に決めることができず。現在はフリーの状態が続いている。今冬にはサイドバックを欲していたボローニャに逆オファーを出した、との報道も出たが、最終的に移籍は実現しなかった。約半年間、実戦から遠ざかっているレフティーだが、そろそろ新天地を決めたいところだろう。

元韓国代表MF

MF:キ・ソンヨン(元韓国代表)
生年月日:1989年1月24日(31歳)
市場価格:450万ユーロ(約5億円)
最終所属:ニューカッスル(イングランド)
今季リーグ戦成績:3試合出場/0得点0アシスト

 韓国代表としてワールドカップ3大会出場を果たしたベテランMF。身長186cmの体躯を生かしたキープ力に長けており、タイミングを見計らった正確なビルドアップを武器とする選手だ。しかし、日本人の多くは同選手に好印象を抱いていないだろう。2011年のAFCアジアカップで同選手がPKを沈めた後、カメラに向かって猿の顔マネをしたからだ。後に選手本人が「日本人をバカにしたものだった」とSNS上で告白しており、大きな話題となった。

 そのキ・ソンヨンはFCソウルでプロデビュー後、2009年よりセルティックに加入。スコットランドでは主力としてプレーし、カップ戦制覇などに貢献している。その活躍が認められ、2012/13シーズンよりスウォンジーに加入。新天地でも主力としてプレーした同選手は、リーグカップ制覇などに貢献し、クラブに初タイトルをもたらした。その翌シーズンはサンダーランドに加入し、クラブの年間最優秀選手に選ばれるほどの活躍を見せている。

 しかし、2018年にフリーでニューカッスルに加入したキ・ソンヨンだったが、新天地では苦難の連続だった。ラファエル・ベニテス監督の下では途中出場が多く、定位置確保には至らず。今季はスティーヴ・ブルース監督の下で完全に構想外となっており、リーグ戦の出場はわずか3試合に留まっている。そして、ニューカッスルは先月31日、キ・ソンヨンがクラブを退団することを発表した。現在はフリーの身で、新天地を模索中だ。

ミランを支えた快速SB

DF:イグナツィオ・アバーテ(元イタリア代表)
生年月日:1986年11月12日(33歳)
市場価格:200万ユーロ(約2億円)
最終所属:ミラン(イタリア)
昨季リーグ戦成績:19試合出場/0得点0アシスト

 2000年代初期のミラン黄金時代を知る元イタリア代表DF。クロスの精度や守備面の対応など、改善すべき点も多かった同選手であるが、相手に簡単に振り切られないスピードを持っており、積極的な攻撃参加を売りとしている選手だ。イタリア代表としても22試合出場を誇っており、2012年のEURO(欧州選手権)、2014年のブラジルワールドカップ出場を果たしている。

 そんな同選手はキャリアの大半をミランで過ごしている。プロデビュー当初はナポリやモデナ、ピアチェンツァなどにレンタルで加入し、エンポリやトリノに籍を移したこともあったが、2009/10シーズンにミラン復帰を果たしてからは同クラブ一筋。2010/11シーズンにはリーグ戦29試合に出場するなど主力として活躍し、チームにリーグ優勝をもたらした。その後も不動の右サイドバックとして活躍したイグナツィオ・アバーテ。ベテランの風格も漂い始め、チームのリーダー的存在としても頼もしかった。

 しかし、ここ最近はダビデ・カラブリアやアンドレア・コンティといった若手選手にスタメンの座を奪われることも少なくなく、年々出場機会は減少していった。そして、ミランは2018/19シーズン終了後、契約満了に伴いアバーテの退団を発表した。ミランでの出場試合数は306。まさにクラブの「顔」的存在であった。現在は所属クラブが決まっておらず、フリーの身に。豊富な経験値はJリーグでも活きるはずだが…。

元祖・爆速王

FW:オバフェミ・マルティンス(元ナイジェリア代表)
生年月日:1984年10月29日(35歳)
市場価格:100万ユーロ(約1億2000万円)
最終所属:上海申花(中国)
昨季リーグ戦成績:記録なし

 現代サッカー界のスピードスターと言えば、モハメド・サラーやサディオ・マネといった選手の名が挙がるだろう。だが、元祖・爆速王はやはりこの男ではないか。元ナイジェリア代表FWのオバフェミ・マルティンスだ。身長は170cmと小柄なものの、陸上選手と張り合えるのではないかと思うほどのスピードの持ち主であり、一瞬で相手をぶち抜くことができる恐ろしい点取り屋である。サッカーゲームの中で、スピード値の高い同選手を多用した人も多いのではないだろうか。

 そのマルティンスの名が世界に知れ渡ったのは、インテル在籍時だろう。2004/05シーズンにはリーグ戦31試合で11得点5アシストの成績を収めるなど、名門クラブでまずまずの活躍を見せた。その後はズラタン・イブラヒモビッチの加入などもあって出場機会を失い、様々なクラブへ籍を移した同選手であったが、2014年のシアトル・サウンダーズ在籍時にはMLS(メジャー・リーグ・サッカー)で31試合17得点13アシストの活躍を見せるなど、実力を示した。

 2016年から中国の上海申花に在籍している同選手は、最終的に2018シーズンまで同クラブでプレー。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)などにも出場している。2019年からは所属クラブがなく、フリーの身となっている。同選手は現在35歳。さすがに全盛期ほどのスピードはないが、話題性は十分にあるはずで、ぜひJリーグで見てみたい選手の一人だ。