15位:ベルギーが生んだモンスター

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:ロメル・ルカク(ベルギー代表/インテル)
生年月日:1993年5月13日(26歳)
市場価格:6800万ユーロ(約81.6億円)
今季リーグ戦成績:25試合出場/17得点2アシスト ※5月2日時点

 マンチェスター・ユナイテッドでは不完全燃焼に終わった印象の強いロメル・ルカクだが、今夏に移籍を果たしたインテルでは復活を遂げつつある。アントニオ・コンテ監督の下で主力に定着したベルギー代表FWは、ラウタロ・マルティネスとともに強力な2トップを形成し、ここまでリーグ戦25試合で17得点と好成績を記録中。名門再建に向けての重要人物となっており、イタリアの地で持っている力のすべてを発揮していると言えるだろう。

 そんなルカクだが、CFとして多くの武器を兼ね備える選手と言える。特筆すべきは身長191cm・体重94kgという恵まれた体躯を活かした強靭な「フィジカル」。単純なぶつかり合いではほとんど負けず、その鋼のような肉体を武器にした「空中戦」の強さや相手を寄せ付けないポストプレーの上手さも併せ持っている。この点に関しては世界トップクラスと見て間違いなく、「フィジカル」の数値は「94」と最高評価になった。

 それでいてシュートセンスも抜群で、その巨体からは想像できない「スピード」もあるのが同選手の恐ろしいところだ。ボールを収めるだけでなく、裏へ抜けたりサイドに流れて1対1を仕掛けるなど、「フィジカル」に頼りきらない動きを見せることできるのも、ルカクがCFとして大きな評価を得ている所以。まさに「怪物」である。

 すでにベテランのような風格を漂わせるベルギー代表FWだが、実はまだ26歳。選手として今後も成長を続けていくのは明らかで、インテルでの活躍が継続されるようであれば、同ランキングでさらに上位へ食い込むことも可能となるはずだ。

14位:イングランドの未来を担う若き才能

FW:マーカス・ラッシュフォード(イングランド代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1997年10月31日(22歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
今季リーグ戦成績:22試合出場/14得点4アシスト ※5月2日時点

 マンチェスター・ユナイテッドのアカデミー出身であるマーカス・ラッシュフォードは、2015/16シーズンにトップチームデビューを果たしている。その後、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)のデビュー戦でゴールを挙げるなど世界を驚かせ、メキメキと成長を果たした同選手は昨季、クラブの伝統ある「背番号10」を継承。文字通りの「エース」となり、クラブだけでなくイングランド代表の未来を担う存在としても大きく期待されている。

 22歳にしてワールドクラスの輝きを放つラッシュフォード。そんな同選手の最大の武器は「スピード」にある。単純な競争ではほとんど負けず、相手の背後を一瞬で突くことを可能としている。また、その「スピード」を活かしたまま発揮する「ドリブル」の切れ味も抜群。とくに緩急の使い方が巧みで、派手なフェイントを使わずともDFを剥がすことができる。CFとしてだけでなく、ウィンガーとしても非常に優秀な選手だ。「スピード」は最高評価の「92」、「ドリブル」は「85」という数値になった。

 また、シーズンを重ねるごとにシュート精度も向上。2017/18シーズンはリーグ戦7得点、昨季は同10得点であったが、今季はすでにリーグ戦で14得点を記録中と、数字にもしっかりと成長の跡が刻まれている。決定力等を対象とした「攻撃力」は「85」という数値になったが、このあたりは今後も伸ばしていくことが可能となるだろう。「IQ」も同様。オフ・ザ・ボール時の動きなどはまだまだ磨くことができるはずだ。

 22歳にしてユナイテッドの「10番」を背負うラッシュフォード。そのプレッシャーは計り知れないものがあるが、それを跳ね除けながら結果を残すことができるのはさすがと言うべきか。今後の更なる飛躍に期待したい。

13位:レアル不動の「9番」

FW:カリム・ベンゼマ(元フランス代表/レアル・マドリード)
生年月日:1987年12月19日(32歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/14得点6アシスト ※5月2日時点

 レアル・マドリードにクリスティアーノ・ロナウドが君臨していた時期は、いわゆる“黒子役”としてスーパースターのサポートに回っていた元フランス代表のカリム・ベンゼマ。しかし、ポルトガル代表FWがクラブを去ってからは本来の「9番」の姿を取り戻し、昨季はリーグ戦21得点、今季もすでに同14得点を叩き出しているなど、ハイパフォーマンスを披露している。マドリー在籍は今季で11年目となるベンゼマだが、その存在感は確実に増していると言えるだろう。

「フィジカル」や「スピード」といった能力はずば抜けていないが、ベンゼマは非常にFWとしての質が高い選手である。「ドリブル」で局面を打開する力はもちろん、「テクニック」の高さを活かしてどんなに難しいボールでもいとも簡単に収めることができる。そしてシュートセンスの良さもあり、得点パターンも非常に豊富だ。

