20位:スペイン期待の若手

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

——————————

MF:ダニ・オルモ(スペイン代表/RBライプツィヒ)
生年月日:1998年5月7日(22歳)
市場価格:3150万ユーロ(約37.8億円)
今季リーグ戦成績:9試合出場/3得点3アシスト(ディナモ・ザグレブ)
今季リーグ戦成績:4試合出場/0得点1アシスト(RBライプツィヒ)※5月7日時点

 バルセロナの下部組織出身であり、クロアチアの名門であるディナモ・ザグレブでプロデビューを果たしたスペイン人MF。2019年に行われたU-21欧州選手権(EURO)ではスペイン代表の優勝に大きく貢献してその名を世界に轟かせ、同年11月にはフル代表への初選出も果たした今大注目の若手である。そんな同選手には多くのビッグクラブが興味を示していたというが、22歳の若手は今冬、ドイツのRBライプツィヒへ加入することを決断している。

 そんなダニ・オルモの長所は「ドリブル」にある。複数の相手に囲まれてもその状況を打破するキレ味と確かなボールコントロール力があり、簡単には止められないのが魅力的な選手だ。また、「スピード」も水準以上を誇っており、カウンター時などにもその威力を発揮。トップ下以外にもサイドハーフとしても優秀なプレイヤーであり、攻撃的なポジションであればどこでも対応可能という柔軟性も兼ね備えている。

 そしてキックの質も極めて高い。相手を引き付けてから繰り出すスルーパスや、サイドを駆け上がった際に放たれるクロスは抜群の精度を誇っており、味方のチャンスを演出することも可能だ。アタッキングサードでの仕事ぶりとそのクオリティの高さは、攻撃的MFとして非常にハイレベルと言えるのではないだろうか。

 得点力に関してはまだまだ上げていく必要がありそうだが、22歳と今後の成長には十分期待できる。ただその前に、まずはブンデスリーガという環境にいち早く馴染み、実力者が揃うRBライプツィヒでレギュラー奪取を果たしたい。

19位:コロンビアのエース

MF:ハメス・ロドリゲス(コロンビア代表/レアル・マドリード)
生年月日:1991年7月12日(28歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:7試合出場/1得点1アシスト ※5月7日時点

 ポルトやモナコで活躍し、コロンビア代表として出場した2014年のブラジルワールドカップで得点王に輝くなど、ワールドクラスの輝きを放ってきた実力屈指のレフティー。同大会でザックジャパンを粉砕した人物であり、2015年にはトヨタ自動車のCMにも出演するなど我々日本人にも非常に馴染みの深い人物である。そんなハメス・ロドリゲスだが、クラブでは大苦戦中。怪我の影響もあるが、ジネディーヌ・ジダン監督からの信頼を勝ち取るには至っておらず、今季もリーグ戦出場はわずか7試合に留まっている。非常に厳しい現状と言わざるを得ない。

 ただ、攻撃的MFとしての能力は確かなものがある。特筆すべきはその得点力の高さ。左足から放たれるシュートは抜群のパンチ力を誇っており、ペナルティエリア内外問わず確実に枠に飛ばしてくる精度の高さもピカイチだ。ブラジルW杯のウルグアイ代表戦で魅せた胸コントロールからの強烈なボレーシュートがあったように、観る者を魅了するゴラッソも多い。フィニッシュパターンも非常に多彩と、「攻撃力」の高さは明らか。数値は「86」と高評価になった。

 また、左足1本で違いを生み出す「パス」の質も高い。クロスの精度も超一級品であり、セットプレーのキッカーとしても非常に優秀な選手だ。もちろん「テクニック」にも長ける。ただ、圧倒的な「スピード」を誇っているわけではなく、ドリブラータイプでもない。そのため、マドリーではサイドで起用されるパターンもあるが、中央でプレーした方がより怖さを出せる選手と言えるだろう。

 ただ、ここ最近は怪我による離脱も多く、その点はマイナスポイント。そして能力の高さは確かだが、やはり継続して試合に出られないとなると、評価を上げるのは非常に難しくなってしまう。このままの状態が当面続くようならば、AMFランキングの圏外に落ちる可能性も否めない。

18位:PSGの新戦力

MF:パブロ・サラビア(スペイン代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1992年5月11日(27歳)
市場価格:2800万ユーロ(約33.6億円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/4得点4アシスト

 昨季の活躍は非常に印象的だった。スペイン代表MFであるパブロ・サラビアは、セビージャにおいてリーグ戦で13得点13アシストを記録するなど大爆発。キャリアハイを更新する活躍ぶりを見せ、ラ・リーガに旋風を巻き起こした。そんな同選手は、今季にパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍。ネイマールやキリアン・ムバッペを擁するフランス王者でレギュラー奪取を果たすのは至難の業であったが、ジョーカー的存在としてリーグ戦21試合で4得点4アシストの成績を収めるなど、まずまずの結果を残している。

