GK

 プレミアリーグ発足後、一度も優勝できていないリバプールが頂点に肉薄した1年がある。ラファエル・ベニテス監督が率いていた2008/09シーズン、スティーブン・ジェラードとフェルナンド・トーレスという最強コンビを擁したチームは38試合で77得点という爆発的な攻撃力を発揮した。ところが年間2敗、勝ち点86を積み重ねても黄金期を謳歌するマンチェスター・ユナイテッドの3連覇を阻止できず。今回、フットボールチャンネルではアグレッシブで魅力溢れるサッカーを展開しながら、わずか4ポイント差に泣いた2008/09シーズンのリバプールの主力メンバーを紹介していく。

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ペペ・レイナ(スペイン代表)
生年月日:1982年8月31日(当時26歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:38試合出場/27失点

 スペイン代表では絶対的な地位を築くイケル・カシージャスの控えだったが、リバプールでは不動の守護神として君臨していた。リーグ最多77得点の攻撃力を発揮した一方、3番目に少ない27失点という堅守を支えたのはレイナの活躍があってこそ。ビッグセーブのみならず、的確なビルドアップでも後方からチームを支えた。PKストッパーとしても知られ、底抜けに明るい性格でロッカールーム内のムードメーカーとしての一面もある。2020年1月、アストン・ヴィラへ移籍して6年半ぶりのプレミアリーグ復帰を果たした。

DF

アルバロ・アルベロア(スペイン代表)
生年月日:1983年1月17日(当時26歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:29試合出場/1得点2アシスト

 リバプール在籍は2シーズン半と短かったが、攻守に堅実なプレーで右サイドを支えた。EURO2008ではスペイン代表の優勝メンバーの1人で、2008/09シーズン終了後には古巣レアル・マドリーへ移籍することとなる。2017年の現役引退後はマドリーのアンバサダーとして活動している。

ジェイミー・キャラガー(イングランド代表)
生年月日:1978年1月28日(当時31歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:38試合出場/0得点2アシスト

 2013年の現役引退までリバプール一筋。闘争心溢れるプレーで2000年代のディフェンスラインを支えた。この時期、センターバックの相方はダニエル・アッガーやマルティン・シュクルテルが務めていたが、若く安定感に欠ける2人をサポートしつつゴール前に強大な壁として君臨。シーズン27失点の堅守を実現した立役者の1人だ。現在は英『スカイ・スポーツ』の名物解説者として、宿敵マンチェスター・ユナイテッド出身のガリー・ネビルと日々舌戦を繰り広げている。

マルティン・シュクルテル(スロバキア代表)
生年月日:1984年12月15日(当時24歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:21試合出場/0得点2アシスト

 中盤戦に負傷で長期離脱を強いられたが、デンマーク代表のダニエル・アッガーとハイレベルなポジション争いを繰り広げ、ライバルより多くの試合でジェイミー・キャラガーの相棒を務めた。安定感には欠けるものの、空中戦や対人の強さはリーグ屈指で、とにかく激しいプレーが持ち味。35歳になった現在はトルコのイスタンブール・バシャクシェヒルでディフェンスラインの要を担っている。

ファビオ・アウレリオ(元U-23ブラジル代表)
生年月日:1979年9月24日(当時29歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:24試合出場/2得点4アシスト

 ラファエル・ベニテス監督がバレンシア時代から寵愛してきた超攻撃型サイドバック。守備に難を抱えていたものの、左足から繰り出される豪快かつ正確無比なキックで存在感を発揮した。特に思い切り左足を振り抜いてのフリーキックの威力は抜群だった。2009年にブラジル代表から初招集を受けるも、怪我のため試合に出場できず。こういったエピソードに象徴されるようにキャリアを通して怪我が多く、2014年に母国グレミオでのプレーを最後に惜しまれつつ現役から退いた。現在は代理人として活動し、昨夏レアル・マドリーへ移籍した逸材ロドリゴ・ゴエスらをサポートしている。

MF

ハビエル・マスチェラーノ(アルゼンチン代表)
生年月日:1984年6月8日(当時25歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:27試合出場/0得点1アシスト

 バルセロナで活躍する前のマスチェラーノは、守備専業のセントラルMFだった。ただ、彼が中盤でボールを狩り続けることによって、シャビ・アロンソやスティーブン・ジェラードが攻撃に専念できていた一面もある。チームのバランスを保つ上で不可欠な人材だった。35歳になった現在は母国アルゼンチンに戻り、代表で共に戦ったファン・セバスティアン・ベロン会長が引っ張るエストゥディアンテスでプレーしている。

シャビ・アロンソ(スペイン代表)
生年月日:1981年11月25日(当時27歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:33試合出場/3得点5アシスト

