10位:マンCの切り札

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

——————————

FW:リヤド・マフレズ(アルジェリア代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1991年2月21日(29歳)
市場価格:4800万ユーロ(約57.6億円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/7得点10アシスト ※5月11日時点

 2015/16シーズンにレスターの奇跡のプレミアリーグ優勝に大きく貢献し、世界にその名を轟かせたアルジェリア代表FW。2017年にはアフリカ年間最優秀選手賞も受賞した屈指の実力者である。そんなレフティーは、2018年よりマンチェスター・シティへ移籍。同クラブでは絶対的な主力というわけではないが、短い出場時間の中でも決定的な仕事を果たすことができる「切り札」的存在として活躍している。今季もここまでリーグ戦23試合で7得点10アシストを記録と奮闘中だ。

 そんなリヤド・マフレズ最大の武器は、やはり「ドリブル」にあると見ていいだろう。右ウイングを主戦場とする同選手は縦へ突破する威力はもちろん、利き足である左足を巧みに操ったカットインのキレ味も抜群だ。「スピード」もあるため、一度でも相手の重心を崩せればその時点で勝負あり。ボールを持った状態でもぐんぐんと「スピード」を上げ、一気にチャンスへと結びつけることができる。「ドリブル」の数値は「90」、「スピード」は同「85」とともに高評価となった。

 また、得点力の高さも見逃せないポイント。左足から放たれるシュートはインパクト抜群で、狭いコースを的確に射抜く精度もある。特にカットインからファーサイドを狙って繰り出されるコントロールショットは同選手の十八番とも言える。そして、キックの質も高いというのがマフレズの恐ろしいところ。今季リーグ戦ですでに10アシストを記録しているように、味方のゴールを生み出すクロスの鋭さもピカイチだ。セットプレーのキッカーも務めるなど、このあたりがストロングポイントとなっているのは明らかである。

 一方で「守備力」と「空中戦」は大きく数値が低下。さらに好不調の波が激しい点は否めず、そのあたりもマイナスポイントとなった。ウイングとしての能力は確かなものがあるだけに、今後はさらに継続して結果を残していきたいところだ。

9位:覚醒したドリブラー

FW:セルジュ・ニャブリ(ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1995年7月14日(24歳)
市場価格:9000万ユーロ(約108億円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/11得点9アシスト ※5月11日時点

 アーセナルでプロデビュー後、ウェスト・ブロムウィッチやブレーメンなどへの移籍を経験したドイツ代表FWは、2017年に加入したバイエルン・ミュンヘン(加入1年目はホッフェンハイムへレンタル)でついに覚醒した。昨季はリーグ戦でロベルト・レバンドフスキに次ぐ10得点をマークすると、今季はリーグ戦ですでに11得点9アシストを記録中。シーズンを重ねるごとに存在感は着実に増しており、現在の推定市場価格は9000万ユーロ(約108億円)にも上っている。もはやこの勢いは誰にも止められない。

 ウイングだけでなくCFとしても機能するセルジュ・ニャブリ。そんな同選手の最大の武器は「ドリブル」だ。爆発的な「スピード」を活かしたまま発揮される突破力は相手陣をズタズタに切り裂く抜群の威力を誇っており、迫力も申し分ない。身長175cmながら「フィジカル」でも簡単に負けず、縦に抜けても中に切り込んでも怖さを発揮できる存在だ。細かいタッチも駆使するなど「テクニック」の高さも目立ち、ストップさせるのがなかなか難しい選手である。

 そして近年は得点力も著しく向上。右足から放たれるシュートはボールを叩き潰さんとばかりのインパクトを誇っており、ペナルティエリア内はもちろんのこと、エリア外からでも果敢にゴールを狙ってくる。「ドリブル」のキレ味や「スピード」が優れるなどウインガーとしての怖さが際立つのはもちろんのこと、ボックス内での勝負強さや嗅覚が光るのも、同選手が大きく評価される要因と言える。「攻撃力」が極めて高い選手と断言できるのではないか。

 一方で改善していく必要があるのは「パス」だろうか。質が大きく下がるわけではないが、やや強引にボールをはたいてしまう場面も少なくはなく、クロスも含め精度はもう少し上げていくことが求められる。24歳の今後の更なる成長に期待したい。

8位:アーセナルの新たな武器

FW:二コラ・ペペ(コートジボワール代表/アーセナル)
生年月日:1995年5月29日(24歳)
市場価格:6500万ユーロ(約78億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/4得点6アシスト ※5月11日時点

 昨季、フランスのリールでリーグ戦22得点11アシストを記録する活躍を見せ、瞬く間に世界から注目されたコートジボワール代表アタッカー。そんな同選手は昨年夏、アーセナルに移籍することを決断している。移籍金はクラブ史上最高額となる7200万ポンド(約94億円)とされており、ピエール=エメリク・オーバメヤンやアレクサンドル・ラカゼットと並んで、チームの攻撃を牽引する存在として大きな注目を浴びている。

 アーセナルの「新兵器」である二コラ・ペペは爆発的な「スピード」を誇る選手である。ボールを持ってもその速さはまったく落ちず、“よーいドン”ではほぼ負け知らずと言えるだろう。そして、その「スピード」を維持したまま繰り出す「ドリブル」もまた魅力的。縦に抜け出す速さは当然ながら、相手を一瞬で振り切るカットインの鋭さも抜群だ。キープ力にも長けるなど「テクニック」の高さも目立ち、ウイングとしての能力は24歳にしてすでに申し分ないものがあると言える。

