98/99シーズン

レッドデビルズ(赤い悪魔)の愛称を持つマンチェスター・ユナイテッドは、これまで数多くのタイトルを獲得している。そこにはデイビッド・ベッカム、ルート・ファン・ニステルローイ、ウェイン・ルーニー、クリスティアーノ・ロナウド、ロビン・ファン・ペルシーといったスター選手たちの活躍があった。印象的だったシーズンの歴史と記憶が刻まれたユニフォームを振り返っていきたい。
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UEFAチャンピオンズリーグ:優勝
プレミアリーグ:優勝
FAカップ:優勝
リーグカップ:準々決勝敗退

胸スポンサー:SHARP(シャープ)
サプライヤー:UMBRO(アンブロ)

 アレックス・ファーガソンがマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したのは1986年。92年のプレミアリーグ開幕から優勝、優勝、2位、優勝、優勝、2位と常に優勝争いをし続け、98/99シーズンにトレブル(3冠)を成し遂げた。

 ファイナルは3試合続けて行われた。まずは最終節に勝利してリーグ優勝。アーセナルとのデッドヒートを1ポイント差で制した。直後のFAカップ決勝でニューカッスルを2-0で破って国内2冠を決めたユナイテッドは、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝に臨んだ。

 ユベントスとの準決勝は劇的な逆転勝利だった。第2戦で序盤に2失点したが、ロイ・キーンとドワイト・ヨークのゴールで追いつくと、アンディ・コールの逆転ゴールで決勝への切符を掴んでいる。バイエルン・ミュンヘンとの決勝でも先制されたが、後半追加時間に2得点。「カンプノウの奇跡」と呼ばれる劇的な逆転勝利だった。

 20代前半のデイビッド・ベッカム、ライアン・ギグス、ポール・スコールズがチームの中心だった。マーク・ヒューズやエリック・カントナはすでにチームを去っていたが、「ファーガソンの雛鳥たち」と呼ばれるユース出身の選手たちが活躍している。前線ではヨークとコールがリーグ戦で35ゴールを挙げ、スーパーサブにはオーレ・グンナー・スールシャールが控えていた。

 このシーズン、ユナイテッドはクアドラブル(4冠)を達成している。日本で開催されたインターコンチネンタルカップに出場したユナイテッドは、ブラジルのパルメイラスに勝利し、20世紀最後の年に世界一に輝いた。そして、ここからユナイテッドはリーグ3連覇を成し遂げることになる。

02/03シーズン

UEFAチャンピオンズリーグ:準々決勝敗退
プレミアリーグ:優勝
FAカップ:5回戦敗退
リーグカップ:準優勝

胸スポンサー:Vodafone(ボーダフォン)
サプライヤー:NIKE(ナイキ)

 アーセナルが優勝した01/02シーズンは3位に終わり、ユナイテッドの連覇は3で止まった。胸スポンサーは00年にシャープからボーダフォンに変わり、02年にはユニフォームのサプライヤーがアンブロからナイキに変わっている。

 このシーズン、ユナイテッドは首位を走るアーセナルを猛追した。21節以降は無敗を続けたが、第35節のアーセナルとの直接対決は引き分け。しかし、アーセナルがその後の2試合で勝てず、3連勝でフィニッシュしたユナイテッドが逆転で覇権を奪回した。

 リーグカップは9年ぶりに決勝まで駒を進めたが、リバプールに敗れて準優勝。FAカップは5回戦でアーセナルに敗れた。レアル・マドリードとのCL準々決勝第2戦では、1点ビハインドの状況からベッカムが2得点を決めて逆転に成功したが、2戦合計スコアで下回っている。

 01年に当時のプレミア史上最高額の移籍金だったファン・セバスチャン・ベロンの獲得は失敗に終わったが、同時期に加入したルート・ファン・ニステルローイは大活躍を見せた。25ゴールを決めたファン・ニステルローイはライバルクラブのティエリ・アンリを抑えて得点王を獲得。02年夏に加入したリオ・ファーディナンドもリーグ優勝の原動力となっている。

07/08シーズン

胸スポンサー:AIG
サプライヤー:NIKE(ナイキ)