 これだけでも十分トップクラスの選手であるが、忘れてはならないのが味方を活かす上手さ。C・ロナウドのサポート役として存在感を発揮した通り、ベンゼマはオフ・ザ・ボール時の動きや正確な「ラストパス」でも違いを生み出すことができる選手で、このあたりの質は誰もが認めるところ。周りを活かす術を熟知していると言える。「IQ」は「80」、パスも「83」と高評価になった。

 好不調の波が激しい点は否めず、「メンタル」は数値がやや低めとなったが、それでもCFとしての能力は極めて高い選手と言える。まだまだマドリーには必要な存在であることは確かだ。

12位:インテルで覚醒した男

FW:ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表/インテル)
生年月日:1997年8月22日(22歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
今季リーグ戦成績:22試合出場/11得点3アシスト ※5月2日時点

 2018/19シーズンにラシン・クラブからインテルへ移籍した男は、イタリアの地で覚醒を遂げた。新天地1年目はリーグ戦27試合で6得点と不完全燃焼に終わったが、今季はすでに同11得点をマーク中。ロメル・ルカクとの2トップは破壊力抜群で、試合を重ねるごとに周囲からの評価もぐんぐん上昇している。そのパフォーマンスにはバルセロナを筆頭に多くのクラブが注目しているなど、今シーズンの活躍は目を見張るものがある。

 ラウタロ・マルティネスの能力値を見てみると、22歳ながら全体的に高い数値を記録していることがわかる。「スピード」、「ドリブル」、「テクニック」、「空中戦」とどれをとっても優秀で、「次代のアグエロ」と称されるゴールセンスも併せ持つなど「攻撃力」の高さも申し分ない。「パス」に関してはまだまだ伸ばしていく必要がありそうだが、CFとして比較的穴の少ない選手であると言えそうだ。

 そしてL・マルティネスの特徴として、「フィジカル」の強さが挙げられる。これは単純なぶつかり合いのみならず、身体の使い方が非常に上手いという意味だ。ボールの落下点を瞬時に判断し、相手DFより早く身体を入れて先にボールに触れる。またはキープする際に先に身体を当て、ボールを隠すといった技術が非常に優れている。もちろんこれは身体の使い方以外にも、“空間認知力”がなければできないこと。「フィジカル」だけでなく、「IQ」の高さがあるからこそ成り立つものであると言える。

 22歳ですでにこうした能力を兼ね備えているのは驚異的だが、同選手はここからますます成長を果たすことになるだろう。タイプ的にはやはりアグエロが理想となるが、その偉大な先輩をいつか越える日が訪れるのか。今後もアルゼンチン代表FWから目が離せない。

11位:伝統ある「10番」を背負うレフティー

FW:パウロ・ディバラ(アルゼンチン代表/ユベントス)
生年月日:1993年11月15日(26歳)
市場価格:9000万ユーロ(約108億円)
今季リーグ戦成績:24試合出場/7得点9アシスト ※5月2日時点

 パレルモで頭角を現し、2015年にイタリアの絶対王者であるユベントスに移籍したレフティー。当初はベンチを温める機会が多く、高額な移籍金に見合わないとして批判の的にされることも少なくなかった同選手であるが、徐々にフィットするとチームの攻撃の核と言える存在にまで成長を果たした。2017/18シーズンには、かつてロベルト・バッジョやアレッサンドロ・デル・ピエロらが身に付けた伝統ある背番号10を継承。現在もピッチ内のパフォーマンスはもちろん、甘いマスクでサポーターを虜にしている存在だ。

 パウロ・ディバラは非常にシュートセンスが高い選手。ボールを動かしてからフィニッシュに至るまでの一連の動作が非常に速く、相手DFが足を出す前にシュートを放つことができる。ただ足の振りが速いだけでなく、それを正確に枠に飛ばすことができるのもポイント。「テクニック」の高さが際立つと言える。

 そして局面を打開する「ドリブル」の切れ味にチャンスメーカーとしても力を発揮するなど「パス」の質も兼備。点を取るだけでなく、「9.5番」タイプとしても優秀なのが、ディバラの最大の特徴であるとも言える。「攻撃力」に関してももちろん高評価であり、FWとして果たすタスクの幅広さを考えても、やはりトップクラスのプレイヤーであることは確かだ。

 ユベントスでは現在、クリスティアーノ・ロナウドが絶対的選手として君臨している。そのため、ディバラの存在感が薄れてしまうこともあるのは事実。しかし、兼ね備える能力は主役の座を十分に奪える水準にある。マウリツィオ・サッリ監督の下で存在感を取り戻しつつあるが、これを継続させていきたい。