 そして、シュートセンスの良さも忘れてはならないポイント。ペペは少年時代にGKとしてプレーしており、その経験は現在も相手GKの動きを理解する上で貴重なものになっていると選手本人が話していた。そのため、ただ力任せにシュートを放つのではなく、相手GKの嫌なところにボールを蹴り込むことが可能となっているのだ。もちろん、動きを読むだけでなく、キックの質も高くなければこうした強みは発揮できない。左足の繊細さも、同選手がゴールとアシストを多く稼ぐことができる要因となっている。

 ただ、ペペは現在プレミアリーグという舞台に馴染むのに精一杯。今季リーグ戦ではここまで26試合で4得点6アシストと、期待値には程遠い内容に終始している。批判の的にされることも少なくはない。しかし、先述した通りウイングとしての能力は非常に高いため、今後の活躍に注目したいところだ。

7位:RBライプツィヒの中心的存在

MF:マルセル・ザビツァー(オーストリア代表/RBライプツィヒ)
生年月日:1994年3月17日(26歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:25試合出場/8得点6アシスト ※5月11日時点

 若き智将ユリアン・ナーゲルスマンが指揮官に就任したことで、ますます注目度が高まりつつあるRBライプツィヒ。そんな同チームにおいて中心的存在として活躍しているのが、このマルセル・ザビツァーである。オーストリアの年間最優秀選手賞にも輝いた実績を持つ同選手は今季、チャンピオンズリーグ(CL)という大舞台でも存在感を強めており、ラウンド16の2ndレグではトッテナムから2ゴールを奪ってクラブ史上初となるベスト8入りの立役者となった。その活躍ぶりにはアーセナルやトッテナムが注目するなど、今ノリに乗っている存在だ。

 ウイングだけでなく、トップ下やインサイドハーフも務めることができるザビツァーは、チャンスメークに長ける選手である。「パス」は長短問わず正確で、味方の動きを見逃さずピンポイントでボールを送り届けるクロスの精度もピカイチだ。キープ力も抜群で、一度足下にボールを収め、相手を一枚剥がしてから味方を活かすことも可能である。ミドルシュートの威力も抜群と、キック精度に関しては目を見張るものがあると言えるだろう。

「スピード」は飛び抜けたものではないが、「ドリブル」のキレ味は確かなものがある。広がっているスペースへ果敢に飛び込んでいけるため、チーム全体のラインをグッと押し上げることも可能だ。そして、ここ最近は得点力もしっかりと向上。今季はすでにリーグ戦で8得点を記録しているが、これはドイツ・ブンデスリーガにおけるキャリアハイを更新する勢いである。ますます怖い存在となってきているのは、明らかだ。

「ドリブル」、「パス」、シュートのすべてに長けるザビツァー。それでいてオフ・ザ・ボール時の動きが冴え、ライプツィヒには欠かせないハードワークも怠らないなど、非常に穴の少ない選手であるがわかる。“派手さ”という意味では他の並み居るアタッカーの選手にやや劣るが、間違いなくワールドクラスの存在だ。

6位:プレミア参戦が決まったテクニシャン

MF:ハキム・ツィエク(モロッコ代表/アヤックス)
生年月日:1993年3月19日(27歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/6得点13アシスト

 オランダの名門アヤックスで印象的なパフォーマンスを見せ続けているモロッコ代表MF。昨季はチームのチャンピオンズリーグ(CL)・ベスト4進出に大きく貢献し、今季もリーグ戦で21試合6得点13アシストの成績を残すなど、攻撃面で絶大な存在感を放って評価をぐんぐん高めている選手だ。そんなレフティーは、来季よりチェルシーでプレーすることが決定。移籍金は4000万ユーロ(約48億円)とされている。同選手にとって初のプレミアリーグ参戦となるが、世界最高峰の舞台でどのような活躍を見せるのかは、今から大きな注目ポイントとなっている。

 ハキム・ツィエクは、その左足でボールに魔法をかけることができる。なかでも「パス」の精度は特筆すべきものがある。鋭くそして正確なクロスは常に相手の脅威となっており、今季リーグ戦で残した13アシストという数字が示す通り、ゴールに直結するようなラストパスが非常に多いのが魅力的だ。また、精度と速さともに完璧なサイドチェンジはもはや芸術作品そのもの。ワンステップで反対サイドへボールを届けるキック力も、見落としてはならない能力の一つと言える。

 そして「テクニック」の高さも圧巻。左足を巧みに使いこなしたコントロール力は世界でもトップクラスのものがあり、複数人に囲まれても細かなタッチでボールを躍らせ、その状況を打破することができる。まさにテクニシャンだ。また、思わず声が出てしまうビューティフルゴールも多いのが特徴的。どんなに角度がない場所からでも確実に枠を捉えてくるシュートセンスの良さが光り、コースそしてボールスピードともに完璧なのがなんとも恐ろしいところ。「攻撃力」が際立っている存在と言えそうだ。

 ここ最近は攻撃面での活躍だけでなく、守備への意識も高まるなど、ますます魅力的な選手へと成長を果たしたツィエク。プレミアリーグに参戦するにあたり、「フィジカル」面は向上させていかなければならないが、チェルシーにとって大きな戦力となったのは間違いない。