5位:元ドイツ代表MF

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

——————————

MF:トーマス・ミュラー(元ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1989年9月13日(30歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:25試合出場/6得点16アシスト ※5月4日時点

 今季でバイエルン・ミュンヘン在籍12年目を迎えたドイツ代表MFは、フランク・リベリが抜けたことで同チーム内における“最古参選手”となった。セルジュ・ニャブリの台頭やフィリッペ・コウチーニョの加入などもあり、ニコ・コバチ監督下では出場機会をやや減らした同選手であるが、今季途中より就任したハンジ・フリック監督の下では見事に復活。豊富な経験値と抜群の攻撃センスを武器に、ここまでリーグ戦25試合で6得点16アシストという申し分ない成績を収めている。一時は移籍の噂も流れたが、やはりドイツ王者には欠かせぬ存在と言えるだろう。

 そんなトーマス・ミュラーには、決して派手さはない。「スピード」や「フィジカル」は凡庸で、「ドリブル」と「パス」も質は低くないが飛び抜けたスキルを持っているわけではない。このあたりは他の並み居る攻撃的MFの中でも、やや見劣りすると言えるだろう。では、ミュラーは何がずば抜けて高い選手なのか。

 それは「IQ」であると言えるだろう。相手にとって嫌なスペースを瞬時に見つけ、そこに飛び込んでいくことができるセンスはもはや名人の域に達している。自ら得点を奪う能力ももちろん高いが、オフ・ザ・ボール時の動きで味方を活かす術も熟知しているのが恐ろしいところ。、トップ下のみならずCFとしても質の高いプレーを披露できるなど、この点に関しては世界トップクラスのものがあると見て間違いない。バイエルンで長年生き残ることができているのも、こうした能力の高さが一因と言える。

 ドイツ代表では“まさかの構想外”となったミュラーだが、まだまだトップレベルでプレーできるのは明らか。引き続きバイエルンでのパフォーマンスに注目していきたい。

4位:デンマークが生んだ天才

MF:クリスティアン・エリクセン(デンマーク代表/インテル)
生年月日:1992年2月14日(28歳)
市場価格:8500万ユーロ(約102億円)
今季リーグ戦成績:20試合出場/2得点2アシスト(トッテナム)
今季リーグ戦成績:4試合出場/0得点0アシスト(インテル)※5月4日時点

 デンマークが生んだ言わずと知れた「天才」は、長年トッテナムで印象的な活躍を見せてきた。組み立てから崩し、フィニッシュに関与し、あらゆる攻撃のグレードを高めるワールドクラスのMFは、昨季トッテナム史上初となるチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出に大きく貢献。クラブの歴史を変える立役者となった。そして今冬には、実に7年を過ごしたチームを離れ、インテルに加入。イタリアの地での新たな挑戦には、世界中が注目している。

 クリスティアン・エリクセンは非常に「テクニック」の高い選手だ。どんなに難しいボールでもいとも簡単に収めてしまう足下の柔らかさがあり、左右両足を巧みに使いこなしたキープ力にも長ける。そして、相手のDF陣を一瞬で崩壊へと導く高質な「パススキル」も兼備。ロング、ショート問わず正確性はピカイチで、ただ味方に届けるだけでなく、受け手側が次のプレーに移りやすいようなボールを送ることを可能としている。「テクニック」は「91」、「パス」は「90」とともに高評価になった。

「スピード」と「フィジカル」は凡庸だが、途中出場からでも試合の流れを読み取り、局面を打開できるなど「IQ」の高さも目立つ。「攻撃力」と「ドリブル」も「85」と高数値を記録しており、司令塔として申し分ない能力の持ち主であることを証明している。やはりワールドクラスのMFだ。

 ただ、今冬に移籍したインテルではまだ持ち味を発揮できておらず、やや苦戦。まだ加入して間もないとはいえ、能力のある選手なだけに、このままの状態で終わるのはもったいない。ここからパフォーマンスレベルを上げていくことができるか、注目だ。

3位:ビッグクラブ注目の逸材

MF:カイ・ハベルツ(ドイツ代表/レバークーゼン)
生年月日:1999年6月11日(20歳)
市場価格:9000万ユーロ(約108億円)
今季リーグ戦成績:22試合出場/6得点5アシスト ※5月4日時点

 ドイツ代表の未来を担うであろう逸材が、レバークーゼンで眩い輝きを放っている。昨季はリーグ戦で17得点を記録するなどチームのチャンピオンズリーグ(CL)出場に大きく貢献し、今季もここまでリーグ戦22試合で6得点5アシストを記録中と攻撃面で仕事を果たし続け、チームを活性化。その活躍ぶりはユベントスやリバプールといった強豪が獲得に興味を抱くほどだ。今後の動向含め、注目ポイントの多い選手であると言える。

 20歳の逸材であるカイ・ハベルツは、メスト・エジルを彷彿させるかのようなエレガントさと「テクニック」を持つ選手である。長い足を活かした柔らかいタッチで相手のプレスを無力化し、高質な「パス」や「ドリブル」でチャンスを生み出す。ここ最近はそれだけに留まらず、得点力の向上も目立つなどより恐ろしい選手へと変貌を遂げつつある。トップ下のみならず、サイドハーフやボランチとして機能するのも非常に魅力的だ。

