中盤の要になるはずが…

 1993年の開幕から28年目を迎えたJリーグでは、数多くの外国籍選手がプレーしてきた。活躍した選手もいる中で、期待を大きく裏切って帰っていった選手も少なくない。今回フットボールチャンネル編集部では、浦和レッズで活躍できなかった外国籍選手を5人紹介する。

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ドニゼッチ(元ブラジル代表)

生年月日:1968年2月21日(52歳)
在籍期間:2001年
J1通算成績:7試合出場/0得点

 ブラジル全国選手権1部の強豪クラブを渡り歩き、グレミオ時代の1990年から1991年やクルゼイロ時代の2000年などにブラジル代表招集経験もあるセントラルMF。来日時点で30代に突入していたが、J1復帰初年度の浦和では中盤の守備の要を担うと期待された。

 しかし、リーグ戦開幕直前に負傷。J1第4節の横浜F・マリノス戦で初先発を飾ったものの、その後も負傷続きでまともに稼働できず、わずか7試合の出場で2001年7月に浦和との契約を解除してブラジルへ帰国した。

 浦和退団後はブラジルの名門ヴァスコ・ダ・ガマでプレーしたが、ほとんど試合には出場できず。2003年1月にペルーのスポルティング・クリスタルへ移籍し、その年限りで現役を引退した。

●2001年1stステージ第4節:横浜F・マリノス戦の先発メンバー

▽GK
西部洋平

▽DF
山田暢久
井原正巳
西野努
内舘秀樹

▽MF
石井俊也
阿部敏之
ドニゼッチ
小野伸二

▽FW
アドリアーノ
トゥット

ヴェルディでは救世主だったが…

エジムンド(元ブラジル代表)

生年月日:1971年4月2日(49歳)
在籍期間:2003年
J1通算成績:31試合出場/18得点

 セリエAやブラジル代表で実績を積み上げた“野獣”は、2001年のシーズン途中に来日して東京ヴェルディを奇跡的なJ1残留に導いた。2002年もヴェエルディのエースとして献身的なパフォーマンスで16得点を挙げる活躍を披露した。

 そして契約更新時に年俸面で折り合いがつかずヴェルディを退団すると、2003年からは浦和を新天地に選ぶ。ところが、浦和では規律を重んじるハンス・オフト監督と衝突し、ヤマザキナビスコカップのグループリーグ2試合に出場したのみで、2003年3月末に退団することになる。リーグ戦の出場は1試合もなかった。

 浦和加入前にはオフト監督とも面談し、指揮官はエジムンド中心のチーム作りを計画していたが、選手本人の意思は覆らず。退団前にはメディアにも練習方法などへの不満を漏らしていたと言う。その年、トップ5に入ることを目標に掲げていた浦和は1stステージでも2ndステージでも6位に終わり、年間順位も6位に。シーズン途中に元ロシア代表DFユーリ・ニキフォロフの加入もあってヤマザキナビスコカップは獲得したが、不完全燃焼の1年になってしまった。

●2003年ヤマザキナビスコカップ・グループA第2節:東京ヴェルディ戦の先発メンバー

▽GK
山岸範宏

▽DF
坪井慶介
小林宏之
室井市衛

▽MF
山田暢久
鈴木啓太
内舘秀樹
三上卓哉
エジムンド

▽FW
エメルソン
永井雄一郎

クラブ史上2人目のアフリカ人選手し

ウィルフリード・サヌ(元ブルキナファソ代表)

生年月日:1984年3月16日(36歳)
在籍期間:2010年
J1通算成績:26試合出場/2得点
J2通算成績:13試合出場/2得点

 ドイツで7シーズンにわたってプレーし、ブンデスリーガ1部と2部で通算120試合以上の実績を誇るユーティリティプレーヤーにして、浦和史上2人目のアフリカ人選手だった。浦和にはフライブルク時代の恩師フォルカー・フィンケ監督の誘いを受けて加入する。

 元々はFWだったが、ドイツ時代に中盤へコンバートされてトップ下やサイドでプレーするようになり、フライブルクではフィンケ監督に右サイドバックとしても器用された。しかし、浦和でのデビュー戦は一度もやったことのなかった左サイドバック。宇賀神友弥の負傷により急きょ回ってきた初出場の試合でアシストも記録している。

