2月19日に開催されたチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦1stレグのアタランタ対バレンシア戦が、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大するきっかけとなった可能性が指摘されている。伊紙『マッティーノ』、『トゥットスポルト』など複数メディアが伝えた。

 今季クラブ史上初のCL出場を果たしたアタランタは、初の決勝トーナメントにも進出。本来の本拠地は改修中のため、クラブ初のCL決勝トーナメントとなる試合はミラノのスタディオ・サン・シーロを借りて行われ、アタランタが4-1の快勝を飾った。その後、2ndレグでもバレンシアを破ったアタランタは準々決勝へ駒を進めている。

 試合が開催された2月19日の時点では、コロナウイルスの感染は発生地の中国で広がっていたものの、イタリアではまだわずかな感染者しか確認されていなかった。だがその後イタリアは最悪の感染拡大地のひとつとなり、現在では死者数が中国をも上回る事態となっている。

 アタランタ対バレンシア戦がウイルス拡散に繋がった可能性は当初から報じられていた。試合のためバレンシアからイタリアを訪れたファンや記者の感染が確認され、死亡者も出た。バレンシアのクラブ内でも感染が広がり、今月17日にはトップチームの「35%」から陽性反応が検出されたと発表。サッカークラブでは最大規模の感染者数となっている。

 だがイタリア紙では、必ずしもウイルスがイタリアからスペインへ拡散したのではなく、その逆であった可能性も指摘されている。スペインでは、この試合より前の2月13日にバレンシアで死去した男性が、ウイルス感染による同国最初の死亡者であったことが3月3日になってから死去後の検査で確認された。

 ミラノのあるロンバルディア州や、その中でもアタランタの本拠地であるベルガモは、特にウイルス感染が爆発的に広がった地域。サン・シーロに4万5000人以上のファンが集まり、クラブにとって歴史的な夜に熱狂したことが、その後の感染拡大に繋がったとの見方もある。

「クラブの歴史の中で初めて味わうシーズンに、集団的な興奮が頂点に達した。何千人もの人々が集まり、それぞれ2cmの間隔で熱狂し、叫び、抱き合った。それがウイルス拡散に繋がった可能性もある」と免疫学者のフランチェスコ・レ・フォーケ氏は見解を述べている。