昨季のリーグアシスト王

 2020シーズンのJ1は第1節終了時点で新型コロナウイルス感染拡大防止のために中断中だが、7月4日(土)に第2節の再開を迎える。フットボールチャンネルではシーズン前に移籍を決意した選手たちを紹介したが、ここで改めて掲載する。(2020年1月17日に掲載したもの)

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DF:永戸勝也(ながと・かつや)
生年月日:1995年1月15日(25歳)
昨季リーグ戦成績:30試合出場/2得点10アシスト
移籍先:ベガルタ仙台→鹿島アントラーズ

 2017シーズンにプロデビューを果たして以降、ベガルタ仙台で不動の地位を築き上げた25歳のDF。最大の武器は左足から放たれる正確無比なキックであり、果敢な攻撃参加から繰り出されるクロスやシュートなどで決定機を演出できる選手だ。さらに、仙台ではサイドバックやウイングバックのみならず3バック時の左CBでプレーすることもあるなど、自身の可能性を広げていた。まだ25歳と、今後の更なる成長にも期待できる。

 その永戸勝也は2019シーズン、リーグ戦30試合に出場するなど主力としてチームを牽引。アシスト数「10」は昨季のJ1リーグでトップとなる成績であった。さらに『Opta』によると、永戸は昨季リーグ戦で78本ものラストパスを繰り出したという。これも、リーグ最多となる数字だ。自身最大の武器を、遺憾なく発揮したと言えるだろう。

 そんな2019シーズンに大活躍を果たした永戸には数多くのクラブが興味を示していたという報道が出ていたが、今月3日、同選手の獲得を鹿島アントラーズが正式に発表している。鹿島は永戸と同じポジションを務めるDF杉岡大暉も獲得しており、このあたりの定位置争いは激しさを増しそうだ。永戸はその熾烈な競争に打ち勝ち、常勝軍団でも武器である左足で違いを生みだせるか。

清水不動のエースが神戸へ

FW:ドウグラス(ブラジル)
生年月日:1987年12月30日(32歳)
昨季リーグ戦成績:30試合出場/14得点5アシスト
移籍先:清水エスパルス→ヴィッセル神戸

 ブラジルのモト・クルブでプロ入りを果たしたレフティーが日本へやって来たのは2010年のこと。当時、得点力不足に悩んでいた徳島ヴォルティスへ期限付きで加入することになったのである。Jリーグに参戦したドウグラスは、加入1年目に22試合で4得点5アシストを記録。2013シーズンにはクラブのJ1昇格に大きく貢献している。その後、ドウグラスは京都サンガF.C.やサンフレッチェ広島でもプレー。広島在籍時にはリーグ戦21得点を挙げ、得点ランキング2位に輝いている。

 そんなブラジル人ストライカーが清水エスパルスに加入したのは2018シーズン途中のことだった。身体能力の高さと抜群の得点力を持つレフティーは、ヤン・ヨンソン監督の下でも主力としてプレー。清水での1年目を15試合11得点3アシストの成績で終える。そして迎えた昨季は、開幕当初こそ欠場する試合も多かったが、戦列復帰後はさすがのパフォーマンスを発揮し、最終的に14得点5アシストの成績を収めている。清水のJ1残留に大きく貢献したと言えるだろう。

 しかし、そんなドウグラスは来る2020シーズン、新たなチームでプレーすることになった。今月11日、ヴィッセル神戸がブラジル人ストライカーの獲得を正式に発表したのである。新天地では、昨季限りでの引退を発表したFWダビド・ビジャの抜けた穴を埋めるほどの活躍が求められるだろう。清水にとってこの移籍は大きな痛手となったが、神戸にとっては大きな戦力補強となったに違いない。

J屈指のアタッカー

MF:アダイウトン(ブラジル)
生年月日:1990年12月6日(29歳)
昨季リーグ戦成績:33試合出場/7得点0アシスト
移籍先:ジュビロ磐田→FC東京

 今年で29歳になったブラジル人MF。身長176cm、体重83kgという体躯を活かしたパワフルな突破は抜群の破壊力を持っており、高いシュート精度を武器に前線で相手守備陣を無力化することができるJリーグでも屈指のアタッカーだ。一度波に乗られると、止めるのは非常に困難なものとなる存在。ちなみにサポーターからは「アダちゃん」の愛称で親しまれている。