 しかし、シーズンを通して負傷が多く、本来の攻撃的なポジションでの起用も少なく最後まで本領発揮には至らなかった。結局シーズン終了とともに期限付き移籍期間も満了となり、所属元のケルンに復帰する。

 ドイツに戻った後、2010/11シーズン後半戦はブンデスリーガ1部で3試合に出場してケルンを退団。その後は約7ヶ月の無所属期間を経て、2012年4月にJ2の京都サンガF.C.に加入する。日本で2つ目のクラブとなった京都には2シーズン在籍したものの、リーグ戦は通算13試合の出場にとどまり契約満了となると、そのまま現役を引退することとなった。

 結果的に浦和への移籍がサヌのキャリアにおける転落を加速させる一因となってしまったのかもしれない。

●2010年第7節:川崎フロンターレ戦の先発メンバー

▽GK
山岸範宏

▽DF
平川忠亮
山田暢久
坪井慶介
ウィルフリード・サヌ

▽MF
阿部勇樹
細貝萌
柏木陽介
ロブソン・ポンテ

▽FW
田中達也
エジミウソン

スペイン仕込みの決定力は…

ランコ・デスポトビッチ(元セルビア代表)

生年月日:1983年1月21日(37歳)
在籍期間:2011年〜2013年
J1通算成績:25試合出場/1得点

 2010/11シーズンにスペイン2部ジローナで18得点を挙げたセルビア代表ストライカーは、エースとしての期待を背負って2011年夏に浦和へやってきた。

 加入初年度はヤマザキナビスコカップで4得点を挙げて得点王に輝いたが、リーグ戦では無得点に。大柄で高さやパワーはあったが、体が重く、Jリーグのスピード感に合わせながら周囲との連係を築くことができずに苦しんだ。

 2年目の2012年も出場機会は限定的でリーグ戦11試合出場1得点。腰痛にも苦しめられて2013年は1試合も出番なく、夏に浦和を退団。同年11月にオーストラリア・AリーグのシドニーFCへ移籍した。スペイン2部でゴールを量産した実績がありながら、実際には決定力に欠け、浦和を退団後のキャリア終盤はほとんど目立った実績を残せなかった。

 シドニーFCでも1年でお払い箱となった後はスペインに戻って当時2部のアラベス、さらに当時3部のカディスやマルベジャでプレーしたのち2017年1月に現役を引退した。

●2011年第6節延期分:ヴァンフォーレ甲府戦の先発メンバー

▽GK
加藤順大

▽DF
高橋峻希
マシュー・スピラノビッチ
永田充
平川忠亮

▽MF
鈴木啓太
柏木陽介
マルシオ・リシャルデス

▽FW
エスクデロ・セルヒオ(エスクデロ競飛王)
原口元気
ランコ・デスポトビッチ

秘密兵器は秘密のままで…

ブランコ・イリッチ(元スロベニア代表)

生年月日:1983年2月6日(37歳)
在籍期間:2016年
J1通算成績:0試合出場/0得点

 スロベニア代表として64試合に出場し、2010年南アフリカワールドカップにも参戦した実績を持つ守備のマルチプレーヤー。浦和加入時はミハイロ・ペトロヴィッチ監督の独特なサッカースタイルに適したDFと期待されていた。

 しかし、蓋を開けてみればほとんど出場機会はなく、公式戦でピッチに立ったのはAFCチャンピオンズリーグの1試合だけだった。センターバックとサイドバックに対応する長身DFで、3バックの一角としてミシャサッカーの重要なピースになるはずが、負傷がちだったのも痛かった。

 結局1年で浦和を去ることになり、2017年2月に母国スロベニアの名門オリンピア・リュブヤナへと完全移籍。その後はデンマーク1部(当時)のヴェイレを経て、今季はスロベニア1部のドムジャレに在籍している。37歳を迎えてもいまだ現役だ。

●ACLグループリーグ第6節:浦項スティーラーズ戦の先発メンバー

▽GK
西川周作

▽DF
ブランコ・イリッチ
那須大亮
橋本和

▽MF
駒井善成
青木拓矢
柏木陽介
梅崎司
石原直樹
高木俊幸

▽FW
ズラタン・リュビヤンキッチ