5位:イングランドの新星

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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MF:ジェイドン・サンチョ(イングランド代表/ボルシア・ドルトムント)
生年月日:2000年3月25日(20歳)
市場価格:1億3000万ユーロ(約156億円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/14得点16アシスト ※5月8日時点

 ワトフォードやマンチェスター・シティの下部組織で経験を積み、2017年にボルシア・ドルトムントへ移籍を果たした若者は、瞬く間に世界的な選手へと成長を果たした。新天地1年目の2017/18シーズンこそリーグ戦出場は12試合に留まったものの、2年目にはブンデスリーガ全試合に出場し、12得点17アシストと爆発的な活躍。今季もここまでリーグ戦23試合で14得点16アシストを記録中と圧巻のパフォーマンスを披露している。イングランド代表のこれからを担う存在、そして未来のバロンドール候補にも挙げられる、恐るべき怪物である。

 そんなジェイドン・サンチョの武器は、常人離れした「スピード」を活かす「ドリブル」にある。ボールを持った状態でも単純な競争ではほぼ負けず、一瞬で相手DF陣を崩壊へと導く抜群のキレ味を誇っている。また、ただ縦に速いだけでなく、「テクニック」の高さを駆使した華麗なフェイントで相手のプレスを無力化することも可能。前にスペースがある時の怖さはもちろん、複数のDFに囲まれてもそこを打開できるほどの技術を持つのが、この男の恐ろしいところである。

 そしてサンチョの武器はこれだけに留まらない。左右両足から放たれる精度の高い「パス」も非常に魅力的だ。味方とパス交換しながら柔軟にポジションを動かし、視野の広さを活かしてズバズバと鋭い縦パスを送り込んでくる。クロスの質も申し分なく、味方が触るだけでゴールに結びつくような正確かつ鋭いボールを繰り返し送り届けることができる。ブンデスリーガ通算69試合の出場で37アシストの成績(5月8日時点)は、まさにこれらの能力が研ぎ澄まされているからこその結果。とても20歳とは思えない能力の持ち主だ。

 元イングランド代表MFであるオーウェン・ハーグリーブス氏は「かつてのネイマールのようだ。誰も彼を止めることはできない」とサンチョを絶賛していた。まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける20歳はもはや「誰にも止められない」のかもしれない。

4位:アルゼンチンのテクニシャン

MF:アンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1988年2月14日(32歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/7得点14アシスト

 アルゼンチンが生んだ世界屈指のテクニシャン。代表チームではもちろんのこと、レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドへの在籍を経てやって来たパリ・サンジェルマン(PSG)でも貴重な戦力として活躍しており、ネイマールやキリアン・ムバッペらとともに攻撃陣を大きく牽引している存在だ。今年で32歳と年齢的には若くないものの、今季リーグ戦で7得点14アシストの成績を収めるなど評価はぐんぐん上昇していくばかり。誰もが認める実力の持ち主である。

 細身なアンヘル・ディ・マリアは「フィジカル」や「空中戦」でこそ数値を落とす。しかし、「テクニック」と「ドリブル」に関しては世界トップクラスのものがあると見ていいだろう。左右両足で繰り出す柔らかいボールタッチはまったく無駄がなく、圧倒的な「スピード」を誇っているわけではないが、トリッキーな「ドリブル」で次々と相手を置き去りにしていくことができる。キープ力も当然ながら抜群。「ドリブル」は数値が「89」、「テクニック」は同「87」と高評価になった。

 そして左足から放たれる強烈なミドルシュートも武器に持つなど、得点力の高さがあるのも忘れてはならないポイント。ロシアワールドカップのフランス代表戦で沈めた、強烈なロングシュートを覚えている方も多いのではないだろうか。また、フリーキックのキッカーとしても優秀であり、味方の能力を引き出すことができるパスセンスも兼備。ディ・マリはまさに、前線で様々な仕事を果たす天才的プレーヤーと言える。

 ウィング以外にもトップ下、インサイドハーフ、そしてボランチとしても起用できるなど、ユーティリティー性も併せ持つディ・マリア。PSGにとって今後も必要不可欠な戦力となることだろう。

3位:ペップ・シティの中心的存在

MF:ベルナルド・シウバ(ポルトガル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1994年8月10日(25歳)
市場価格:1億ユーロ(約120億円)
今季リーグ戦成績:24試合出場/5得点5アシスト ※5月8日時点

 モナコでリーグ優勝やチャンピオンズリーグ(CL)・ベスト4進出に大きく貢献し、世界にその名を轟かせたポルトガル代表レフティー。2017年より所属しているマンチェスター・シティでもジョゼップ・グアルディオラ監督の戦術にすぐにフィットし、瞬く間に不動の存在となった。昨季はケビン・デ・ブルイネの長欠があり、インサイドハーフでの起用が増えるなど、新境地も開拓。チームにおけるその存在感と重要度は、シーズンを重ねるとともに着実に濃くなってきている。

 ベルナルド・シウバの特筆すべき能力は「ドリブル」である。爆発的な「スピード」を誇っているわけではないが切れ味は抜群で、独特な間合いを維持しながら相手を次々と交わしていくことが可能だ。もちろん縦に行く鋭さもあるが、右ウィングで出場した際には「ズバッ」という音が聞こえてきそうなカットインからフィニッシュに持ち込む。その威力と精度は他の並み居るアタッカーと比較しても飛び抜けたものがある。「ドリブル」は数値が「92」、「テクニック」も「92」と高評価になった。