 右足から繰り出される美しいロングフィードは、幾度もビッグチャンスを演出した。ハビエル・マスチェラーノが守備のタスクを全うすることで、シャビ・アロンソはより攻撃的に振る舞えるようになって輝きを増し、シーズン終了後にレアル・マドリーへと移籍することになる。その後はバイエルン・ミュンヘンでペップ・グアルディオラの指導も受け、2017年に現役を引退。現在は古巣レアル・ソシエダでBチームの監督を務めている。

 YouTubeで公開されている『The Coaches' Voice』の動画の中で、彼は充実していたリバプール時代について「僕たちのサッカーは非常に強度が高く、スティービー(ジェラード)とフェルナンド・トーレスのコンビネーションも非常にうまくいっていて、本当に素晴らしいサッカーをしていた。僕とマスチェラーノの関係も良かった。キャラガーやアッガーもいい働きをしていたし、アルベロアやアウレリオといった競争力の高いサイドバックもいた。リエラやカイトのプレー強度も高く、バランスの取れたチームだったと思う。僕たちはどんな相手でも倒すことができた」と振り返っていた。

ディルク・カイト(オランダ代表)
生年月日:1980年7月22日(当時28歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:38試合出場/12得点9アシスト

 本来はストライカータイプの選手だが、リバプールでは右サイドが定位置だった。尽きることのないスタミナでピッチを所狭しと駆け回り、攻撃にも守備にも顔を出す。チャンスメイクのみならず、自らゴール前に飛び込んでのフィニッシュも一級品だった。2012年にリバプールを退団した後は、トルコのフェネルバフチェを経て母国オランダの古巣フェイエノールトに戻り、2016/17シーズンにはキャプテンとして18年ぶりのリーグ優勝に貢献。最終節でハットトリックを決めた3日後に現役引退を表明した。現在はフェイエノールトU-19の監督として後進の育成に従事している。

スティーブン・ジェラード(イングランド代表)
生年月日:1980年5月30日(当時29歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:31試合出場/16得点11アシスト

 トップ下が定位置になったことで、よりゴール前の決定機に絡めるようになって自身最多のリーグ戦16得点を挙げ、プレミアリーグ得点ランキングでも3位に入った。フェルナンド・トーレスとのコンビネーションも猛威を振るい、針の穴を通すようなスルーパスでスペイン人ストライカーのゴールを何度も演出。短い期間ではあったが、2人の時代とも言えるキャリア最高の時期を過ごした。LAギャラクシーでプレーしていた2016年に現役を引退すると指導者の道へ。2017/18シーズンには古巣リバプールのU-18で監督を務め、2018年夏からはスコットランドの名門レンジャーズの監督として辣腕を振るっている。カリスマ性は磨かれるばかりだ。

アルベルト・リエラ(スペイン代表)
生年月日:1982年4月15日(当時27歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:28試合出場/3得点4アシスト

 エスパニョールで評価を高め、夏の移籍市場最終日に加入した左利きのスペイン代表アタッカー。プレーに波があり、定位置を掴みきれなかったが、大柄で献身的なスタイルで左サイドの主戦をになった。2009年3月22日のアストン・ヴィラ戦、ペペ・レイナからのパントキックを左足ハーフボレーで豪快に叩き込んだゴールがハイライト。キャリア晩年は怪我にも悩まされ、ギリシャ、トルコ、イタリア、スペイン、スロベニアのクラブを渡り歩いて2016年夏から無所属に。そして2018年1月、正式に現役引退を表明した。その後、指導者として欧州最高位のUEFA PROライセンスを取得し、ロシアに設立した「アカデミア・フッチボウ・リエラ」を拠点に活動している。

FW

フェルナンド・トーレス(スペイン代表)
生年月日:1984年3月20日(当時25歳)
2008/09シーズンリーグ戦成績:24試合出場/14得点5アシスト

 度重なるハムストリングの負傷に悩まされながら、リーグ戦24試合で14得点という好成績を残した。爆発的なスピードと巧みな駆け引きを生かしたラインブレイクでプレミア屈指のストライカーとなり、スティーブン・ジェラードとのコンビで一時代を築く。2019年夏にJリーグのサガン鳥栖で現役を引退し、現在はフィットネス事業などを展開する。

 先日、古巣リバプールの企画で現役時代のチームメイトからベストイレブンを選出したが、その中には当時ともにプレーしたジェラードや、ハビエル・マスチェラーノとシャビ・アロンソの「最高のコンビ」が含まれていた。特にジェラードについては「僕の憧れだった選手。どんなシステム、相手でも僕にとってのキープレーヤーだった。何度も言ってきたけど、一緒にプレーした中で最高の選手だよ」と振り返っていた。

フォーメーション

▽GK
ペペ・レイナ

▽DF
アルバロ・アルベロア
ジェイミー・キャラガー
マルティン・シュクルテル
ファビオ・アウレリオ

▽MF
シャビ・アロンソ
ハビエル・マスチェラーノ
ディルク・カイト
スティーブン・ジェラード
アルベルト・リエラ

▽FW
フェルナンド・トーレス