 それでいて身長189cm・体重82kgという体躯の持ち主でもあり、ミヒャエル・バラックのような力強さと高さを誇る。そして「スピード」も十分と、まさに非の打ちどころがない選手である。20歳にしてこれだけ多くの武器を兼ね備えるハベルツは、まさに稀有な存在であると言えるだろう。推定市場価格9000万ユーロ(約108億円)という額も、納得がいく。

 多くの面で強みを持つハベルツは必然的に能力の平均値が伸び、20歳ながらAMFランキングのトップ5入りを果たした。ただ、まだまだ成長を続けていくのは明らかで、将来的に同ランキングのトップに君臨しても、何ら不思議ではない。

2位:赤い悪魔の新たな王様

MF:ブルーノ・フェルナンデス(ポルトガル代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1994年9月8日(25歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
今季リーグ戦成績:17試合出場/8得点7アシスト(スポルティングCP)
今季リーグ戦成績:5試合出場/2得点3アシスト(マンチェスター・ユナイテッド)※5月4日時点

 ポルトガルの強豪・スポルティングCPではまさに「王様」的な存在だった。抜群のオフェンスセンスを持つ25歳のMFはゴールとアシストの両方を大量生産し、リーガの年間MVPを2年連続で受賞。国内最大のスターとして大きく活躍していた。そんな同選手は今冬にマンチェスター・ユナイテッドに移籍しているが、新天地でも変わらぬ才能を発揮し、ここまでリーグ戦5試合で2得点3アシストと決定的な仕事を果たし続けている。「赤い悪魔の新たな王様」と言ってもいいほどのパフォーマンスだ。

 ブルーノ・フェルナンデスは圧倒的な「攻撃力」を誇る選手である。MFであるが、FW顔負けの決定力を持っており、セットプレーのキッカーも務めるなどキックの質も非常に高い。また、サイドハーフとしても輝くなど「スピード」と「ドリブル」の威力も申し分なく、ミスを恐れず継続して縦パスを送り届けるなど、中盤でありとあらゆる武器を発揮できる選手だ。「攻撃力」、「パス」、「テクニック」、「ドリブル」はすべて「85」越えと高評価になっている。

「フィジカル」や「空中戦」こそ飛び抜けた数値ではないが、守備への献身性もあるのがポイント。豊富な運動量を活かしてボールを追い続け、チャンスと見れば身体を投げ出してタックルも仕掛ける。技術面のみに頼らず、ディフェンスでも存在感を示すことができるのが、B・フェルナンデスが大きく評価される所以とも言えるだろう。「守備力」も他のAMFと比較すると高い数字になった。

 B・フェルナンデスを今冬の移籍市場における移籍金最高額で獲得したマンチェスター・ユナイテッドだが、結果的にそれは成功だったと言える。名門復活へのカギはこの男が握ることになるのかもしれない。

1位:アシスト製造マシーン

MF:ケビン・デ・ブルイネ(ベルギー代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1991年6月28日(28歳)
市場価格:1億5000万ユーロ(約180億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/8得点17アシスト ※5月4日時点

 AMFランキングでトップに輝いたのは、ベルギーが生んだ世界トップクラスの司令塔だ。ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で進化を続ける28歳のMFは、昨季こそ怪我の影響で本領発揮とはならなかったが、万全な状態で挑んだ今季はここまでリーグ戦26試合で8得点17アシストを記録中と大爆発。2018/19シーズンの鬱憤を晴らすかのようなパフォーマンスを見せており、再び世界へインパクトを与え続けている。

 ケビン・デ・ブルイネの最も飛び抜けている能力はやはり「パス」であると言えるだろう。単純なロング&グラウンダーパスの正確性はもちろんのこと、敵陣を切り裂くかのような勢いで放たれる縦パスの威力と精度も見逃せない。そしてなんと言ってもクロスだ。相手のディフェンスラインとGKの間に送り込む鋭く的確なクロスはもはや芸術作品。触れるだけでゴールに結びつくようなボールを“供給し続ける”ことができるのは、この男の恐るべき能力だ。「パス」の数値は圧巻の「95」となった。

 もちろん「テクニック」と「IQ」の高さも申し分なく、ロシアワールドカップで日本代表を敗退へと追いやったように「ドリブル」と「スピード」もある。「空中戦」はさすがに数値が落ちるが「フィジカル」を兼ね備えるなど、技術と身体能力の高さが見事に融合したまさに“完全無欠のMF”であると言える。AMFランキングのトップに立つのは妥当と言える結果ではないだろうか。

 プレミアリーグにおけるシーズン最多アシスト数はティエリ・アンリ氏が記録した「20」。デ・ブルイネならば、この数字を塗り替えることが可能となるはずだ。プレミアリーグの、そしてサッカー界の歴史に新たな1ページを刻む日を、今は心待ちにしたい。