 アダイウトンがジュビロ磐田に加入したのは2015シーズンのこと。当時クラブはJ2を舞台に戦っていたが、同選手は圧巻のパフォーマンスを見せ、Jリーグ参戦1年目ながら17得点をマーク。見事、磐田の昇格に貢献した。その後も主力として磐田をけん引したアダイウトンは、J1の舞台でも躍動。昨季はクラブを残留に導くことはできなかったが、チーム最多となるリーグ戦7得点を記録していた。

 そのアダイウトンは、Jリーグ参戦以降初となる移籍を決断。昨年12月27日、同選手の獲得をFC東京が発表している。新天地で身に付ける背番号は、磐田在籍時と同じ「15」。FW永井謙佑、FWディエゴ・オリヴェイラらとどのような攻撃を繰り出すのかは、要注目である。クラブに悲願のリーグタイトルをもたらすことはできるか。

バルセロナのカンテラ出身

MF:イサック・クエンカ(スペイン)
生年月日:1991年4月27日(28歳)
昨季リーグ戦成績:29試合出場/6得点1アシスト
移籍先:サガン鳥栖→ベガルタ仙台

 スペインの名門・バルセロナの下部組織出身であるMF。2011年にはチャンピオンズリーグ(CL)・グループリーグ第3節のヴィクトリア・プルゼニ戦でトップチームデビューも果たしており、バルセロナの新たな「逸材」として注目を浴びていた存在だ。ジョゼップ・グアルディオラ監督も認めたMFは、2014年にバルセロナを退団後、デポルティーボ・ラ・コルーニャ、ブルサスポル、グラナダなどのチームを経て、昨季開幕前にサガン鳥栖へ加入している。

 大きな期待を寄せられながら鳥栖へ加入したクエンカは、開幕から数試合こそ出場時間を伸ばすことができなかったが、第6節で移籍後初スタメンを飾って以降は主力として活躍。スペイン仕込みの巧みなボールコントロールと柔らかいタッチを武器に攻撃陣を牽引し、リーグ戦ではチーム2位となる6得点を記録している。チームのJ1残留に大きく貢献したと言えるだろう。

 そのクエンカは先月29日、鳥栖からベガルタ仙台へ完全移籍することを発表している。同選手は仙台の公式サイトで「ベガルタ仙台ファミリーのみなさま、はじめまして。イサック・クエンカです。数多くの勝利をお届けし、2020年がすばらしいシーズンになるようにベストを尽くします」とコメントを残している。スペインで培った巧みなテクニックを武器に、仙台でも違いを作り出すか。注目だ。

湘南のハイタワーが名古屋へ

FW:山﨑凌吾(やまさき・りょうご)
生年月日:1992年9月20日(27歳)
昨季リーグ戦成績:31試合出場/5得点5アシスト
移籍先:湘南ベルマーレ→名古屋グランパス

 湘南ベルマーレで不動の地位を築き上げていた長身FW。ボールを収め、散らす技術が非常に高く、最前線で攻撃の起点となることができる選手だ。徳島ヴォルティスでの活躍を受け、湘南にやって来たのは2018シーズン途中のことだが、同選手は瞬く間にレギュラーの座を掴み、欠かせない存在に。加入1年目ながら、湘南のJ1残留に大きく貢献していた。

 2019シーズンも主力としてプレーした山﨑凌吾は、リーグ戦で5得点5アシストの成績を収めている。さらに、チームはリーグ戦を16位で終え、J1参入プレーオフ決勝へ回ることになったが、山﨑は古巣対決となった同試合でMF松田天馬のゴールをお膳立て。緊張感漂う試合で仕事をやってのけ、見事チームを2季連続のJ1残留に導いている。

 そんな山﨑は2020シーズンより新たなクラブでプレーすることを決断。同選手の獲得を発表したのは、名古屋グランパスであった。新天地での背番号は「17」に決定している。ここ最近はJ1リーグで下位に沈むことが多い名古屋であるが、湘南からやって来たレフティーはそんなチームを救い出すことができるか。FWジョーらとどのような連係を築くのかにも注目だ。