 そんなサラビアだが、まず触れておかなければならないのがそのユーティリティー性。トップ下、インサイドハーフ、サイドハーフ、ウィングと幅広いポジションをすべてハイレベルにこなすことができる選手で、トーマス・トゥヘル監督もその点を非常に高く評価していた。「IQ」が非常に優れている選手と言えそうで、どのチームにとっても魅力的な存在であることは間違いない。

 そしてもう一つの武器は「パス」。長短問わず正確性が抜群なのはもちろんのこと、視野の広さを活かしたスルーパスや相手選手を欺くトリッキーなパスと種類も非常に豊富だ。クロスも高質で、ゴールに直結するようなボールを味方に送り届けることを可能としている。昨季にセビージャで13アシストを記録できたのは、まさにこうした能力が優れているからこそ。「パス」の数値は「83」と当然ながら高評価になった。

「守備力」や「空中戦」、「フィジカル」などの数値は落ちるが、攻撃的MFとしての完成度は非常に高いサラビア。悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇を目指すPSGにとって大きな戦力となったのは間違いなく、引き続きそのパフォーマンスから目が離せない。

17位:ドイツが生んだドリブラー

MF:ユリアン・ドラクスラー(ドイツ代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1993年9月20日(26歳)
市場価格:2400万ユーロ(約28.8億円)
今季リーグ戦成績:11試合出場/0得点5アシスト

 パブロ・サラビアに続き、パリ・サンジェルマン(PSG)からランクインを果たしたのは26歳のドイツ代表MFである。トップ下だけでなくサイドハーフやインサイドハーフをこなし、ここ最近はボランチ起用でも力を発揮するなどユーティリティー性が光る選手だ。ただ、そんな類稀な才能の持ち主でありながらPSGでは定位置を掴めず苦戦中。怪我の影響もあるがドイツ代表からも遠ざかりつつあるなど、難しい時期を過ごしている。

 ユリアン・ドラクスラーは「ドリブル」の上手さを持つ選手である。柔らかいボールタッチと緩急を巧みに使いこなした突破で相手陣を切り裂き、一気にチャンスへと結びつけることを可能としている。身長も185cmと大柄で、迫力も満点だ。ボールの置き所と間合いの取り方も上手く、カウンター時などにも威力を発揮。「ドリブル」の数値は「84」、「テクニック」も「86」とさすがの高評価となった。

 また、左右両足から放たれる精度の高い「パス」やクロスも武器の一つであり、今季もPSGでリーグ戦11試合の出場ながら5アシストを記録している。まだまだトップクラスのスキルがあるとは言い難いが、まだ26歳で今後さらに質を上げていくことに期待ができる。一方で課題は得点力。PSG在籍4年間でリーグ戦における最多得点数はわずか「4」に留まっている。この点に関しては今後、改善していく必要があると言えそうだ。

 確かな能力の持ち主であることは確かで、まだ26歳と今後の成長にも大いに期待できる。ただ、このままの状況が続くようならば、その才能は儚くも潰れてしまうだろう。まずは怪我による離脱を減らし、出場機会をコンスタントに得ることが求められる。

16位:バイエルンの新たなピース

MF:フィリッペ・コウチーニョ(ブラジル代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1992年6月12日(27歳)
市場価格:5600万ユーロ(約67.2億円)
今季リーグ戦成績:22試合出場/8得点6アシスト ※5月6日時点

「次代のブラジル代表を背負う期待の選手」と若き頃から注目を浴びていたフィリッペ・コウチーニョは、今季よりバイエルン・ミュンヘンに期限付きという形で移籍を果たした。レンタル元のバルセロナでは最適ポジションを最後まで見出せず、やや不完全燃焼に終わった同選手であるが、ドイツ王者では今季リーグ戦ここまで22試合の出場で8得点6アシストと一定の結果を残している。選手本人も「バイエルンで幸せ」とコメントするなど、充実したシーズンを送っていると言えるだろう。

 そんなコウチーニョの最大の武器は「ドリブル」だ。爆発的な「スピード」を誇っているわけではないが、繊細なボールタッチや足裏を使ったコントロールが冴えるなど、激しいプレスを的確に交わすことができる技術が詰まっている。また、カットインから放たれるミドルシュートは同選手の十八番と言っても過言ではない。フィニッシュは精度、威力ともに抜群で、一度ゾーンに入られてしまうと止めるのは非常に困難となる。恐ろしい選手だ。

 そして視野の広さも特徴的で、相手守備陣を一瞬で崩壊へと導くスルーパスの質も極めて高い。カットインからシュートと見せかけボールを味方に繋ぐといったアイデアもあるため、相手DFからすると読むのも非常に難しくなる。「空中戦」や「フィジカル」では数値を落とす同選手だが、オフェンスセンスは申し分ないと言えるだろう。「攻撃力」は「85」と高評価になった。

 ただ、能力の高い選手ではあるが、ゲームによってポジションの変更が多く見られるなど、コウチーニョ自身の最適ポジションが未だハッキリしていない印象が強い。それが原因なのか、好不調の波が激しい点は否めず。その点は大きなマイナス評価となっている。