UEFAチャンピオンズリーグ:優勝
プレミアリーグ:優勝
FAカップ:6回戦
リーグカップ:3回戦

 03年夏にベッカムがレアルに移籍すると、ユナイテッドはそこから3シーズン、リーグ優勝から遠ざかっている。それでも、03年夏にクリスティアーノ・ロナウド、04年夏にウェイン・ルーニーを獲得して着々と戦力を揃えると、胸スポンサーがボーダフォンからAIGに変わった06/07シーズンに3年ぶりのリーグ優勝を果たした。

 ファーディナンドとネマニャ・ヴィディッチが鉄壁のディフェンスを誇り、ルーニーやロナウドが攻撃を彩った。翌シーズンはカルロス・テベスとナニを加えて、選手層はより強固なものになっている。ロナウドは31ゴールで得点王を獲得。クラブ史上最多出場記録を更新したギグスが最終節で決勝点を決め、17度目のリーグ制覇を果たしている。

 リーグ最終節から10日後、ユナイテッドはCL決勝でリーグ優勝を争ったチェルシーと対戦した。ロナウドのシーズン42得点目となるゴールで先制。フランク・ランパードのゴールで追いつかれてPK戦に突入したが、エドウィン・ファン・デル・サールの活躍もあり、3度目の欧州制覇を成し遂げた。

12/13シーズン

胸スポンサー:AON
サプライヤー:NIKE(ナイキ)

UEFAチャンピオンズリーグ:ラウンド16敗退
プレミアリーグ:優勝
FAカップ:6回戦
リーグカップ:ラウンド16

 ユナイテッドは06/07シーズンからリーグ3連覇、CLでは4年間で3度も決勝に駒を進めた。しかし、08/09、10/11シーズンの決勝ではともにバルセロナの前に屈している。

 10年から胸スポンサーがエーオンに変わっても、ユナイテッドの強さは変わらなかった。09/10シーズンは1ポイント差でチェルシーに優勝を許したが、翌年は9ポイント差をつけて優勝。11/12シーズンも最終的にはマンチェスター・シティにタイトルを奪われたが、勝ち点では並んでいた。

 09年夏にロナウドがレアルに移籍、ファン・デルサールは10/11シーズン限りで現役を引退し、正GKの座はダビド・デヘアへと受け継がれた。12/13シーズンはロビン・ファン・ペルシーと香川真司を獲得して戦力を揃えている。

 CLではラウンド16でレアルに敗れたが、リーグ戦では2位のシティに11ポイント差をつけて20回目のリーグ優勝を達成している。香川は負傷もあって活躍できなかったが、ファン・ペルシーはアーセナル時代に続く2年連続の得点王に輝いた。

 ファーガソンはこのシーズン限りでの監督勇退を決めた。正式に勇退が表明された翌日には、エバートンで指揮官を務めていたデイビッド・モイーズが後任に就くことが発表されている。

16/17シーズン

UEFAヨーロッパリーグ:優勝
プレミアリーグ:6位
FAカップ:6回戦
リーグカップ:優勝

胸スポンサー:CHEVROLET(シボレー)
サプライヤー:adidas(アディダス)

 ファーガソンが去った影響は計り知れなかった。13/14シーズンはCL争いにも絡めず、モイーズは1年も持たずに解任された。翌シーズンに就任したルイ・ファン・ハールが獲得したタイトルはFAカップのみで、2シーズンでチームを去った。14/15からシボレーが胸スポンサーとなり、15/16シーズンからはナイキに代わってアディダスがユニフォームのサプライヤーになっている。

 16/17シーズンにはジョゼ・モウリーニョがやってきた。ポール・ポグバ、ズラタン・イブラヒモビッチ、エリック・バイリーとセンターラインを補強してシーズンに臨んでいる。

 まずはリーグカップを制して1冠目。UEFAヨーロッパリーグ(EL)でもサンテティエンヌ、ロストフ、アンデルレヒト、セルタを下して決勝に進んだ。この年加入したポグバとヘンリク・ムヒタリアンがアヤックスとの決勝でゴールを挙げ、EL制覇を達成している。

 ダビド・デヘアは守護神と呼ぶにふさわしい活躍を見せ、チームはトッテナムに次ぐリーグ2位の29失点と堅守を誇った。一方、得点数はビッグ6で最も少ない54得点で、イブラヒモビッチはチーム最多の17ゴールを挙げたが、それに続いたのは6得点のフアン・マタ。負傷者が多く、メンバーを固定することができなかった。引き分けの数は15にも及び、リーグ戦を6位でフィニッシュしている。

【了】