 また、「パス」の質も極めて高いなど、チャンスメーカーとしても非常に優秀だ。ファーストタッチからボールを蹴り出すまでの動作に一切の無駄がなく、スムーズなテンポで味方を活かすことができる。もちろんクロスの精度も高い。そして、オフ・ザ・ボール時には効果的なランニングで味方にスペースを与える仕事もこなす。様々なポジションでプレーできる柔軟性も含め、「IQ」の高い選手であるとも言えそうだ。組み立て、崩し、フィニッシュのすべてで貢献できるワールドクラスの存在であることに、疑いの余地はない。

 身長173cmと小柄なB・シウバは「空中戦」でこそ数値を落とす。しかし「攻撃力」の高さはもちろん、「守備力」も他のウィンガーと比較するとまずまずの数値が出ており、能力値は全体的に申し分ないと言える。RWGランキングのトップ3入りは妥当な結果と言えるのかもしれない。

2位:エジプトが生んだ快速アタッカー

FW:モハメド・サラー(エジプト代表/リバプール)
生年月日:1992年6月15日(27歳)
市場価格:1億5000万ユーロ(約180億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/16得点6アシスト ※5月8日時点

 ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネとともにリバプールの強力な攻撃陣を牽引するエジプト代表FW。昨季はチームの14年ぶりとなるチャンピオンズリーグ(CL)制覇に大きく貢献し、個人としてはプレミアリーグの得点王に2年連続で輝くなど、圧倒的な輝きを放った。今季もリーグ戦でここまで16得点6アシストの成績を収めているなど、首位を快走するリバプールで申し分ない奮闘ぶりを見せる。フィオレンティーナやローマ時代から格段にレベルアップを果たした、ワールドクラスのアタッカーだ。

 エジプトが生んだ怪物の最大の武器は、なんと言っても「スピード」だ。加速力は申し分なく、ボールを保持した状態でも速さがまったく落ちない。単純な競争では負け知らずで、他の選手では追いつけないようなボールでも簡単に追いついてしまうほどの脚力を兼ね備えている。この点に関しては世界でもトップレベルのものがあると見ていいだろう。数値は「93」と当然ながら高評価になった。

 そして、プレミアリーグで2年連続で得点王に輝いた事実が示す通り、得点力の高さもある。角度のないところからでも確実に枠を捉えてくるシュート精度があり、右足での得点も決して少なくはないなど、ゴールパターンも非常に多彩。対峙するDFからすると、止めるのが非常に困難な選手だ。また、身長は175cmながら「フィジカル」の強さも兼備。簡単にボールを失わないキープ力があり、複数のDFに囲まれてもシュートコースをこじ開け得点に結びつけてしまうことも多々ある。WGとして非の打ちどころがない選手だ。

 誰もが認めるワールドクラスの存在であるモハメド・サラーは今季、3年連続のプレミアリーグ得点王を目指し奮闘している。過去にその偉業を達成したのは、アラン・シアラー氏とティエリ・アンリ氏の2人のみ。果たしてここに3人目の名が刻まれるのか。今後もサラーのパフォーマンスから目が離せない。

1位:頂点はやはりこの男

FW:リオネル・メッシ(アルゼンチン代表/バルセロナ)
生年月日:1987年6月24日(32歳)
市場価格:1億4000万ユーロ(約168億円)
今季リーグ戦成績:22試合出場/19得点12アシスト ※5月8日時点

 RWGランキングのトップに立ったのはやはりこの男だ。史上最多となる6度のバロンドール受賞を誇るサッカー界No.1プレーヤーのリオネル・メッシである。これまでに幾度となく名GKを葬ってきたレフティーは、まさに「神」の領域に達している存在。不可能だと思われたことを可能に変えてしまう、良い意味で常識が通用しない男である。今季は不調を囁かれながらも、リーグ戦では22試合で19得点12アシストを記録中と圧巻の活躍。この数字で低パフォーマンスと騒がれてしまうのが、彼の偉大さを物語っている。

 リオネル・メッシの能力値はすべてが異次元だ。「空中戦」と「守備力」は落ちるものの、「ドリブル」と「テクニック」、「パス」、「スピード」とどれを見ても他の選手を寄せ付けない飛び抜けた数値を記録している。人間離れしたボールコントロールとシュート精度も当然ながら抜群で、「攻撃力」=オフェンスセンスはほぼ満点である。もはやその左足に不可能という文字は似合わない。

 また、身長は170cmと小柄ながら、簡単にはぶつかり合いで負けない「フィジカル」の強さがある。どんなに大柄な選手と対峙しても体幹の強度を活かしてボールを死守し、反対に相手の重心をズラしてヒラリと交わしてしまう。そして、メッシは異次元な存在のため、多くのDFから“削られる”ことがあるが、それでもゴールへの意慾を失わないタフさと「メンタル」の強さもある。まさにスーパースターだ。

 元ブラジル代表MFのフェリペ・メロはアルゼンチンの『TyCスポーツ』で「代表で対戦した時、僕たちは順番に彼を蹴る必要があると話した」とメッシ対策を明らかにした。もちろん、ただ単にメッシを傷つけるためではない。そうでもしなければ、止められないという意味での発言だ。RWGランキングのトップは、この男以外考えられない。